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□「ハニカミ王子」騒動 問われるメディアの在り方 [産経新聞]
http://www.sankei.co.jp/sports/golf/070610/glf070610000.htm
「ハニカミ王子」騒動 問われるメディアの在り方
かつて『ネットワーク』という映画を見た。視聴率低迷を苦に、ノイローゼになった男(ピーター・フィンチ)は番組内で自殺を予告する。すると再び視聴率が上昇、フェイ・ダナウェイふんする女性重役は、視聴率のためにとことん利用する。今回の騒動でふと思いだした。
4日から4日間にわたって開催された関東アマチュアゴルフ選手権。これまであまり注目されなかった大会が、15歳で男子プロゴルフのトーナメントを制した石川遼選手(東京・杉並学院高1年)の出場で変わった。
タレント扱い、逸材つぶす暴走
4日間でギャラリーが1万1900人も詰めかけたことに加え、メディアも初日に75社、約200人が取材登録した。ファンのマナーの悪さも指摘されたが、取材には慣れているはずのテレビ局も、なぜか右往左往。スポーツ取材に無縁の情報番組担当者たちの予期せぬ動きが、出場選手たちの顔をしかめさせた。
そんな折、TBSが仕掛けた“盗聴未遂”が発覚。関東ゴルフ連盟の加藤重正事務局長は「同伴競技者にマイクを着けさせるなんて、全く不謹慎極まりない」と怒りをあらわにした。競技中に上空を旋回するヘリコプターの騒音で、プレーを一時中断する選手もいた。
『NEWS23』の膳場貴子アナウンサーの手紙をスタッフが石川に強引に手渡そうとした“ラブレター事件”には「やりすぎだ」という声が渦巻いた。学校で行われた会見では『朝ズバッ!』担当者が「みのもんたさん、バンカーが苦手なんで。何かアドバイスを…」。これもTBSだ。
個々を攻撃しようというのではない。取材・報道の自由は、もちろんある。しかし、最低限のモラルも存在するはずである。そんな中、現場を預かる同局のスポーツ責任者が事の重大性を把握して関係者に深く謝罪しているのが救いであった。
石川は久々に出現した逸材で、多くのプロが「彼のスイングはタイガー・ウッズにも匹敵する新世代のもの」と激賞していた。アスリートのプレーにおける輝きを伝えるのが、メディア本来の義務であろう。やっていいこと、そうでないことは明白であるのにもかかわらず、傍若無人の暴走、厚顔無恥の行動には悲しいものがあった。
現地取材の傍ら、記者ブログに書くと、3万件に及ぶアクセスがあった。かつてない反響で、書き込みの多くがメディアの傲慢(ごうまん)さ、スポーツのバラエティー化を嘆いていた。「シンデレラボーイの一挙手一投足を“ストーカーまがい”に追いかける姿勢に終始した報道にはあきれた。レベルの低い層に合わせたというか、視聴者を自分たちの低いレベルに落とした」という意見である。
いま、東京六大学野球では、早大の斎藤佑樹投手も同じような環境にいる。かつてスーパーアスリートと呼ばれた逸材はいた。芽を吹きはじめた選手たちが、安易なタレント的な扱いによって消えていったケースもある。すべてがメディアの責任ではないが、どこかで歯車が狂ったのかもしれない。そんな過去を忘れてはならない。
「多くの人、メディアに注目されるのはうれしい。将来みんなに愛されるゴルファーになりたい」。騒動の最中にも石川はこう話した。大切にしたい。自戒を込めて…。(編集委員 清水満)
(2007/06/10 08:33)
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