★阿修羅♪ > 国家破産51 > 603.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
「いいかね、一方では愚かな、無意味な何の価値もない、意地わるい病気の老婆、
誰にも役に立たないどころか、かえってみんなの害になり、何のために生きているか
わからず、放っておいても明日になれば死んでしまうような老婆がいる。」
「わかるかね?」
「その半面には、支えてくれるものがないためにむなしく朽ちてゆく、若い、みずみずし
い力がある、しかもそれは何千となく、いたるところにいるのだ!
修道院に寄付されるはずの老婆のカネがあれば、何百、何千というりっぱな仕事や計画が
実施され、改善されるのだ!何百人、あるいは、何千人の人々が世に出ることができ、
何十という家庭が貧窮から、崩壊から、破滅から、堕落から救われるのだ。
それがみな老婆のカネがあればできるのだ。老婆を殺し、そのカネを奪うがいい、ただし
そのあとでそのカネを使って全人類と公共の福祉に奉仕する。どうだ、きみは何千という
善行によって一つのゴミみたいな罪が消されると思わないか?」
【ドストエフスキー 罪と罰より】