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六ヶ所再処理工場営業運転の危険(5)深刻な放射能汚染を憂慮する医師たち(JANJAN)
http://www.asyura2.com/07/genpatu4/msg/503.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 4 月 24 日 20:11:18: twUjz/PjYItws
 

(回答先: 六ヶ所再処理工場営業運転の危険(4)核廃棄物の沿岸への直接排出は余りにも無謀(JANJAN) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 4 月 24 日 20:08:38)

http://www.news.janjan.jp/living/0804/0804230583/1.php

六ヶ所再処理工場営業運転の危険(5)深刻な放射能汚染を憂慮する医師たち

桐生広人2008/04/24

六ヶ所再処理は、放射能を希釈拡散して被ばくを広げる。ヒロシマの原爆がまき散らした1000倍以上もの死の灰を100万kwの原発1基が1年で生み出し、その何十倍という死の灰を毎年取り扱うのが再処理工場である。たくさんの放射能をあちこちに捨て、大気に出したり海に捨てたりする。

(前回記事:(4)核廃棄物の沿岸への直接排出は余りにも無謀)

 国民健康保険による診療で私たちの健康を守ってくれる医師たちの組織、全国保険医団体連合会(保団連)は、再処理工場からの放射能汚染を憂慮してアクティブ試験に反対を表明している。このほど同工場の本格稼働がもたらす危険性を様々な角度から検証し問題点を明らかにするとともに、本格稼働の中止を求める世論と運動を盛り上げるため東京お茶の水の明治大学でシンポジウムを行なった。


開会挨拶を述べる、住江憲勇保団連会長

 よく知られる医師たちの反核運動に、核戦争防止国際医師の会(IPPNW)がある。冷戦時代の1962年、今では信じられないが大気中での核実験が米ソの間で激化、地球規模で汚染が広がる放射性降下物が一気に増え、大気中濃度が危険状態に達した。このとき米ソの医師や科学者たちが、これ以上核実験を続けると甲状腺に集まりやすいヨウ素131や他の放射能が牛乳や食料品を汚染すると両国の首脳に忠告した。

 翌1963年に、主として大気中の核実験を禁止する国際条約が結ばれ、米英ソが大気中核実験を停止するきっかけとなった。その医師たちの活動を元に80年代に核軍拡競争が再び激化したおり、米ソの医師が「核戦争防止国際医師の会」を結成し、85年にはノーベル平和賞も受けた。地下核実験の禁止や核実験場の閉鎖、核兵器の廃止を求める運動に重要な役割を果たし、日本でも少なからぬ保険医たちがこの運動に加わっている。


命と健康の脅威・六ヶ所再処理

 4月13日、シンポジウム「六ヶ所村再処理工場の危険性を問う!」の開会にあたって、住江憲勇・保団連会長は、「命と健康に脅威となる問題について真っ先に立ち上がり、声を張り上げていくのが保団連です」と挨拶。昨年来から再処理工場試験運転に反対を表明、特別決議を持って青森県庁に抗議・要請をしたが、これを受け付けなかった青森県の態度を厳しく批判した。

 現在のアクティブ試験の段階で日々出される放射能について「汚染が日々蓄積されているわけです。これは本当に地球的規模な大汚染に拡大せざるを得ない状況にあります。本当にこの危険性を知っていただきい。そして、なによりもガラス固化体の生産試験は実質破たんしており、再処理工場自体の経済性も破たんしている。それではなぜこういうことを強行するか、やはり軍事的な利用が垣間見える、と判断せざるをえません」と述べた。

 そして、「この5月から本格稼働が予定されており、もう時間がございませんが、こういう計画については断固、阻止すべく、皆さんに学習していただき、身の回りに広げ、行動していただくことが緊急に求められています」と語った。


講演者の方々  左から 野本哲夫・保団連郊外環境対策部長、青森県保険医協会理事・山本若子さん、日本消費者連盟・富山洋子さん、原子力資料情報室・澤井正子さん、弁護士・海渡雄一さん、京都大学原子炉実験所・小出裕章さん


希釈拡散で被曝被害は拡がる

 「再処理は核軍事の中心技術」として講演した京都大学原子炉実験所の小出裕章氏は、なぜ医師が核に反対しなければいけないかというと、被曝には治療方法がなく、被曝自体を予防する以外にないからだという。そして、日本では「核」というと軍事利用で「原子力」といえば平和利用であるかのごとく宣伝されて来た。しかし、技術に軍事用も平和用もない。かつて小説家の野坂昭如さんが指摘したように、違いがあっても「戦時」利用と「平時」利用程度の差しかないと述べて、住江保団連会長の軍事利用への懸念に同意を示した。

 再処理工場が取り扱う放射能について、ヒロシマの原爆がまき散らした1000倍以上の死の灰を100万kwの原発1基が1年で生み出し、その何十倍という死の灰を毎年取り扱うのが再処理工場である。再処理の過程でたくさんの放射能をあちこちに捨て、それらは大気に出したり海に捨てたりする。

 クリプトン85、炭素14、トリチウムという気体の放射能はフィルタでは取り除けないので全量を大気中に出すと申請し、国はこれをOKとしている。ところが、この3つの放射能はつかまえることができる。フィルタでは確かに取り除けないが、それぞれを捕まえる技術はあるという。ただし、それをするには金がかかる。結局やらないのはお金がかかるから嫌だと言っているだけだと小出氏は指摘する。

 さらに小出氏は,「被ばくに安全量はありません。どんなに微量でも危険です。そして自然にはこと放射能に関する限り浄化作用がありません。化け学的な物質であれば、一部の重金属のようなもの以外の大抵のものは自然の浄化作用があります。しかしこと放射能に関する限りは完璧に浄化作用がなく何もできないんです。それを希釈拡散するというのは被ばくを広げることです。そんなことを本当にしていいのか、ということを考えなければいけない」と、最小限の被曝であっても人類に対し危険を及ぼす可能性があると警告した。  

 シンポジウムに先立つ11日の夜、あるTVニュースでは再処理工場の特集が放送された。番組では小出氏の指摘した放射能について、クリプトン85、炭素14、トリチウムを「取った後いかに安全に貯蔵するか、まだ完璧な技術がない」などの理由から、仕方なく排出しているといいたげな説明を工場側はしていた。ガラス固化体製造でも同じような状況にある。これらに完璧な技術がなく安全な対策を講じることができないなら再処理を止める理由としては十分ではないだろうか。私たちは1000年先に役立つかも知れないなどという技術開発をして欲しいと言っているのではなく、すでに危険が明らかな再処理を止めて欲しいと言っているのである。なお、日本原燃などは「地元住民の被ばく量は法律の範囲内」としているようだが、微量な放射線被曝の問題については、美浜の会の報告(PDFファイル)が詳しい。


講演する京都大学原子炉実験所の小出裕章さん

(次回は下北半島海底活断層について、海渡雄一弁護士の話を紹介する予定)

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