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(回答先: 第7回 活断層情報 【第5部 絡み合う思惑―検証 東電30億円寄付】 (新潟日報) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 3 月 16 日 17:30:49)
http://www.niigata-nippo.co.jp/rensai/n78/n78h6k8m1.html
第8回 1100億円喪失 (2008年03月07日掲載)
廃炉試算に地元動揺
県と意識のギャップ実感
中越沖地震で大きな被害を受けた柏崎市の中心部。後方に見える東京電力柏崎刈羽原発の今後が市の財政運営にも影響する=2月19日
「財政は警戒水準を超え、非常事態だ」
2月15日、柏崎市役所での2008年度予算案の発表会見。市長の会田洋(60)は厳しい表情で強調した。
最大の要因は、中越沖地震からの復旧・復興に必要な500億円を超す支出だ。そこに、東京電力柏崎刈羽原発の運転停止が追い打ちをかけている。
県に入る核燃料税に基づく交付金がゼロに。さらに東電の08年3月期決算の赤字転落が確実視されるため法人市民税も激減、計約10億円の減収が見込まれるからだ。
予算編成では1940年の市制施行以来、初めて職員の給与削減を決断した。
「原発停止が地域経済、財政に与える影響は極めて大きい」と会田は繰り返す。
■配分で温度差
07年12月27日、県が発表した「中越沖地震復興ビジョン」が、予算編成の本格化を前にした柏崎市に動揺を与えた。原発が廃炉になった場合は「1100億円の経済効果喪失」という試算が盛り込まれていたのである。
廃炉が現実になれば、雇用や税収面での打撃は計り知れない。しかも、東電が現段階で原子炉に重大な損傷は見つかっていないとする中で、試算は立地地域への配慮不足とも映った。
「唐突だ。なぜ廃炉の試算が出てくるのか理解しかねる。廃炉を考えるとまちが成り立たない」と言うのは市企画政策課長の本間敏博(53)。
会田は廃炉という言葉自体について「地元の経済状況を考えると軽々には言えない」とし、「安全が確保された上での運転再開が望ましい」との姿勢だ。
県の試算の狙いは何だったのか。
ビジョン策定に携わった識者は6人。その1人、新潟工科大准教授の田口太郎(31)は「原発に頼らない産業構造に変える必要がある。廃炉試算は産業界へのメッセージだった」と話す。
県政策監の鈴木力(47)は「原発の問題は一番悩んだが、最大の課題であり避けて通れない。地域への影響を考える基礎的資料として廃炉試算を出した」と説明する。
ビジョン策定は、県議会で「廃炉もあり得る」と答弁した知事・泉田裕彦(45)の指示だ。鈴木は「地元との連携は取ってきたつもり」とする。だが、策定の会議には柏崎市など被災自治体の職員は呼ばれていない。
本間は「策定段階で市町村の意見も聞いてほしかった。県とは意識のギャップがある」と言う。
復興を進める両輪となる県と地元自治体との間にある温度差。東電の寄付30億円の配分割合をめぐっても存在する。
■「全部ほしい」
県は2月12日、住宅・生活再建に6割、産業・観光復興に4割を使う方針を示した。
柏崎市幹部からはこんな声も漏れる。「本音を言えば、被災地に全部ほしい。東電もそう思っているはずだ。決める前に、現状を一番知る地元にニーズをもっと丁寧に聞くべきだった」
2年後の10年度以降、柏崎市の財政運営は一段と深刻化する。災害復旧事業債などの元利償還開始に伴い、毎年最大で10億円以上が必要となる見込みだからだ。それなのに停止が続く柏崎刈羽原発の今後はまだ見えていない。
関連死を含め死者15人、住宅4万2000棟余が被災した中越沖地震。被災地では心の傷を負った住民が生活再建に取り組んでいる。
一方で、原発は被災したことにより、自らの影響力の大きさをあらためて立地地域に見せつけた形だ。
東電から投じられた寄付30億円。さまざまな思惑が絡む中で、どう使われるのかが注視されている。
(文中敬称略)
=おわり=
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