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(回答先: 国家立てればこちらの団体立たず、というのは、真の幸せを見失った議論のように思います。 投稿者 heart 日時 2007 年 2 月 17 日 13:05:54)
Heartさん、こんにちは。
＞何かをすることによって、片方が幸せになり、片方は不幸になるのであれば、その行為は間違いなのではないかと思います。
下村湖人の「真に団体を愛し、真に国家を愛するものは、その団体、その国家をして天意に叶い、人類に幸福をもたらすようなものたらしめなければなりません」という言葉を受けて、ここで言う「幸福」というのが、愛という名の何らかの行為によってもたらされる幸福であると俺は認識しました。つまりその行為によって幸福がもたらされる前は、幸福ではないという状態にあるということだということです。
では、幸福という状態と幸福ではないという状態の違いとは何でしょうか。それを分け隔てているのは一つの観念であり、一つの価値判断ではないでしょうか。そういった主観的な価値判断に基づく幸福において、その行為が相手にとってどうして幸福であったり不幸であったりと判断が下せるのでしょうか。どこの視点にたってどのように判断を下すというのでしょうか。下村湖人の言う「天意に叶い」とはどういうことでしょうか。何を天意だとするのでしょうか。どうしてその天意が正しい事だと認識できるのでしょうか。また、幸福も不幸もその天意とやらが作りあげたのではないですか？なら、なぜ不幸を否定するようなことを言うのでしょうか。幸福でない状態を放置しないのでしょうか。
もし愛が全ての完全なる受け入れであり、全肯定ということなら、人類に幸福をもたらす必要もないでしょうし、何ひとつ間違った行為も起こりえないと俺は思っております。ただ下村湖人の定義する愛は、人類を幸福にしなければならないという条件が付されている愛であり、決して無条件受け入れの愛ではないように感じました。そのような愛の概念はこちら立てればこちら立たずというような二元性を生み出し、対立構造を生み出す愛だと俺は認識しております。
＞私は普遍的に価値があることだと思います。
＞また、意義というよりも、自分よりも他者のために生きること、それが生命の本質のような気もします。
生命の本質が、自分よりも他者の為に生きることであるかどうかの真偽は別として、なぜそのような本質を持った生命が必要だったのでしょうか？そこに確固たる根本的な存在意義（普遍的価値）といえるものがあるのでしょうか？その生命を肯定する前によく掘り下げて調べたのでしょうか？というようなことが俺の言いたいことです。
また、下村湖人は、自分よりも他者の為に生きることと主張しているのではなく、自分の枠を他者にまで拡張して、自他不二とか、万法一如と言ったような自分と他者を分け隔てなくなるような状態で、自分を愛するように、全てを愛せよといったようなことだと解釈しております。
＞また、信仰に終わらせないためには、その「哲学」を実行する必要があるだろうと思います。
それは、今回の論点からは少々ズレているような気がします。
例えばオウム真理教の哲学を信仰に終わらせない為には実行する必要があるというようなもので、確かに実行に移せばひょっとしたら、それがキッカケとなって偶然にも何らかの真理を手にすることもあるかもしれません。サリンで人を殺すことで、それに絶望を感じ、そのショックから偶然にも真理を見出すことがあるかもしれません。その時、オウム真理教は真理をもたらす宗教であるとも言えるかもしれません。
哲学が行っているように思考によって論理的に真理を追求しようとすることではなく、思考放棄・思考依存という状態にも関わらず真理を得ようとすることを信仰的であるとして俺は区別して扱っているだけです。
そして下村湖人が愛や世界や生命の存在意義の部分を論理的に触れもせず、ただそれらを当然意義あるものとして前提させて哲学的に論理を構成している節が見受けられたため、それに「人間生活の意義」というタイトルを付けるには少々無理があり、それは信仰的だと論理的に解釈しただけです。
＞下記もできれば是非お読みください。
＞下村湖人の思想の一端がわかるかと思います。
＞http://garyoan.hp.infoseek.co.jp/youth.htm
ざっと読ませて頂き、ますます下村湖人という人の主張は信仰的だという認識が俺の中で強くなりました。
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