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(回答先: 今、時間がありませんので取り合えずネットで書評を拾ってみました。 投稿者 ワヤクチャ 日時 2007 年 7 月 30 日 23:44:10)
ワヤクチャさん、こんにちは、レスをありがとうございます。
>私は民主主義を批判的に捉えた本をあまり知りません。この長谷川氏の本はそのような本であり私に衝撃を与えたという意味で紹介させていただきました。一番簡単に言うと民は間違いも犯すものであり民主主義が民が主人であるという主義であるならばそれは形式であるに過ぎず間違いも犯す形式であるに過ぎないという事です。
他の機会で構いませんので、「私に衝撃を与えた」の部分の、それがどんな衝撃であったのかを聞かせてください。
それはさておき、『民主主義とは何なのか』 (文藝春秋社[文春新書]、2001年)については、以前図書館で拾い読みをしたことがありますので、そときの記憶を辿りながら感想を述べてみたいと思います。
先ず内容的に政体としての民主政の本質を衝いた批判書の体は成してはいないと感じました。政治論が専門ではない長谷川氏が政体としての民主主義を論じるには視野の広角さや掘り下げの深さにおいて限界があるのは自明なことなのですが、文化論的にも民主主義(思潮)の批判に成功しているようには到底思われませんでした。つまり、立憲民主制(共和制)はおろか立憲君主制と云うよりも寧ろ天皇親政(国体)に近い政体を信奉しているかのようなこれまでの氏の論調から見て、それを提示・対比せぬまま民主主義を批判しようとすること自体が却って論理を展開していく上での限界を露呈してしまっていると感じられました。結論的には政治論的に民主主義に関する新たな見解を長谷川氏の言説に見出すことはできませんでしたし、それはそもそも氏が国民主権に立脚していないことに起因しているのではないでしょうか、そんな推断が可能だと考えています。
また、会いましょう。
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