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(回答先: 面白かったら何やっても許されるのか 投稿者 近藤勇 日時 2007 年 4 月 05 日 18:08:42)
□「あるある」たたきでは何も解決しない [池田信夫 blog]
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/8b12470b4d8d779b76a4a66bf0a4f9fb
「あるある」たたきでは何も解決しない
2007-04-05 / Media
関西テレビの捏造事件は、総務省が「警告」を出し、社長の辞任とともに謝罪番組を放送したことで、一応決着するようだ。しかし、これを契機に放送局の規制強化論が出てきたり、謝罪番組にも「スタッフの顔を隠すのはおかしい」という批判が出るなど、「あるある」バッシングはおさまる様子がない。
だが冷静に考えてほしい。たかが納豆の番組である。納豆を買いに走った主婦は腹が立つかもしれないが、だれを傷つけたわけでもない。これに比べれば、地球温暖化を誇大に報じて統制経済を推進するNHKや、「従軍慰安婦」の誤報で日本の外交を窮地に追い込んだ朝日新聞のほうが、はるかに罪が深い。
関西テレビに非難が集中するのは、それが重要だからではなく、たたきやすいからだ。誤報の場合には「当社の意図は違う」などと抗弁する余地があるが、意図的な捏造にはそういう反論がきかないから、100%悪者にしても名誉毀損などで反撃されるリスクがない。何兆円も粉飾した(が当局が摘発しなかった)都市銀行より、50億円のライブドアのほうが何倍も大きく扱われるのと同じ理由だ。つまり重大な誤報よりも軽微な捏造のほうが派手に扱われること自体が、メディアバイアスの一種なのである。
まして放送法を改正して電波を止めやすくせよなどというのは、筋違いもはなはだしい。停波というのは、営業停止である。そういう行政処分は、違法行為のときに発動されるもので、捏造は違法行為ではない。このように規制を強化すると、「コンプライアンス委員会」のような形式的な手続きが煩雑になり、現場が萎縮して番組の質が落ちるだけで、解決にはならない。
民放の番組の質が低い根本的な原因は、当ブログで何度も書いたように、テレビの放送開始から50年以上、地上波への新規参入がなく、在京キー局の寡占状態が続いているため、番組の質による競争がないことだ。BSも地上デジタルも新規参入によって競争を導入するチャンスだったのに、郵政省はキー局やその(事実上の)子会社に電波を割り当て、寡占を温存してきた。IPTVについても、地上波の再送信拒否などの意地悪を役所が容認してきた。
民放がくだらないことは問題ではない。くだらないと思ったら、見なければいいだけのことだ。問題は、くだらない民放しかないことである。地上波以外の番組を見るコストが(制度的な障壁で)格段に高く、質の悪い製品をつくった企業は淘汰されるという当たり前の競争原理が働いていないから、全業種中最高の給料をとって最低の番組を出すテレビ局が生き残っているのだ。企業を罰するのは行政ではなく消費者であり、それを機能させるのはメディア相互の批判と競争である。
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