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2007年06月07日
経済の話。世界の金利上昇圧力
日本の長期金利が1.86%まで上昇し、政策金利を引き上げた2月にはほとんど動かなかった金利動向に、少し動きが出てきました。金利の話題で、海外で気になる記事が幾つかあったので、経済の話で記事を上げたいと思います。
米国では長短金利が5%に接近し、政策金利5.25%に近付きました。長い間、米国では金利引下げ期待が市場内にはありました。ですが、強硬にこの説を訴えていたメリルリンチ証券が年内の金利引下げ観測を撤回し、年内は政策金利の据え置きとの説に転換したことから、米国では一気に金利上昇圧力が高まりました。
昨日は欧州中銀が政策金利を引き上げ、4%になりました。トリシェ総裁が今後の政策金利に対して、それほどタカ派発言を行わなかったので、極端な変動は抑えられましたが、欧州は今後も金利上昇圧力が高まるでしょう。それほど、欧州経済は好調ということです。
米国や欧州が政策金利の上昇圧力が高まる中、日本にも金利上昇圧力が高まった、それが今回の金利上昇の流れです。これは市場の側から日銀が金利を上げるタイミングを催促されているようなもので、金利を引き上げたい日銀にとっては絶好のタイミングが訪れました。しかし日本では参議院選挙が終わるまで金利上昇が難しいと言われており、8月を予想する人が多くなっています。
しかし今年1月に政治介入を許し、諸外国からの圧力が高まった失敗から、政治との決別を明らかにするためにもこの6月が最良との見方もあります。参議院選挙で自民党が敗北すれば、更に金利を上昇し難くもなりますので、6月は市場期待との合致も見られることから、日銀が政策金利を引き上げる可能性は十分なのだと思います。
日本の市場はまだこの金利上昇を織り込んでいません。それより、6月のメジャーSQを控え、18000円より上の位置の居心地がよく、そこから離れてもすぐに寄せてきます。オプション取引で、18000円でコールなのかプットなのか、というお金の都合だけで市場が決まっている状況が今の相場であり、経済アナリストの中には底堅いと言う人もいますが、SQ通過後には異なる動きが出て来そうですね。
もし、日銀が直近で金利を引き上げると、2月から4ヶ月での金利上昇なので、世界のマネーフローが変化する可能性もあります。先に、欧米ではマネーフローに変化の兆しが見られ、市場が下落に転じています。今は過剰流動性相場なので、発表される経済指標そのものよりも、それにより変化するマネーフローにより注意が必要です。
先進国は新興国に工場を移転し、安価な労働力によりインフレを抑えてきました。しかし今や新興国の労働賃金も上昇し、先進国にインフレ圧力が強まっています。『マネーの都合』が変化する、その時を見逃すと、大きな流れに遅れをとることになります。世界各国に広がる金利上昇圧力は、要注意なのだと思います。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/