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今度はタイの例です。
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http://www.jil.go.jp/jil/kaigaitopic/2003_01/thailandP02.html
改善進まぬ外国人労働者雇用問題
タイでは外国人労働者の雇用登録を毎年8〜9月に行っているが、2002年は各地の洪水被害のため、11月に延期となった。登録料の高さと煩雑さのためか、登録者数は10月の時点で前年の半数程度に留まっている。外国人労働者を雇用する経営者らは、タイ人と外国人労働者との雇用のミスマッチという現実を見極めた政策を望んでいるが、それらの意見が反映されていないとの批判が強い。抜本的な改善が見られない政府の外国人雇用政策に経営者は不満の色を見せている。
経営者の意見は反映されず
精米業や建設業など、労働力の多くを外国人に依存している業種が多い北部のターク県では、県の商工会議所のメンバーらが、同県での雇用登録済みの労働者数の割り当てを増やすよう、政府と警察に求めた。警察が行っている不法就労者の取り締まりキャンペーンに対して、多くの登録済みミャンマー人労働者が、ターク県から、バンコクやその周辺都市へ移動してしまう事態を説明し、同県が外国人労働者の人材不足に悩まされていることを明らかにした。
経済不況下でタイ人の雇用を優先するため、ここ数年の登録済み外国人労働者の数は56万人程度にとどまっている。しかし不況とはいえ、農業や建設土木などのいわゆる3K労働にはタイ人がつきたがらない傾向があり、これらの業界の経営者は慢性的な人材不足に直面している。しかも、政府は各県と各業種に外国人労働者の採用枠を設けており、これが現実に必要とされている数字を反映していないとの批判が長い間なされていた。しかし改善は見られない。
外国人雇用に対する意識にも差が
そんな中、興味深い調査結果が出された。タイ商工会議所大学の調査によると、経営者の多くが外国人登録の期間を2年程度に設定し、より多くの外国人が雇用されるようなシステムを作るべきだと考えていることが明らかとなった。この調査は、全国の715の事業主を対象に、外国人労働者の雇用に関する質問を行ったもの。
調査結果によると、回答者の8割以上が不法就労者をなくすため、外国人労働者の雇用登録制度に賛成しており、外国人労働者が公務員に渡す賄賂を防止することができると考えている。
また、外国人労働者を雇用している事業主が、外国人労働者とタイ人の作業効率には差がなく外国人は賃金が安い、などと評価している。政府の労働許可手続きの簡単化と、新規登録枠の拡大などを政府に求めている。
一方、外国人労働者を雇用してない事業主からは、タイ人よりも効率が劣る、タイ人の雇用を奪うなどの否定的な意見が多数を占めた。
洪水の影響で登録期間を延長
2002年の外国人労働者の雇用登録は、各地で起きた大規模な洪水被害のため、期限を9月15日から10月15日に延長、最終的には11月5日まで延期した。2002年10月10日時点では、2001年に登録された56万8249人を大きく下回る20万8883人しか登録を行っていない。
登録者が少ない背景には、洪水の被害だけでなく、複雑な雇用登録システムと1人当たり3000〜4000バーツもの登録料といった要因があるようだ。
サムット・サコンに外国人労働者の居住地域を設置
一方、工業地帯での労働に従事する外国人労働者に対してスワット労相は11月1日、サムトッサコン県の工業団地を視察した際、「合法・非合法合わせて10万人以上の外国人労働者が居住する県は、専用の居住地域を作ることが必要である」と述べた。また、外国人労働者の間で流行している伝染病の治療のために多額の負担を強いられていることを指摘し、11月5日の外国人雇用登録の期限までに登録を済ませてほしいことを呼びかけた。