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(回答先: 国家は、一個の通貨圏として経済共同体と見なし得るのでは？ 投稿者 張良 日時 2007 年 3 月 27 日 11:38:18)
張良さんへ
お返事ありがとうございます。
経済活動、金融などもですが、国を単位としてみるのはもちろん基本だと思います。
ただ、私の考え方は 理論がどうのというより現実がどうなっているか、という方を重視しました。そして、それについて、やめよう、なんとかしよう と思ったとき、人々の利害、被害を 国籍でくぎって見ても、おそらく原因もそれに伴う解決方法も見えにくくなってしまうのではないか、と思うからです。
例えばこの看護士輸入問題ですが、私は別の投稿で行っていますが、反対です。
看護士が足りないなら、自前でまかなえ、と思います。
何か不足すれば、他民族から取ってきて（奪ってきて）やらせればいい、というのは確かに植民地的発想だと思います。私も不足した教師、技術者の問題で、外国から輸入すればいい、と安易に考えるNZや豪州での発想を この阿修羅に好ましくない、として投稿したこともあります。
その点では この著者と同じですが、この文章からは、その利害が一方的にあるような誤解を受けるのではないか と思い、投稿したわけです。
輸入したいのは、誰ですか。それは日本人全体ではありません。それにより利益を得る、例えば、国、病院経営者とかですね。そしてフィリピン政府や一部資本家達もでしょう。こんなこと、フィリピン政府側がやりたくなければやれません。
フィリピンの人々のお金でせっかく養成した看護士たちを日本で働かせる というアイデアに賛成しているのは、別に日本だけではない、ということです。もちろん、銃や経済制裁で日本がフィリピン政府を脅しているのなら話は別ですが。
輸入には、日本人看護士たちは反対ではないですか。こうして待遇などが悪くて日本人になり手がいないのなら、もっと魅力ある境遇に改善していくべきなのに、それが行われず、待遇が悪いまま、もっと悪い待遇の国の民にやらせろ という発想でしょう。そして、日本人看護士の待遇は決してあがりません。
どちらの民には不幸なことです。ただ短期的視点と個人的視点で見れば、フィリピンの看護士が少し嬉しいかもしれませんよ。だって、自国にいるより賃金はいいでしょうから。
オーストラリアには海外労働者はごまんといます。テレビでもよく取りあげられます。
劣悪なアパートにおしこめられている例もあったりしますが、つい先日見た報道では、工事現場のタイからの労働者を取り上げていました。労働者は総じてハッピーそうでした。賃金が自給１５ドルで、交換レートも含めて考えると、自国で働く３倍から５倍もいいそうです。経営者曰く、オーストラリア人からは応募しても集まらないから仕方なく外国人を雇うようにした、と言っていましたが。つまり待遇をあげてまで オーストラリア人（それもあまり一生懸命働かない）を雇う気はない、ということですね。
ところで、張良さん、日本では溶接工って、いくらぐらいの賃金を得ているのでしょう。
自給１５ドルってどうなんでしょう。オーストラリア人は安すぎると言っていました。
まあ、それはともかく、そしてオーストラリア人労働組合側は怒っているわけです。
安全に関するきまりを英語で読めない労働者は働かせるな、など、一応海外からの労働者の人権に配慮した形に見える規制をかけようと労働組合側は考えているようです。今はハワードの国民党の政権ですが、労働党に変わったら、行われるのでは と思います。
ごみ処理の件ですが、これはごみを確か ５分の１か、それ以下の量に減らせる魔法の薬（無害の薬）を作る技術を日本人が発明し、それをフィリピンに売りこみ、ごみの量になやむフィリピン政府がその技術提供に興味を示している中でのできごとだと思います。実は知り合いがその計画に関係しています。どちらの政府、企業も乗る気なのです。
どちらも一部の人々は、得をするのです。もちろん損をするのは、フィリピンの貧しい人々、いいえ、国土が汚れるとしたら、そこに住む全員なのだと思います。
しかしこのことも、フィリピンかわいそう、日本ひどい と国籍で人々を分類するのは的外れ と思います。もちろん、これでもいいのですが、問題は、フィリピンの一部の得し、積極的に関与しているひとまでが、隠れてしまうからです。そして、その個人を捕まえられない、ということではなく、構造的に分析できなくなる、事実がつかめない、解決できない、ということです。
張良さんの言わんとしていることは理解できます。
ただ、最初の投稿は張良さんの書いたものではないのではないですか。
こういう投稿を時々見かけますが、人々の利害を国籍で分類した上で、被害国、加害国とわけているものが多いと感じます。私は、その投稿がいう、「植民地的な発想」自体もっと考察して欲しい、（もしくは誤解ないように書いて欲しい）。その植民地にされた国のトップ階級は 宗主国の権力者について、特権をもらっていたのが一般的ですね。今の南米でも、アメリカ支配が強いですが、例えばペルーでも、支配階級は、決して搾取される側の民に側には立たないですよね。アメリカがペルーを搾取している、という、言葉としては間違っていませんが、これを厳密に考えれば、アメリカの例えば、病気の治療も受けられない貧しい人々（決して例外ではなく、たくさんいると思う）が、ペルーへの経済支配で利益を得、ペルーのお金持ちがアメリカの搾取にあって苦しんでいる というのは間違っていますよね。
私は、経済（金融も含め）がグローバル化してきて、国境がなくなってきた現在、その経済活動の国境をどうするかを決める権利、（例えば、金融商品やら、株、その他企業の活動全般、と労働者のビザ問題も含め）権力者がわがにぎっていることを考えると、国籍が同じ者同士のつながりより、経済的地位の似たもの同士のつながりの方を気をつけて見るべきだと、特にこうした国際労働力の問題では、と強く感じます。
張良さんの言おうとしていることは 理解していると思います。
- レスを議論版に投稿したしました。悪しからず。（リンクは本文にあります） 張良 2007/4/02 12:53:43
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