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現在アメリカが景気後退を食い止めようとして、あらゆる金融手段を使っていることは素人目にも感じられます。
振り返って見るとサブプライムの問題が起きてから米国が最初にとった行動が政策金利の引き下げでした。結果としてはインフレが収束したわけではなく、アメリカに預金をしていた外貨がユーロ金利高から、ドル売りユーロ買いとなり、逆にユーロ圏のインフレにとつながっているわけです。
ではアメリカはと言えばドル安から輸出が伸びるわけでもないようです。逆に輸入品の値上がりからますますインフレが更新しています。昨日の日本経済新聞では日本からの機械輸出(ヤマザキ・マザック、マキノ他)価格が値上がりになると報じられていました。
そこで問題となるのが政策金利を引き下げたことが正しい判断だったのかということです。また4月中にも引き下げがあると報じられています。
現在、矢継ぎ早に経済政策を打ち出していますが、それらは功を奏するのかがこれからの経済の勉強に役立つという見方ができます。
バブルとは何か。私は実際の貨幣量が増えたのではなく、数字だけの貨幣量が増えたと思っています。その数字上の貨幣量が減少したことにより、個人的には含み資産が減少し、または債務として負債が増加した。また金融機関といえば抱えた不良債権が増加している。
いずれにしても流通している貨幣に関係なく数字上の貨幣量が減っているだけだと判断できます。
見たところ数字上の貨幣量の減少がまだ中途半端な状態が現在のアメリカだといえます。徹底的に損失を解消した状態で新たな貨幣をつぎ込めば立ち直りができるかと考えますが、今の状態で現物の貨幣をつぎ込んだとしても逆にインフレ懸念を増大させるだけだと判断できます。
現在のアメリカは日本のバブル崩壊を見習って対策を打ち出していますが、私は日本のバブルとは性質が違うものと判断しています。日本の場合は数字上の貨幣量を減らすため、景気後退をある程度許容した状態で不況対策に取り組んだと感じていました。
その当時の日本は大量生産が可能になる設備を作りだし、外国の失業者を増大させたとブーイングを受けた状態でした。結果として労働力の安いアジアに生産拠点を移して安い製品が日本に上陸し、デフレ状態を作り出しました。
現在のアメリカはどのようにしてもデフレ状態にはなりません。ドル安からインフレが進むだけです。では現在のアメリカがとっている金融政策は間違っているのかということになります。その答えは景気後退を食い止められるかということが大きなポイントになります。現在の5・1パーセントの失業率から見て景気後退は防げないのではないかと判断できますが…
また日本ではアメリカの政策金利引き下げから、協調して公定歩合を引き下げるようです。それは日本の円を強くする方法だと感じています。日本の金利が低いことが日本を救っていると現在の段階では判断できます。