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(回答先: 冷戦から影戦へ-イラク・北朝鮮、そしてミヤンマー問題の理解の為に 投稿者 影の闇 日時 2007 年 10 月 11 日 23:07:19)
第二次大戦後、アメリカが主要に関わった戦争(冷戦期における朝鮮戦争とベトナム戦争又ポスト冷戦における湾岸戦争、そして今度のイラク戦争)を見れば分かる様に、これらは全て、彼らのいう<bridgehead(橋頭堡)>である半島に集中しています。 勿論これは単なる偶然ではなく、アメリカが、マハンやマッキンダー以来の、より直接的にはスパイクマン以来の地政学的な戦略に立っていることを意味しています。 即ち、彼らのいう<リムランド>(ユーラシア大陸の沿海地帯)を制することを戦略目標とし、<リムランド>を制する者が<ハートランド>(現在で言えばロシアや中国)を制し、<ハートランド>を制する者が世界の命運を握るーといった考え方に立っている、ということです。
そうして、そのより具体的な戦略が窺えるのが米国防総省作成の「アジア2025」です。
「9.11ー」の2年前にこのリポートは書かれていますが、何故2001年9月のこの時期だったのか?何故アフガンだったのか?よく分かります。 インドを抱き込み、中国とロシアを制する為に、中央アジアに恒久的な米軍基地を作るーという目的の為にはこの時期しかなかったことが! 何故なら、アメリカのそういう意図を察知した中国とロシアが、中央アジア諸国を巻き込んで、「上海協力機構(SCO)」を6月に立ち上げ、まもくなアフガン・タリバン政権が中国と国交を樹立し、それに参加することが予想されたから、です。
また、何故「対テロ戦争」で、なぜイスラム過激派が「テロリスト」と指定されたのか?どうしてその「戦争」が50年以上も続くとされているのか?ーも、この彼らのリムランド戦略から来ていることが分かります。 因みに、その<リムランド>ユーラシア大陸の沿海地帯とイスラムの分布図を重ね合わせてみて下さい。 ヨーロッパ(バルカン半島)からアジア(インドシナ半島)まで、インドなどの一部を除いて、殆ど重なり合うことが解るでしょう。 即ち、イスラム過激派を使嗾し(ある場合にはその振りをし)てテロを行い、マッチポンプ的に、恒常的な干渉や介入をこの地域に行う大義名分を得られるのです。
また他方、そのテロ行為は、それ自体が単なる目的ではなく、現在イラクやアフガンで行われてる様に、この地域の、只でさえ脆弱な国家をより脆弱にすることを目的としたものです。 彼ら自ら「不安定な弧」と言っているこの地域一帯に、文字通り不安定な状況を作り出すー「万人が万人に対して狼になる」=<ホッブス的自然状態>をこの地域に作り出すことによって、リバイアサン=超越者として<帝国>アメリカが燦然と浮かび上がるーというわけです。