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(回答先: 再びビルマについて ビルマ軍事独裁政権は何に依拠して存続し続けているのか 投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 10 月 06 日 19:59:17)
影の闇さんは、こう主張されました。
>小生は、軍事政権それ自体は支持はしないけれど、スーチー女史か軍事政権か?といったら、当然、軍事政権ですね。 >何故か?
>もしスーチー女史の政権になったら、かってのフィリピン・アキノ政権以上に、オウベイの傀儡政権化すること必定
>ですし、何より、もし今軍事政権が倒れたら、早晩「外部勢力」が介入し、カレン族の民族独立や内紛等、100以上
>ある民族・部族間の争いが噴出し、血で血を洗う内戦状態に突入することも十分に考えられる、即ちかってのユーゴや
>今現在進行中のイラクのような凄惨な事態が予見され得るからです。
>しかもそれは国境を不安定化し、隣のタイやインドシナ半島及びインド、中国等、あの辺り全域の不安定化に繋がって
>行くことになる、かもしれない。
ビルマが民主化されたなら、それまで経済制裁を行なっていた欧米諸国との経済交流が開始されることは当然のことです。「オウベイの傀儡政権化」などと言っていますが、軍事独裁政権下で極貧の生活苦を強いられているビルマ国民にとっては、民主化による欧米諸国との経済交流がよほど望んでいることでしょう。何より多くの人々の生活水準の向上がもたらされます。当然、中国やインドとも経済交流を進めていくでしょう。
影の闇さんが「オウベイの傀儡政権化」を嫌っていようが、現在、軍部が独占している富が国民に分配されることになり、これはビルマ国民の利益になることです。「経済のグローバル化の恩恵」から取り残されているビルマ国民に、欧米諸国との経済交流は雇用の確保につながります。
影の闇さんはこうも主張されています。『今軍事政権が倒れたら、早晩「外部勢力」が介入し、カレン族の民族独立や内紛等、100以上ある民族・部族間の争いが噴出し、血で血を洗う内戦状態に突入することも十分に考えられる、即ちかってのユーゴや今現在進行中のイラクのような凄惨な事態が予見され得るからです。』
本当にそうでしょうか。ビルマ国内の最大の武装勢力はカレン族ですが、彼らはNLDとの共闘関係にあります。
ビルマの民族構成は、ビルマ族が人口の7割近くを占めており、それ以外の少数民族は、最大のシャン属でも9%にずぎません。
旧ユーゴは、スロベニア(200万人)、クロアチア(450万人)、マケドニア(207万人)、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(400万人)、セルビア(940万人)の民族構成であり、最も人口の多いセルビアでも、旧ユーゴの4割強しかありませんでした。まさにモザイク国家と言われたゆえんでしょう。ユーゴ内戦に至るまで、古くから民族紛争が絶えなかった歴史があります。
イラクは、イスラム教シーア派が50%、イスラム教スンニ派が30%、クルド人が20%です。三つの勢力はほぼ同等の規模があります。フセインがスンニ派を行政、経済、労働、などあらゆる面で優遇したため、シーア派の対立感情が蓄積されていきました。米国がフセイン体制を打倒したとき、スンニ派の行政職員、国軍兵士をすべて解雇してしまうという、誤った政策を行なったことが、現在のイラクの混乱の大きな要因を占めています。スンニ派の人々の多くが職を失い、反米武装闘争、反シーア派武装闘争に参加しました。行政職員を解雇してしまったため、イラクの行政はマヒ状態に陥っています。
以上述べたことから、旧ユーゴ、イラクと、ビルマを同一視する根拠は全くありません。
さらに影の闇さんは、こうも言っています。
> ネウィン体制の崩壊→所謂「民主化」の進展→国内の無政府及び無秩序化→軍政の登場
>多くの国がそのようなプロセスを踏んでいる。 そうして、その軍政下で、<近代化>=産業社会化が進展したら、
>それに応じた政治スタイルが必要となる、それを<民主化>と言ってるに過ぎない。
最初のフローは重大な事実が書かれていません。事実はこうです。
ネウィン体制の崩壊→所謂「民主化」の進展→国内の無政府及び無秩序化→軍部の登場→総選挙実施→選挙結果を軍部が無視
さらに「その軍政下で、<近代化>=産業社会化が進展したら」と言っていますが、ビルマでは産業社会化は全く影も形もありません。それは、国際社会による軍事独裁政権に対する経済制裁のためです。さらにビルマの軍部が富を独占していることが拍車をかけています。ビルマの軍事独裁政権は、みずから富を独占するために存在しているといっても過言ではありません。
民主化されれば、当然経済制裁は解除され、ビルマは急速に経済発展するでしょう。