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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008052502000093.html
2008年5月25日 朝刊
試運転中の使用済み核燃料再処理工場がある青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設の直下に、これまで未発見だった長さ十五キロ以上の活断層がある可能性が高いとの研究を、渡辺満久東洋大教授(地形学)らが二十四日までにまとめた。
沿岸部海域の「大陸棚外縁断層」とつながっている可能性もあり、その場合、断層の長さは計約百キロに達し、マグニチュード(M)8級の地震が起きる恐れがあるという。
日本原燃は昨年、新潟県中越沖地震とほぼ同じM6・9の直下型地震などを想定しても「施設の安全性は確認されている」と国に報告したが、教授は今回の研究を踏まえ「耐震性を再検証すべきだ」と指摘している。
渡辺教授は研究結果を、千葉市で二十五日から開かれる日本地球惑星科学連合大会で発表する。
教授らは、サイクル施設周辺で露出した断層や地形を調査。東側の太平洋沿岸の陸域で、幅一−二キロ、長さ約十五キロのたわんだ地形を見つけた。
原燃による地下探査データと照合したところ、地下には地表のたわみと位置や幅が一致する、傾いた地層がみられた。
教授は「地表のたわみが断層活動による隆起でできたことを示す証拠だ」として、一連の地形を活断層によるものと判断。地層に含まれる火山灰の年代などから、約十二万五千年前に形成された平らな海岸段丘が、何十回もかけて三十−四十メートル隆起したと結論付けた。
教授によると、地下探査データなどから、西側に傾斜した逆断層の存在が読み取れ、断層面はサイクル施設の直下まで延びているとみられる。また、大陸棚外縁断層の南端が延びる方向がこの断層と一致しており、両者はつながっている疑いが強いとしている。
原燃は昨年、施設に近い長さ約六キロの「出戸西方断層」を大きめに見積もって耐震安全性を検討したが、渡辺教授によると出戸西方断層は、教授が指摘する活断層に派生してできたもので、原燃は断層の本体を見逃した形になるとしている。
大陸棚外縁断層は、東北電力東通原発(同県東通村)や、隣接地に建設予定の東京電力東通原発の約十キロ沖合にある。
活断層はない
日本原燃の話 反射法探査などで、再処理工場敷地の半径約五キロ以内に耐震設計上考慮すべき活断層がないことを確認している。新潟県中越沖地震と同規模の地震が直下で起きることも仮定した上で、耐震安全性が十分確保されていることも確認している。大陸棚外縁断層は古い断層で、国の原発耐震指針の評価対象外だ。
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