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□コムスン暴走にチラつくホリエモンとの共通項は… [ZAKZAK]
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_06/t2007060821.html
コムスン暴走にチラつくホリエモンとの共通項は…
介護事業所の指定を不正に取得したとして、今後4年半、全国の事業所の新規指定や更新が認められなくなった訪問介護最大手のコムスン(東京都港区)。暴走の根底には何があるのか。その源泉をたどると、ホリエモンらITベンチャー起業家との“共通項”が浮かび上がってくる。
【折口会長の素顔】
コムスンを傘下に持つグッドウィル・グループ(GWG)の折口雅博会長(46、写真右)。お立ち台で一世を風靡した東京・芝浦のディスコ「ジュリアナ東京」や、東京・六本木のディスコ「ヴェルファーレ」をプロデュースして有名になった。
GWGは東京都港区の六本木ヒルズに3フロアを借りる。折口氏は東京・田園調布に7億円の豪邸を建て、2800万円のフェラーリ・テスタロッサ、3000万円のランボルギーニ・ディアブロを乗り回す。
ヒルズ族の兄貴分としても知られ、ホリエモンこと堀江貴文ライブドア前社長(34、同左)の資金スポンサーになった。
ライブドアの前身、オン・ザ・エッヂを経営していた堀江前社長が株式上場を決意したとき、最低限の資本金を確保するため第三者割当増資を行ったが、それを引き受けたのが、ネットバブルのスターともてはやされた光通信社長(当時、現在は会長)の重田康光氏(42)と折口氏の2人だった。
ヴェルファーレの雇われ経営者を辞めた折口氏は95年、人材派遣会社GWGを設立。コムスンをはじめとする事業買収で急速に経営を拡大した。
【暴走の理由】
その折口氏は弟分のヒルズ族と同様、ある理論を信奉するようになる。それがコムスンの暴走をもたらした。
ITベンチャーが金科玉条とする理論は「収穫逓増の法則」。IT革命を主導したニューエコノミー経済学の骨格をなすもので、最初に最大のシェアを奪った企業だけが生き残るという理論だ。まずシェアを確保するのが先決で、圧倒的シェアを握りさえすれば、赤字は取り戻せると考える。
2000年4月、介護保険制度がスタート。折口氏はシェア確保を最優先課題にした。
「コムスンは全国に1200の訪問介護拠点を開設し、ホームヘルパーなど社員4400人を抱えて介護サービス事業に臨んだ。大量の拠点と社員を投入したのは、最初にトップシェアを確保するため。だが、シナリオは2カ月で破綻した。利用者ゼロの拠点が続出して、拠点と社員の大幅削減に追い込まれた。マーケティングが不十分で、シェア確保にしか関心がなかったことが原因だった」(当局関係者)
コムスンは、規模を縮小して出直したが、シェア至上主義から脱却できなかった。
「最大のシェアを奪うには、何でも許されるとなりがち。シェアをとるためには、赤字でもかまわないし、不正にも目をつむる。シェア至上主義が悪い形で出てきたのがコムスン。折口氏の責任は重い」(同)
折口氏は介護ビジネスを続けるため、コムスンの全事業をグループ内の別会社に譲渡する奇策を打ち出した。厚生労働省はこれに待ったをかけた。業界関係者から「コムスンを利用する6万5000人のお年寄りを人質にとって、処分を骨抜きにした」との声も出ていたためだ。
ZAKZAK 2007/06/08