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大阪商工会議所による調査結果の要約です。
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http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/Sonota/gaijin.html
外国人技能者の雇用に関する調査(要約)
平成9年12月/担当:経済部 石井
わが国は本格的な少子高齢化社会に突入しつつある。このような中で、わが国経済を支えている製造 業の技能者不足がクローズアップされている。今後のわが国製造業の技能者不足を解消する手段として、 国内労働市場のミスマッチを解消する一方、外国からの高度の技能・技術を持った労働者を受け入れる という議論が再燃している。こういった事情を踏まえ、大商ではこのほど、標記調査を実施し、製造業 における技能者不足の現状と外国人技能者の雇用状況、今後の外国人へのわが国労働市場への参入の可 能性について探った。
調査期間は平成9年10月。アンケート方式により大阪市内に本社を有する資本金2000万円以上 5億円以下の製造業のうち、2,194社を対象とした。
有効回答は734件。回答率は33.5%。
1.調査結果の特徴
わが国の技能労働者は4社に1社が「現在不足している」と回答しており、「将来の不足」を心配し ているものも、33.8%にのぼっている。
技能労働者不足解消の手段としては、「機械化」や「労働条件の改善」を挙げるものが多い。
特に、技能労働者不足解消の手段として、海外から技能労働者を受け入れてはどうかという議論につ いては、「積極的に受け入れるべきである」という回答が4割をこえた。
ただし、外国人労働者を雇用する際には、「言語、風習、習慣の違いで人事管理が困難」と回答した 企業が70%近くを占めており、外国人と日本人の生活スタイルや価値観の違いを障害と見ている企 業も多い。
発展途上国の人材育成のために実施されている外国人研修制度や技能実習制度の活用については、 「手続きの簡素化」や「受入れ・実習期間の延長」を求める意見が多い。
2.調査結果の概要
外国人雇用の実態について
就労ビザ所有の外国人を雇用している企業は19.5%となっており、業種で見た場合には、「非鉄 金属製造業」の割合(42.3%)が高くなっている。また、就労ビザを所有している外国人の雇用 数は「5人未満」の企業が93.0%を占めている。
外国人労働者の出身地域は、「中国」が60.6%と最も多く、次いで「中南米(21.1%)」、 「東南アジア(17.6%)」と続く。
外国人労働者を雇用する場合のメリットは、「海外進出に有利(35.7%)」が最も多く、次いで 「仕事に積極的に取り組む(32.9%)」が挙げられている。
逆に、「外国人を雇用しない理由」としては、「雇用の必要がない」と回答した企業が72.3%を 占めているが、雇用したいが種々の問題(規制、言語・風習・習慣の違い、求める技能を持った外国 人がいない)があるため雇用できないと回答した企業は22.0%を占めており、中でも、「言語・ 風俗・習慣の違いで人事管理が難しい」と回答した企業は12.1%となっている。
技能者不足について
現在の技能労働者の現状については、「現在充足している」と回答した企業は67.9%となってい るが、そのうち、約半数が将来の不安を心配している。また、「現在不足している」と回答した企業 も26.7%に登っている。
「現在不足している」企業の場合、不足している職種は、「機械加工(21.9%)」をはじめ、 「溶接(11.8%)」、「機械保全(11.1%)」、「金属プレス加工(10.1%)」の割合 が高くなっている。
技能労働者不足の原因として、「若年者の定着率の低さ(56.9%)」を挙げた企業が最も多く、 次いで「職場環境の悪さ(38.6%)」となっている。また、「労働条件の悪さ(33.3%)」 を挙げている企業も多く、その場合重視される労働条件は「賃金」が71.6%を占めている。
今後の技能労働者不足解消の手段は、「合理化、省力化投資を行い機械化を図る(56.5%)」が 最も多い。また「労働条件の改善を図る(36.6%)」との回答も多い。
さらに、技能労働者不足の解消策として、海外からの技能労働者を受け入れてはどうかという議論に 関しては、「積極的に外国からの技能労働者を受け入れるべきである」と回答した企業は42.2% を占めており、「外国人技能者の雇用は認めるべきではない」と回答した企業は13.5%に止まっ た。また、「技能実習制度の拡充」との回答は17.3%となっている。
外国人労働者を雇用する場合の障害となる事項については、「言語、風習、習慣の違いで人事管理が 困難(69.1%)」との回答がもっとも多い。また「言語、風習、習慣の違いで必要な技能を教え にくい(42.1%)」との回答も多く、外国人と日本人との生活スタイルや価値観の違いを障害と 見ている企業が多い。
そういった障害を克服できるかどうかについては、「公的機関の援助があれば解決できる(34.6 %)」と回答した企業が最も多いが、「解決困難(31.2%)」との回答も多くなっている。「自 力で解決できる」との回答は17.6%に止まり、自助努力では解決が極めて困難であるという実態 が浮き彫りとなっている。
外国人労働者を受け入れた場合の影響について、「社会的なコスト(社会保障、教育、安全衛生等) の増加」と回答した企業が最も多く、37.6%を占めている。その他の影響については「治安が悪 化する(30.0%)」、「高齢者や障害者の雇用機会を奪う(23.2%)」との回答も多くなっ ている。
外国人を受け入れる場合、その受入枠に制限を設ける、いわゆる「総量 規制」については、「総量規 制を行うべきである」との回答が52.5%と過半数を占めた。
外国人研修制度、技能実習制度について
外国人研修制度や技能実習制度の利用については、「利用実績なし」との回答が大多数を占めており 90.5%。「現在利用している」、「利用実績あり」との回答は両者合わせて6.3%となってお り、同制度はまだまだ一般的であるとは言いがたい状況である。
「利用実績なし」の企業が同制度を利用しない理由としては、「外国人を研修するという考えが ない」と回答した企業が最も多い(58.0%)。その他、「同制度を知らなかった」と回答した企 業も23.6%となっている。
外国人研修制度や技能実習制度を利用した実績のある企業にとって、同制度の改善希望点は、「手続 きの簡素化(63.0%)」、「期間の延長(52.2%)」が多い。また「新たなビザを設ける」 と回答したものは、19.6%にのぼった。
その他の外国人の雇用問題についての意見(自由記入)
−外国人労働者受入れについての積極的な意見−
現在の若い日本人よりも外国人の方が仕事への意欲は期待できる。
日本人、外国人と色分けするのではなく、能力があれば自由にどんな仕事でも就けるというのが一 番よい。
日本の技術レベルの維持と向上、また、海外の技術の習得のためにも世界各国と技術者も交流を図 るべきである。
−外国人労働者受入れについての慎重な意見−
日本人の雇用が進まない中で、外国人の雇用は不要である。
外国人は職種よりも金銭が目的の場合が多いので、低賃金で雇用することのみ考えていると、かえ って外国人労働者の定着率は悪くなる。日本の経営者はこの点の認識が欠けている。
問題は高度な技術を持った労働者の受け入れという議論の再燃となっているが、どの程度のものな のか、国内で通用する技術なのかが今のところ全く不鮮明。量産工場では単純作業と変わらない位 の簡単な機械操作となっている。ドイツの外国人労働問題の二の舞は考えものだ
一時的、目先の利益だけを考えて外国人受け入れ問題を考えることには反対。もし将来その人々が いらなくなった場合には切り捨てるということにつながりかねないためだ。そのようなことをする と結局国の信頼を失い、新たな国際問題となりかねない。
言葉・習慣の違いの他、個人的人柄、賃金格差を実力の違いと受け止められるかどうか等、外国人 をふるいにかけるフィルターの目は細かく、結局、外国人はほとんど採用されないのではないか。
外国人の受け入れについては、国際交流等の必要性から受け入れたいという気持ちはあるものの、 実際にはそのような余裕はなく、余分なこと(社員との摩擦、地域との関係等)は極力抱え込みた くないのが本音だ。
−外国人労働者受入れについての要望等−
外国人の受け入れに対しては、外国人自身が「日本の風習に添っていこう」という姿勢を持つこと が重要。受け入れる際に日本の慣習について十分にレクチャーしておく必要がある。
就労ビザの申請が1年毎の更新で審査されるのは、慎重な審査上やむを得ないことだと思うが、書 類審査を簡略化して欲しい。
日本語をある程度理解し、ゆっくりでも話せるまで国が教育してから企業人とする必要がある。