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インフレを抑制する意欲を持たない中国の金融当局者【Klug View】
2007/08/24(金)15:56
中国の株価上昇が続いています。中国株の代表的な指数である上海総合指数の終値は、8月23日に5032.494と、初めて5000の大台を超えました。2年前の今頃の上海総合指数は1100台を推移していましたので、わずか2年で指数は4倍以上も上昇したことになります。
中国株を押し上げているのは、中国の個人投資家です。中国人民銀行の中国貨幣政策執行報告によると、今年上半期に新たに開設された証券取引用口座は、2861万口座となっています。これは、平日1日あたり20万もの口座が新しく開設されていることを意味しており、中国の一般社会で株式投資ブームが大規模に起きていることが分かります。
中国の一般の方が、株式投資に熱を入れている背景には、預金金利が「相対的に」低いことがあげられます。8月21日、中国の中央銀行である中国人民銀行は、今年4度目の利上げを実施し、1年物の預金基準金利を3.60%に引き上げています。
普通預金金利が0.1%程度の日本と比べると、3.60%の金利水準は、さほど低くないように思えます。しかし、物価上昇率を加味した実質金利で考えると、中国の預金金利は非常に低いことが分かります。たとえば、7月の中国の消費者物価指数は、前の年に比べ5.6%上昇しています。
実質金利が低い場合、その国の人々は、消費を活発にしたり、土地や株といった資産に投資をする傾向を強めます。中国の場合、銀行にお金を1年預けて、3.6%の利息を得ても、モノの値段が5%も上昇してしまうので、預金をすると財産が目減りする状態です。こうした状況の中、中国の一般の人々が、
消費や株式投資を活発にさせることは、ある程度自然のことといえます。
8月24日、中国人民銀行の易綱総裁補佐は、金融関連の講演において、実質金利がマイナスの状況は経済にとって良くないとし、断固としてインフレを抑制する方針を示しています。しかし易総裁補佐は、同じ講演の中で、実質金利をプラスにするには時間が必要とのコメントもしています。中国の金融当局がこのような姿勢を示している以上、中国の物価や株価は、今後も上昇傾向を続けると考えるのが合理的のように思えます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
中国株が上昇を続ける理由は?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
実質金利がマイナス
(預金金利が物価上昇率を下回っている)
http://www.gci-klug.jp/klugview/07/08/24/post_66.php
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