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(回答先: 来週の日経平均は波乱含み、マネーの波が翻弄か [ロイター21日] 投稿者 XL 日時 2007 年 9 月 22 日 21:55:54)
ドル資産のトリプル安懸念広がる、FRB大幅利下げで
2007年 09月 21日 14:23 JST
[東京 21日 ロイター] 米欧でのインフレ懸念の台頭が米株の上値を抑え、ドル安につながるというドル建て資産のトリプル安の前兆現象が展開し始めた。中でもドルは対円を除いて全面安の動き。
これを受け、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げを好感していたマーケットは一転、この先の米追加利下げはドル下落につながると警戒感を強めている。
20日NYの外為市場では、ユーロ/ドルが1.4台でジリジリと上昇して史上最高値を更新。ドルは対カナダドルで一時、等価まで下落。主要6通貨に対するNY商品取引所(NYBOT)のドル指数は15年ぶりの低水準を記録した。
米債市場でもインフレ懸念が前日に続いて強まり、10年米国債利回りは前日の4.5%台から4.69%に上昇して取引を終了。米株式市場では、ダウが前日比48.86ドル安い1万3766.70ドルに反落した。
みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「原油や金が急騰しているほか、ドル安が際立った。インフレ加速への警戒感が一気に強まっている。利下げ当初は景気の底割れを防いだとして歓迎したものの、手のひらを返したようにインフレはどうするのかと圧力をかけているようにも映る」と話す。
<商品市況の上昇は企業収益を圧迫か>
この動きは21日の東京市場にも波及し、日経平均は反落している。寄り前の外資系証券の注文状況は2日連続で買い越しとなったものの、「海外勢は低位の鉄鋼株を買い、株価の高い銀行株を売る動きが目立っている。金額ベースでは売り越しのようだ」(外資系証券売買担当者)とみられている。3連休を控えて売買高は低調。「9月期末の実質最終売買日でもあり、新規の買いが入りにくくなっている」(コスモ証券エクイティ部副部長の中島肇氏)との声が出ていた。
欧米でのインフレ懸念は日本株にも波及している。「世界的に鉄鋼株など資源関連株が上昇し、日本市場でも鉄鋼や非鉄、海運などが高い。ただ全体的に見れば、商品市況の上昇は原材料価格の高騰という形で企業業績を圧迫する要因になる」(三菱UFJ証券・投資情報部長の藤戸則弘氏)と先行きを懸念する見方が出ている。
藤戸氏は「金や原油、また海運のバルチック指数なども上昇しているが、その要因はFRBの利下げにある。政策金利を0.5%引き下げたのは市場の信用収縮不安を抑えるために正しい選択だったと思うが、その副作用が出てきている。マネーがあふれ出し、現在は商品市場に流れている格好だ」と分析する。
新光総合研究所のシニアエコノミスト、竹井豊氏は「バーナンキ議長発言はインフレにも配慮するというFRBとしてのスタンスをただしたものであり、政策の優先順位は金融システムの安定の方が上だろう」とみている。原油高や一次産品の高騰はあるが、足元でみたコアインフレ率は落ち着いていることから、米国は年内に追加利下げに踏み切る、と同氏は予想している。「債券安はリスク回避で偏った資金の揺り戻し的な動きであり、一部は株も含めたリスク性の資金にシフトする」(竹井氏)という。
<海外勢に円債売りの余地>
円債市場では、FRBは物価安定へのコミットメントを放棄しているとの懸念が強まり、長期債が下げ基調になっていることが心理的な重しとなって、長期金利は8月14日以来となる1.7%に乗せる場面があった。
財務省が21日に発表した9月9日─15日の対外対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)によると、対内債券(中長期債)投資は6845億円の資本流入超。「海外勢は再び買い越しに転じており、米長期金利の上昇やスティープニング傾向を受けた調整が入りやすい面がありそうだ」(国内証券)との声も出ている。
また「マクロ系ヘッジファンドもCTA(商品投資顧問業者)も売っている。米連邦公開市場委員会(FOMC)後にマクロ系は1つのシナリオとして債券を売っている。これに国内勢の投げが加わった」(外資系証券)との声や、「米トリプル安だ。ドルはもともと弱い。そこで利下げするとドル売りが加速し、商品が買われている。また、中国が外貨準備運用としてドルの比率を減らすなどの思惑すら出る。ドル安を伴いながら米長期債が売られ、米長期金利の上昇で住宅市場がさらに冷え込む懸念が強まれば、危機が深まる」(邦銀)との見方が出ていた。
<クロス通貨高/円安が、ドル全面安を防ぐ>
東京外為市場では、欧米市場で大幅に上がったユーロ/ドルが、利益確定売りなどで一服感が出て1.4072/76ドル付近で推移。夕方にかけて再び上値を追う展開が予想されるという。
ある邦銀関係者は「ドル/円は115付近で輸出企業による売りと輸入企業による買いの攻防が続いている。主に短期筋による取引とみられている」とした上で、「現在はドルから資源国通貨に流れているイメージだ。ユーロは世界的にドル離れが進む中、第2の基軸通貨としての信認を得ている。金利先高期待を背景に年内1.45ドルも視野に入ってきた」との見方を示した。
全面安のドルに対して唯一大幅高にならない通貨が円だ。この点について、三井住友銀行市場営業推進部のストラテジスト、宇野大介氏は「クロス/円での円安がドルをサポートしている」と指摘。この先もドルには売り圧力がかかるが、対円ではこの構図が影響し、当面は110─115円のレンジで推移すると予想している。
別の国内証券の関係者はドル/円が下がらないことについて、「個人投資家の存在が大きい」と指摘する。8月上旬のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題の深刻化以降、個人投資家の円売りはやや後退しているものの、「投信設定に関連した円売りは根強い。日本の個人投資家の円売りが、ドル全面安ではなく、円を除く全面安につながっている」とみている。
ドル全面安が、FRBの0.5%利下げ後に鮮明となっていることについて、外資系証券のある関係者は「FRBは年内に追加で0.5%引き下げるとマーケットはみており、ドル売りにつながりやすい。ユーロ買い/ドル売りも、ユーロ圏経済が魅力的だからというよりは、ユーロが受け皿になっているからだ」と話す。
先の国内証券の関係者は「インフレ圧力がゆっくりと増すならドルは緩やかに下がるが、この先、急激な物価上昇が起これば予想外のドル急落もあるかもしれない。インフレへの警戒がマーケットの大きな注目点になってきた」と述べている。
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-28002020070921