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人体実験ネタです「自傷行為」を28回繰り返し,その途中での皮膚の変化を観察
http://www.asyura2.com/07/health13/msg/551.html
投稿者 鉄人 日時 2008 年 2 月 14 日 07:03:26: iY3Rjq3B.2uDU
 

http://www.wound-treatment.jp/title_new.htm

*  当サイトの内容や写真の引用は構いません。どうぞご自由に無断でお使い下さい。事後承諾も不要です。

*  私が講演で使用しているスライドファイルを提供しますので,本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
 上富良野町立病院 外科の兼古先生が一般の方向けの講演で使用しているスライドファイル「ただしい傷の治し方」 (6.83 MB),御自由にお使い下さい。
 中部ろうさい病院 形成外科 加藤友紀先生も患者さん説明用動画を作られています。日東メディカルのサイトをご覧下さい。

*  『外科学の歴史』(クロード・ダレーヌ,白水社),『謎の解剖学者ヴェサリウス』,『医師ゼンメルワイスの悲劇』の全ページをスキャナで取り込み,PDFファイルにしました。お読みになりたいという方は,本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。

*  瑞光メディカル(株)から治療材料,プラスモイストが販売中です。また,海外での医療ボランティア活動などにはプラスモイストを瑞光メディカルが提供しますので御連絡下さい。プラスモイストPの調剤薬局での販売が2007年10月より始まりました。
o 問い合わせ先:瑞光メディカル(株) 倉田修平
+ 大阪府摂津市鳥飼上4-3-50
+ 電話:072-653-8877, Fax:072-653-8876
+ メール

2008/02/14

*  前日に引き続き,人体実験ネタです。今度はガムテープを張っては剥がし,張っては剥がしという「自傷行為」を28回繰り返し,その途中での皮膚の変化を観察しました。痛かったです。

*  金属学の研究者という方からこんなメールをいただきました。医学の常識は科学の非常識,ということがよくわかります。

 『創傷治療の常識非常識』のamazonの書評に大変否定的なものがあり,その理由は「この常識にはエビデンスがない」からだそうです。実際に痛くなく早く治っているのに,それを医学では「エビデンス」と呼ばないのでしょうか。
 私は金属学の世界で飯を食っている人間です。この世界もやはり新説異説は受け入れにくい環境があります。しかし未知なる現象に遭遇した場合,まずその事実を受け入れ,それがたまたまなのかそれともそこに「何か」があるのかを明確にし,それを定性、定量するのが科学であると恩師から教わりました。
 目前の未知なる現象を追求せず,たまたまとか何かの間違いとか,過去のデータを探しても見当たらないからと言ってしまうようでは,すでに科学ではありません。科学者でない,あるいは技術者でない医者が多いとしたら大変恐ろしいと感じます。「エビデンスがない」という意見に???なのです。

 要するに,未知なる現象に遭遇した場合,まずその事実を受け入れてそれを定性的,定量的に研究するのが科学,過去に書かれた論文を探すのが医学です。自分で考えずに過去の誰かの論文を探すことが医学会の証明法というなら,医学は科学ではありません。というか,新しいことを生み出せなくなります。
 医学はいつまでこんな馬鹿なことを続けるつもりなんでしょうか。過去に証明を求めている限り,未知の現象には対処できません。過去にエビデンスを求める姿勢では,未知の現象を理解できません。

*  こんなリモコンがあったらいいよなぁ,という機能を全て備えたリモコンを手に入れた中年男の人生を描く秀作映画,《もしも昨日が選べたら Click》を紹介。

*  私は毎日,朝5:30に起床して仕事を始めますが,明るくなる時間が随分早くなったなと実感しています。年末年始の頃は7時になっても外が薄暗かったのに,現在は6:45にはすっかり明るくなっています。

*  2007年10月初めから「外傷を湿潤治療している医師」リストを作り直していますが,以前登録された先生で所在の確認作業ができず,リストから漏れている先生がいらっしゃいます。


 再掲載を御希望なさる方,あるいは新たに掲載を御希望なさる方はお手数をおかけしますが,@名前,A所属病院,診療科(病院勤務の場合),B住所と電話・ファックス番号,Cメールアドレス掲載の有無(メールアドレスは暗号化してHTMLの中に埋め込みますので,アドレス収集プログラムにはひっかからないようにしていますが万全ではありません),D同じ病院内に湿潤治療をしている医師がいればその人の名前,E病院のホームページアドレス,以上を明記してメールでご連絡下さい。

2008/02/13

*  「その他」に「ハンドソープでの皮膚の変化」を追加。一目瞭然という結果が得られました。今度は,ウェルパスでの手洗いが皮膚に及ぼす変化を見てみようかと・・・。

*  雑誌,「栄養と料理」3月号に取材記事『傷口が傷まず,治りも早い 常識をくつがえす「湿潤療法」とは?』が掲載されました。


*  背景に自然の驚きを子供に伝えようとする老教師と彼に導かれて成長していく少年,そしてそれを無残に破壊するスペイン内戦を描いた感動的な映画,《蝶の舌》について。
 ついでに,スペイン内戦がらみということで,パブロ・カザルスの想い出もちょっと書いたりして・・・。

*  「遺族への損害賠償認めず 割りばし死亡事故 東京地裁」。この事件について常識的でまともな判断が下され,喜ばしい限りだ。この事件に関する限り,御両親の訴えは的外れであり,訴えられた医師に過失はないと思っている。割り箸を咥えて走り回っている子供がいたら,同様の事故は必ず起こる。そして,割り箸が脳味噌に刺さったらその子は100%死ぬ。どんな治療をしようと検査をしようと,子供は100%死ぬ。
 もしも,同様の事故で子供を死なせたくなかったら,割り箸を咥えて走る子供を叱りとばして,泣かせてもいいからわたあめを取り上げるしかないのだ。

 以下は,私がかつて作っていたピアノサイトのエッセイ欄で,事件発生直後の1997年7月14日に書いたものだ。それから10年を経た現在でも,基本的な考えは変わっていないので,当時の文章を再掲する。

 縁日のわたあめを食べていた4歳の子供が転倒し,わたあめの割り箸が突き刺さり,命を失うと言う悲惨な出来事が起きた。この事故では,受傷直後に杏林大学付属病院を受診し,「異常なし」とされて帰宅し,翌朝に容態が急変した。そのため,マスコミの報道はどうしても,救急外来で診察した医師の手落ちではないか,というものになる。実際,「救急当番医が正しい診断を下し,迅速に治療をしていれば助けられた命なのに,それを怠ったばかりにいたいけな子供が死んでしまった」と言う主張ばかり紙面に並んでいる。
 だが,この論調は正しいのだろうか。一つ一つ検証してみよう。

 まず,予見義務について。
 これを問うのは無理である。何しろ,口に物を咥えて転倒し,それが脳味噌に刺さるという事故は恐らく前代未聞であり,どんな論文にも教科書にも書かれていないはずだ。起こったことがない極めて特異な事故である。これを予見しろと問うほうが無理である。この事件以後なら予見義務が生じるかもしれないが,この事件に関しては予見することは医学的に不可能だ。

 次に,死と言う転帰。
 医学常識的に考えて,この子供は残念ながら,万全を尽くしたとしても死は免れなかったろうと思う。死亡率は100%である。超早期から治療(・・・と言っても抗生物質の点滴くらいしか手はないと思うが)を行ったとしても,やがて脳に起こるであろう感染症,そして死は必ず訪れる。死の時期を多少遅らせることは可能だと思うが,助けることは不可能だ。
 口腔内はきわめて汚い環境である。ばい菌だらけである。しかも口に咥えていたのは,木の棒だ。これが脳に突き刺さったわけだ。木の棒が生体に突き刺さればそれを抜いても中にササクレが残ってしまう。要するに,ばい菌と感染源が揃っているわけだ。これでは感染は必ず起こる。従って,どんな治療をしても救命は不可能。
 要するにこの子供の脳の状態は,交通事故で頭蓋骨が割れ,脳味噌が飛び出し,そこに木が刺さっているのと同じだ。この状態になったら,助ける手段はない。従って,治療をしなかったから子供が死んだという因果関係はない。

 次に診断について。
 断言するが,今回の場合,脳に損傷があったかどうかを診断するのはほぼ不可能だろうと思う。転んで口に咥えた棒が脳に刺さっている,というのは常識的には考えにくい。
 医学における診断は,各種の所見を組み合わせ,最も確率の高い疾患から順に思い描き,消去してゆく作業である。割り箸のような太いものが,頭蓋骨と脊椎の間の狭い隙間を通って,脳に損傷を及ぼすことは医学の常識からはまず考え付かない。そして,CTなどの検査を行っても必ず死ぬし,検査しなくても死ぬ。

 4歳の子供を突然失った両親の悲しみは,痛いほどわかる。私だって,同じ立場に置かれたら,誰かを恨まずにはいられないだろう。しかし,だからといって救急室で診察した医者を訴えるのはお門違いである。この当直医はベストの医療行為をしなかったかもしれないが,医学常識から見て特に不当というわけでも手抜きというわけでもないのである。
 「子供が死んだのだから,誰かが責任を取らなければいけない」という論理を認めたら,それこそ,わたあめを売った露天商の責任,わたあめの割り箸を作った業者の責任,そもそも祭りを行った市の責任・・・ということになってしまう。これは明らかにおかしい。
 もしも今回の事故で子供の死の責任を問うとしたら,口に鋭いものを咥えて走り回っている子供を叱りつけず,わたあめを取り上げなかった親にあると思う。物を口に咥えて走ったら危ない,というのは幼い子供を持つ親の常識であり,医学以前の問題である。

2008/02/12

*  「外傷を湿潤治療している医師」に,岩手県花巻市の石鳥谷駅前クリニック 高橋 仁志先生,福岡市東区の(医)福香会おくだクリニック 整形外科 奥田隆司先生にもご参加いただきました。

*  先週金曜日(8日)は栃木県の宇都宮市医師会で講演でした。70名近い方が参加され,多数の質問もいただきました。ご参加いただきありがとうございました。
 講演後は4人の先生方と懇親会。生物進化から政局に至るまで,いろいろ話したような記憶があります。遅くまで雑談,漫談にお付き合いいただき,ありがとうございました。

 講演前に「消毒なしという方針に反感を持っている先生も参加されるので,多分質問が出ると思いますが,穏便にお願いしますね」と知らされていたため,どういう質問が出るか,ちょっと楽しみにしていたのですが,最後まで反対意見はありませんでした。「それはおかしいんじゃないですか?」という質問が出るのは,実は楽しみにしています。

*  この講演,そしてその後の懇親会でも「シャンプーなしで温水のみで洗髪」の話題になりましたが,今回の講演で「実は私も以前からシャンプーは使っていません」と声をかけてこられた方が3人いらっしゃいました。どの方も「痒みがなくなった,抜け毛が減ったようだ」ということで共通していましたが,一人の先生は「頭が臭いと家内に言われて,一生懸命シャンプーしても全然よくならない。それで頭にきて,シャンプーをやめてみたら,臭いのことを言われなくなったんですよ」とおっしゃられていました。

 私も実感していますが,シャンプーを使っていた時期に比べ,シャンプーを使わなくなってから枕カバーはに負わなくなります。
 どうやら「シャンプーを毎日する」⇒「皮膚常在菌叢が乱れる」⇒「変な細菌が増える」⇒「変な臭いが出る」⇒「不潔なために臭い,と考えより一生懸命シャンプーをする」⇒「もっと臭くなる」というメカニズムじゃないかと思われます。

*  これに関連して,「その他」に「シャンプーと携帯電話」を追加。なぜ私たちはシャンプーを止められないか,それは,シャンプーなしの生活をしたことがないから・・・という駄文です。

*  さて,先月からちょっと予告していた実体顕微鏡Dino-Lite Plusですが,ようやくゲットして自分の肌を撮影していますが,こんな具合で結構使えそうです。下の写真は60倍で撮影したものを縮小したものですが,肌の様子がよくわかります。自分の肌が健康かどうかはわかりませんが,尿素クリームや消毒薬で皮膚がどう変化するかの実験では,これをコントロールにしたいと思います。
 倍率は200倍まで拡大できますが,皮膚の状態を観察するならこのくらいがいいかな,という感じです。

手背の皮膚 母指球部 前腕伸側


*  それにしても「時津風部屋 殺人事件」での元時津風親方の供述を報道で聞く限り,「責任は自分にない,あれは正当な稽古だった,俺は止めろと言ったのに弟子が勝手にやって殺した」の一点張りらしい。世の中,醜い事件は多々あるが,これほど醜い言い訳はちょっとないよなぁ。こういうのを「親方の品格」って言うのかなぁ?
 普通なら,「弟子のしたことは自分の責任だ,この事件の全責任は自分にある,どうか弟子たちに責任を問わないで欲しい」と弟子をかばうと思うんだけど,どうも違っているようです。これじゃまるで,「賞味期限が切れた商品のラベルを張り替えたのは従業員です。従業員のしたことであって,私は指示していません」と言い張った船場吉兆の社長@元と同じじゃん。
 いずれにしても,親方がこうなんだから,横綱にだけ「品格」を求めたって無駄だと思うんだけど・・・。

2008/02/08

*  日経メディカル2月号の特集「その処置,必要?」の『注射前のアルコール消毒』が掲載されました。よろしかったお読みください。ちなみにこの特集,これまで慣習的に行われてきた医療行為を俎上にあげ,そんなの要らない! と一刀両断していて面白く,私も間違って覚えていたものが幾つかあり,とても勉強になりました。ちなみに内容は次の通りで,どの処置・治療も必要なさそうです。
o 抗菌薬使用前の皮内反応試験
o 急性中毒への胃洗浄
o 注射前のアルコール消毒
o 沈静性抗ヒスタミン薬
o 風邪予防にヨードうがい
o 外傷処置後の抗菌薬
o ドレーンの長期留置
o 腹腔ドレーンを切って次第に短くする
o 乱用されるアルブミン製剤
o めまいに重曹水(メイロン)
o 終末期患者への輸液管理
o 脳梗塞予防のために水分を多く摂る
o 子供の胃腸炎の後はお粥から
o 傷が治るまで濡らしてはいけない
o 通風ではプリン体を控える


*  ちょっと読み始めている本が『ミトコンドリアが進化を決めた』(ニック・レーン,みすず書房)。これも450ページを越える大著です。


*  昨日,プロ野球の読売についてちょっと書いたが,このチームを取り巻く状況は考えれば考えるほど変だ。
 まず,なぜ「巨人」とよぶのか。通常,プロ野球の球団を呼ぶ際は,親会社名(阪神,オリックス,ヤクルトなど)か英語のニックネーム(ドラゴンズ,ホークスなど)で呼ぶのが普通である。しかし,「巨人」はどちらでもない。Giantの和訳でしかない。これは要するに,広島を「鯉」,楽天を「鷲」と呼ぶようなものだ。なんでこのチームだけこんな変な呼び方をしているんだろうか。そしてもっと変なのが,このチームだけを「巨人軍」と「軍」をつけて呼ぶことだ。

 確か第二次大戦中は英語が使えなかったため,プロ野球のチームも「猛虎軍」とか「金鯱軍」なんて日本語で呼んでいたことがあったと思うが(うろ覚えなんで間違っているかもしれませんが),戦争が終わってもその呼び名が一つのチームにだけなぜか残り,「読売巨人」,「巨人軍」と呼ばれている・・・なんてのが真相か?
 もしかしたら読売のファンはまだ第二次大戦が終わっていないと思って「巨人軍」と呼んでいるとか,戦時中に郷愁を覚えてその頃の呼び名を変えずにずっと使っているファンが多いからとか・・・?

2008/02/07

*  来年の第11回日本在宅医学会(2月28日〜3月1日,鹿児島)でシンポジウム(?)をすることになりました。詳しくは後日,報告します。

*  以前からちょっと書いてきた『戦争の経済学』について。これはお勧め本です。

*  タイムリーな話題でもなんでもないけど,ちょっとね。

 日本のプロ野球といえば巨人軍ジャイアンツ・・・という時代でもないのですが,その「栄光の巨人軍」は今年もまた大型補強をして悦にいっているようです。なんでこんなに頭が悪いんでしょうか。
 昨シーズン,ずっと優勝戦線にいてリーグ優勝までしたのに,テレビの巨人戦の視聴率は史上最低レベルでした。要するに,優勝しようがしまいが,テレビで巨人戦を見る人がいなくなった,ということであって,戦力をどれほど補強しようと,たとえぶっちぎりで優勝しようと,テレビの視聴率は上がらないことになります。ということは要するに,「強い巨人で視聴率をアップし,ついでに読売新聞の販売部数を増やす」という読売新聞の戦略はもう既に時代遅れで失敗しているということじゃないでしょうか。

 であればどうすればいいか。基本的戦略,基本路線を根本から変えるしかありません。
 常識的に考えればわかりますが,プロ野球を興行として考えるなら,一番美味しい状況は,ペナントレースの最終戦まで優勝がもつれ込み,その後のプレーオフ,日本シリーズともに最終戦まで決着が付かない,という状態です。さらに,一点差のシーソーゲームが連続したら興行的には完璧です。
 朝青龍一人勝ちが続くと観客が減り,白鳳との優勝争いが最後まで続いたら観客が戻ったというのと同じです。勝負事というのは勝つのが最終目的ですが,相手が潰れてしまっては勝負事そのものが成立しないのです。
 読売新聞にとっては朝日新聞がなくなろうと毎日新聞が潰れようと関係ないというか,逆に購読者が増えるかもしれませんが,野球では他のチームがなくなったら試合そのものが成立しないんですよ。そのあたり,読売新聞はわかっているんでしょうか。

2008/02/06

*  「なぜCDCの術後創感染(SSI)対策は非現実的で観念的なのか」について,アメリカの保険制度から考えた文章を書いていますが,ちょっと時間切れ。後日,公開予定です。

*  クズ映画の殿堂といえばアルバトロスですが,アルバトロスとしてはかなりまともなモンスター・パニック映画,《ギガンテス》について。チープそのものですが,暇つぶしくらいにはなるでしょう。

2008/02/05

*  「湿潤治療の講演を行っている医師」と「外傷を湿潤治療している医師」に石川県金沢市の石川県立中央病院 呼吸器外科 常塚宣男先生,さらに「外傷を湿潤治療している医師」に名古屋市中川区の名古屋共立病院 外科 森亮太先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。

*  監督・主演のケビン・コスナーが自己陶酔しまくっている超大作のクズ映画,《ポストマン》について。おまけに,コスナーの息子さんや娘さんも臆面もなく登場させて重要な役をさせるという超恥ずかしい作品です。コスナー監督の暴走を誰も止められなかった模様です。褒めるところが見つけられないという見事なまでの作品なんですが,これでせめて,超低予算映画だったら救いようがあったんですが・・・。

*  昨日,自分で作ったPDFファイルでも文字情報がコピー&ペーストできるのはなぜ,と書いたところ,専門の方より教えていただきました。
 アクロバットのver.6以降はOCR機能(画像を文字情報に変換する機能ですね)も持っていて,PDFファイルにする時点で自動的にOCRで読み取るようになっているんだそうです。このため,PDFファイルでの文字列検索が可能になったとのこと。なるほど,よくわかりました。
 これでまた一つ,ものを覚えました。

2008/02/04

*  4月20日の「第1597回 最新医療セミナー」での講演の詳細が決まりました。詳しくはこちらをご覧ください。午前,午後の4時間の講義で,受講料がかかります。詳しくは,主催のメディカルコア(Tel: 03-3552-7741, Fax 03-3552-7745)にお問い合わせください。

*  食の安全の問題を突き詰めると,「作った人と食べる人の距離が離れるほど食べ物の安全は維持しにくくなる」ということなんだろうと思う。自分で食べる,家族で食べる,隣の人に食べてもらう・・・なんて場合には,少しでも毒性があるものは作りたくないと思うのは当たり前。食べる人を知っているからだ。食べる人の顔が見えたら危ないものは作れないのが人情だろう。
 ところが,時間的距離(作ってから食べるまでの時間の長さ)や物理的距離(作った人と食べる人が住んでいる地図上の距離)が大きくなるほどそういう要素が希薄なり,「食べるもの」ではなく「売るもの」という意味合いが強くなる。ましてや,どこにあるかもわからない国で売られるとか,何ヶ月もたってから食べられるかも,なんてことになると安全よりは商売が優先される。これも人情だ。

 地産地消がもっとも安全なんだろうけど,今の日本では夢のまた夢。飛行機からこの国土を見るとよくわかるが,ほとんど山ばかりでとても一億人の食料が作れる国ではないことは明らかだ。この国土に一億人が生活していると言うことはつまり,食という生命の基本を他の国に握られ,他の国に委ねている国だということだ。

 ちなみに,食料自給率がこれほど低いのに私たちが飽食を楽しんでいられるのは,工業製品を海外で売って利益を得,その利益で食料と資源を海外から購入し,資源を加工して工業製品にするというサイクルが回っているからだ。このサイクルが止まった時に何が起こるかは火を見るより明らかだと思う。このサイクルを止めるのは実は簡単で,青少年の教育レベルを落とすだけでいい。

*  中国では「野菜についた農薬・殺虫剤を落とすために中性洗剤で野菜を洗って食べている」ようだが,いずれ中国国民も「残留する中性洗剤も体に危ない」ことを知るだろうが,その時どうなるんだろうか。農薬を洗い流すのに使った中性洗剤を洗い流すためには大量の水が必要である。中国でそれを始めたら,水はすぐに足りなくなる。何しろ近年の中国では,黄河が海に注ぎ込まない日が一年の半数を超えているらしいのだ。つまり,海にたどり着く前に黄河は干上がっていて,飲める水は余っていないのだ。
 農薬をバンバン使って農作物の収量を増やしたほうがいいのか,農薬を使わないために収量が減っても農薬を洗い流す必要のない野菜を作ったほうがいいのか,とても難しい問題だと思う。

*  3日の朝日新聞のコラムに次のような記事があった。

福音主義者(=聖書の言葉を全て真実だと考える)は米国人の2割から4割。聖書の一語一語は現実を示した言葉であると信じている米国人は31%(ギャラップ社調査)。

 ちなみに,アメリカとは「キリスト教のカルト一派(=自分達のことをピューリタンと呼んでいたが・・・)で税金を払うのが嫌」という連中が作った国なんだとか。確かに,通常のキリスト教からみると福音主義はカルトそのものだし,税金を払うのが嫌な国民だからアメリカは伝統的に「小さな政府」である。

*  先日,ふと気がついたのですが,PDFファイルの文字をコピーしてテキストファイルやワードのファイルにそのままペーストできることはご存知と思いますが,なんとこの機能は,自分で本をスキャンして作ったPDFファイルでもできるんですね。これって実はすごい事じゃないかと思いますが,いかがでしょうか。
 だって,テキストファイルから作ったPDFファイルから文字情報を取り出せるのはなんとなく原理的にわかるけど,本をスキャンして作った場合,文字情報でなく画像情報として取り込むはずですよね。だって,スキャナで「これは画像,こっちは文字」と分けて取り込んでいるわけではないからです。実際,本のページには画像と文字が混在していて,画像も文字も一挙に取り込んでいます。
 ところが,自分で作ったPDFファイルをAcrobat Readerで表示し,文字にカーソルを合わせて左クリックしながらドラッグすると,なぜか文字のところだけ反転してコピーできます。そしてテキストファイルにペーストすると,そのまま文字情報として貼り付けられます。つまり,どこかの時点でASCIIコードに変換しているはずです。
 なぜ,こんなことができちゃうの? Acrobat Readerに画像を解析して文字情報に変換する機能が備わっているから?
 このあたりの原理,どなたかご存知ですか?

*  上海問屋の16GBのSDカード,ついに9,499円!

2008/02/01

*  第108回 日本外科学会定期学術集会での講演ですが,5月16日(金)10:45〜11:45と決まりました。
 「外科学会総会で講演」,ようやくここまでたどり着きました。

*  手の手術をする人にしか使いみちがないであろうというTips,「指DIP関節背側の展開の仕方」。私は以前からよく使っている展開法なのですが,気持ちがいいくらい良い視野が得られ,しかも展開手技に極めて容易です。伸筋腱遠位部の腱縫合などの際にご利用ください。

*  そろそろ花粉症の季節となりましたが,白色ワセリンは花粉症の予防にも有効なようです。とはいっても,鼻孔の入り口や目の周りに塗るだけなんですけどね。どうやら,鼻や目から入る花粉をワセリンがトラッピングするため,花粉症の予防になるようです。

*  昨日の殺虫剤入り餃子にしても,マクドナルドの店長は店長のあらず問題にしても,あるいはスキーバス事故の背後に運転手の過重労働という問題にしろ,「安くて便利」なものはあっても「安くて安全」は現実的に難しい社会になってしまったということではないかと思う。
 安い食品を作ろうとすると原料費をケチるしかないので中国の材料で中国で加工した餃子を輸入して売るしかないし,マクドナルドがハンバーガーを100円ちょっとで売っても会社に利益があるのは,各店舗の店長に管理職手当てを出さず,なおかつ彼らが過重労働をしているからだろう。同様に,東京〜青森に片道 3000円台のバスが走っているのも運転手が休みなしに長距離を走り続けてくれているからだ。他社が4000円という値段をつけている以上,それより低い値段に設定するためには,運転手に過重労働させるしかなく,その結果として居眠り事故がおきても仕方ない,という値段になっているだけのことだろう。

 要するに,驚くほどの安値の商品を売って利益を出すために手っ取り早いのは原料費と人件費を削るしかなく,その原料費と人件費に含まれていたはずの「安全性」も同時に切り捨ててきたわけだ。そうやって私たちは安売り餃子や安いハンバーガーや新幹線の半額以下でバスツアーを楽しめる訳なんだけど,その背景には,過重労働と安い賃金で泣いている人がいたり,「安全性! 何それ? 寝言言ってんじゃないよ」,という現実があるんじゃないだろうか。

*  なんてことを考えていたら,昨日,皮下腫瘍で手術をした人がたまたま有機農法で野菜を作っている方だったため,この「毒入り餃子」の話になったのですが,「安くて美味くてしかも安全,なんて野菜を作れないですよ。安全な食べ物を作ろうとするだけでそれなりに手間と金がかかるし,ましてそれで味も良いとなると・・・。値段を安くするためにはどこかで手を抜くかということになって結局どこかに歪みがきます」ということだそうです。
 時々,イチゴ農家の患者さんが早朝に畑から摘んだばかりのイチゴを持ってきてくれるのですが,びっくりするくらい粒が大きくて甘く,そして何より香りが鮮烈で,それだけで感激し陶然とします。まさに丹精込めて作り上げた宝石のようなイチゴです。恐らく,洗わずに食べたって安全だろうと思います。丹精込めて作ったものは美味しくそして安全なのです。そして,その安全を維持するためには手間も暇も金もかかっているのです。

*  ちなみに,その中国のネットでは,「これくらいの農薬で体調不良になったのは,日本人がひ弱だからだ」,「日本人の得意な中国バッシングに過ぎない」という書き込みがあるそうだ。
 まさに,「国際的少年法」で守られているお子様国家の反応,って感じ。

*  久し振りのクラシック・ピアノネタ。カナダの豪腕天才ピアニスト,アムラン(Marc-Andre Hamelin)が今年4月にリリースするCD, "Marc-Andre' Hamelin in a state of jazz" についてです。ワイセンベルクやグルダなどのクラシックのピアニスト・作曲者が作ったジャズ語法のピアノ曲をまとめたもので,上記サイトで試聴できます。
 これまで碌な録音がなく,どういう雰囲気の曲なのか,いまいちわからなかったのがワイセンベルクの超難曲「ジャズ・ソナタ」でしたが,これでようやく音楽としての全体像が見えてきそうです。


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