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(回答先: インフレを抑制する意欲を持たない中国の金融当局者【Klug View】 投稿者 そのまんま西 日時 2007 年 8 月 25 日 09:29:56)
利上げ効果を抑制する中国政府による最低賃金の引上げ【Klug View】
2007/08/22(水)10:42
中国の主要都市では、最低賃金を引き上げる動きが続いています。7月には、広東省が最低賃金基準の引き上げを発表し、最低賃金は平均で約18%上昇しました。また8月には、上海市が最低賃金基準を12%引き上げています。
中国の主要都市が最低賃金を引き上げる理由の1つとして経済格差の是正があります。上海などの主要都市には農村から多数の出稼ぎ労働者が来ています。最低賃金が引き上げられることで、結果として農村により多くの所得が還流し、経済格差が縮小するだろうと、中国政府は考えているようです。
ここで注意すべき点は、最低賃金の引き上げが、物価を引き上げる(インフレ圧力を強める)ということです。物価は、財やサービスの需給が逼迫すると上昇しやすくなります。財やサービスの買い手である労働者の賃金が高まれば、労働者はより多くの財・サービスを手に入れようと購買を進めます。財・サービスの供給量が変わらなければ、需要だけが高まることになり、結果として、物価は上昇しやすくなります。特に中国のように経済水準が先進国に比べ低い国では、労働者は財・サービスの購買意欲が強い傾向にあるので、こうした図式は成り立ちやすくなります。
8月21日、中国の中央銀行である中国人民銀行は、金融機関の貸出・預金基準金利を引き上げることを発表しています。利上げは今年7月に続き4回目です。
中国人民銀行の発表によると、1年物の預金金利は0.27%引き上げられますが、貸出金利の引き上げ幅は、預金金利よりも低く0.18%に留まります。有識者と呼ばれる方々の見方によると、中国政府は、預金金利の引き上げ幅を高めにすることで、市中に出回るお金を預金を通じて吸収する一方で、貸出金利の引き上げ幅を低めにすることで、中国景気が鈍化しないように配慮したようです。
しかし、賃金が物価とともに上昇している中、預金金利が多少高めに引き上げられたからといって、多くの方が預金を多くするとは考えにくい気がします。むしろ、小刻みな金利の引き上げは、今後も金利が引き上げられるとの思惑を高め、人々は賃金が高まったこともあって、より多くの財・サービスを買い入れる動きを強める気がします。
一般に、インフレが進むと経済格差は広がるといわれています。中国人民銀行が小刻みとはいえ何度も利上げを実施するのは、インフレを通じた経済格差を抑制することを狙ったと思われます。しかし、利上げと同様に経済格差の抑制を目的とした最低賃金の引き上げがあわせて実施されている以上、小刻みな利上げではインフレ傾向が止まることはないのでしょう。中国経済では、賃金と物価が一緒に上がっていく状況が、しばらく続く気がします。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
上海の最低賃金は8月に何%引き上げられた?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
12%
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