★阿修羅♪ > アジア7 > 287.html
 ★阿修羅♪
北朝鮮の核(ミサイル)開発の仮想敵国は中国だったのだ。厄介な北朝鮮がいつ米国の勢力圏にはいるかわからない。
http://www.asyura2.com/07/asia7/msg/287.html
投稿者 TORA 日時 2007 年 2 月 24 日 09:44:41: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu138.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
北朝鮮の核(ミサイル)開発の仮想敵国は中国だったのだ。
厄介な北朝鮮がいつ米国の勢力圏にはいるかわからない。

2007年2月24日 土曜日

◆北朝鮮の核 2月22日 佐々木敏
http://www.akashic-record.com/y2007/cvsnk.html

(前略)
さて、「そこで問題です」。北朝鮮の核兵器やミサイルは、いったいどこを仮想敵国として開発されているのでしょう?
(^^;)
1990年2月、北朝鮮の核兵器開発疑惑が惹起されたとき、地政学の法則を知っていた筆者はこう思った:

「内陸国・北朝鮮が半島国・韓国を侵略するのに、核兵器は要らないはずだ(現に1950年には核抜きで韓国本土の大半を制圧したのだから)」
「1980年代まで北朝鮮が繰り返し、『朝鮮半島の非核化』や『朝鮮半島からのすべての外国軍隊(事実上米軍のみ)の撤退』を主張していたのは、核も米軍もなくなった韓国を単独で、陸軍力のみで侵略できると思っていたからだ」

上記の筆者の考えはいまでも間違っていないはずだ(読売新聞1990年2月15日付朝刊5面「北朝鮮、在韓米核兵器撤去を要請 IAEA査察受け入れを条件に」)。そこで筆者は仕方なく、「1990年代の北朝鮮はソ連崩壊後、ソ連からの援助を失って国内経済が崩壊したので、韓国を侵略できるほどの陸軍力を維持できなくなったのだろう」と、地政学の法則に勝手に「例外規定」を作って自分を納得させていた。

しかし、2005〜06年に中朝国境を取材した知人から「中朝国境(中国領延辺朝鮮族自治州と北朝鮮の境界線)は一触即発であり、いつ戦争が始まってもおかしくない」と聞いて、やっと納得した。北朝鮮の核(ミサイル)開発の仮想敵国は中国だったのだ。内陸国・中国の侵略に備えるために、半島国・北朝鮮が「決定的な破壊力を持つ兵器」を保有したがっていると考えると、地政学の「半島国の法則」に例外を設ける必要はなくなる。

1948年、38度線の北側に建国された北朝鮮の憲法では、首都は(38度線の北側にある平壌ではなく、南側の)ソウルだとされていた。つまり、ソウルを含む半島南部を征服し半島を統一することが国是だったのだ。

しかし、1972年の憲法改正で、首都は平壌(ピョンヤン)になる(72年憲法第11章第149条)。これはどういうことだろう。

●敵に渡すな●
1948年の北朝鮮建国当時、中国共産党(翌1949年に中華人民共和国を建国)とソ連は蜜月関係にあり、北朝鮮は中ソ両国から支援を得て韓国を侵略することが可能だったから、「いずれ(韓国領内の)ソウルを首都にする」という趣旨の文言を憲法に盛り込んでも絵空事とは言えなかった。むしろ、国家目標を示すうえで48年憲法第9章第103条は必要だった。

しかし、1960年頃から中ソ対立(見かけ上はイデオロギー対立だが、実態は地政学上の領土紛争)が顕在化すると、もはや北朝鮮が中ソの支援を得て半島を統一することなど夢物語となったので、現実にめざめた北朝鮮政府(朝鮮労働党)は現実に合わせて憲法を変え、首都を平壌としたのだ。

それでも、朝鮮戦争当時半島の9割を支配下に置いた経験のある建国の父キム・イルソン(金日成)が国家元首であった1980年代までは、北朝鮮は「半島統一をめざす」ことを形式上国是として掲げ続けた。韓国とともに分断国家の片割れとして、その国家としての存在の正統性を問われ続けている北朝鮮としては「わが国は半島全体を代表する正統な国家です」と言い続けるしかなかったのだ。

しかし、1991年、ソ連の体制改革(民主化)による東西冷戦の終結を受けて、北朝鮮と韓国が、東側(社会主義諸国)西側(資本主義諸国)双方の陣営の賛同を得て同時に国連に加盟すると、北朝鮮の独立国家としての正統性の問題には、いちおうの決着が付いた。つまり、半島の統一がなくとも、北朝鮮も韓国もその存在に法的、政治的な疑問符が国際社会から突き付けられる心配はなくなった。いまにして思えば、このとき事実上、韓国にとって北朝鮮は脅威でなくなり、北朝鮮にとっても韓国および在韓米軍は脅威でなくなったのだ。

他方、「北朝鮮の北」には脅威が存在した。
1960〜80年代、中ソにとっては、地続きの隣国・北朝鮮が、敵対関係にある勢力(中国にとってはソ連か在韓米軍、ソ連にとっては中国か在韓米軍)の勢力圏にはいることは死活問題であり、たとえ北朝鮮に先制攻撃をかけてでもそのような事態は阻止したかった。が、中ソは対立してお互いに牽制し合っていたので、北朝鮮は「中ソ等距離外交」と呼ばれる中立政策で中ソ双方から国家体制維持に必要な援助を引き出し、独立を保っていた。

1991年末にソ連が正式に消滅し、その後継国家ロシアの軍事力がソ連時代に比べて著しく衰退していることが明らかになると、「ソ連からの援助を失って弱体化した北朝鮮の国家体制が崩壊して韓国に吸収され、北朝鮮最北端の中国との国境線、鴨緑江の沿岸にまで米軍が進出する恐れ」が現実の問題となって来た。

中国としては、北朝鮮の体制崩壊を防ぐために石油や食糧の援助を北朝鮮に送ってはいるが、この厄介な隣国がいつ米国の勢力圏にはいるかわからないので、「敵に渡すぐらいなら、その前に自分のものにしたい」という防衛策を考えるのは、地政学上当然だった。

2002年、中国政府は、現在の中国東北地方(旧満州)東南部から北朝鮮にかけての広大な地域を紀元前37年〜紀元後668年に支配した古代国家・高句麗を、朝鮮民族の王朝ではなく、中国の地方政権と位置付けて中国史に編入するためのプロジェクト「東北工程」を開始し、2004年には、中国外務省ホームページの韓国史の項から高句麗史を削除した(朝鮮日報日本語版2004年7月14日付「中国大使呼び『高句麗削除』抗議」)。これは紛れもなく、中国が北朝鮮を侵略するための伏線、侵略の「大義名分作り」である。

1990年2月の「北朝鮮核開発疑惑」発覚以降、2007年2月現在まで、北朝鮮は米国に対して執拗に北朝鮮国家体制の存続を保証してくれと要求し続けたと報道されている。この「体制の保証」とは一般的には、「米国が(北朝鮮の核保有阻止を口実に)北朝鮮を攻撃しないこと」と受け取られているが(共同通信2005年2月18日付「北朝鮮の狙いは体制保証 米大統領特使派遣が打開策」、東奥日報2003年7月23日「天地人」 TBS Newsi Web 2006年10月9日「伊藤洋一:世界を読み解くキーワード」)、それは地政学と核技術の常識に反する。

北朝鮮は2006年10月の核実験宣言(実態は「単なる火薬の爆発」。小誌06年10月16日「北朝鮮『偽装核実験』の深層」)の時点でも、軍事利用可能な核技術を保有しておらず、核弾頭を小型化して日米に届くミサイルに搭載するなど夢のまた夢だが、1990年代当時はもっと核技術が未熟だったはずであり、そのような「核後進国」を攻撃すべき理由は、米国にはないからである。

(私のコメント)
2月14日の「株式日記」で「私が金正日ならば思い切ってアメリカに歩み寄ってアメリカに白旗を掲げる事で生き残りを図ることを考える」と書きましたが、佐々木敏氏も北朝鮮にとっての脅威は中国であると書いている。金正日から見れば中ソの両天秤外交からソ連が崩壊して、金正日としては米中の両天秤外交に切り替えざるを得ない。

しかしアメリカは朝鮮半島に対する関心はすでに失ってしまっている。金日成や金正日がもっと外交戦略家であるならばソ連が崩壊した後はアメリカに譲歩すべきだった。アメリカと北朝鮮とは休戦状態ですが、北朝鮮が負けたことにして米朝は国交を回復してアメリカに中国からの脅威に牽制してもらう事が必要だった。

そうすれば金正日は米中の両天秤外交が出来たはずだ。アメリカは核開発で騙されたから北朝鮮問題を中国に丸投げしてしまった。そうなると中国は北朝鮮に対して生かさず殺さずにしてアメリカに対する鉄砲玉として利用しようとしている。北朝鮮をアメリカの中東に対する牽制に使おうとしている。

中国から見れば北朝鮮が核武装する事は決して容認できないはずですが核実験までさせてしまった。北朝鮮は核武装する事で中国からの脅威に対抗する事ができるようになり、アメリカから見れば北朝鮮を中国に対する逆鉄砲玉にすることが出来る可能性が出てきた。北朝鮮の核武装を容認した事は中国にとっては戦略的な失敗だ。

日本のマスコミはしきりと中国や北朝鮮の外交を巧みだと賞賛するが、私から見ると中国や北朝鮮ほど戦略的な外交べたはない。日本に対しても靖国問題や歴史問題を持ち出して外交関係を険悪にしてしまった。金正日もさっさと拉致被害者を返してしまえば数兆円の経済援助が見込めるのに、話し合いすら拒否している。

北朝鮮はまったく孤立してしまって、このままでは核を持ったとしても経済的に締め付けられて崩壊していくだけだ。北朝鮮としては中国に全面譲歩するかアメリカに全面譲歩するかして妥協するしかない。しかしアメリカも中国も全面譲歩を受け入れるだろうか? 韓国との統一も韓国が逃げ腰になっているから見込みはなくなってきた。

このままでは北朝鮮がいくら核保有国と虚勢を張ってもどこも相手にしてくれないだろう。北朝鮮は重油100万トン手に入れたつもりになっているが核開発を放棄しなければ入ってこない。また中国もアメリカも北朝鮮が核を持ったまま韓国との統一は認めない。韓国には多くの原子力発電所を持ち核燃料も沢山持っているから統一したら核大国になってしまう。そうなれば日本も核武装せざるを得ない。

このような現状を分析すれば朝鮮半島は現状を維持したまま北朝鮮をほったらかしにしておくしかない。北朝鮮が核実験したりミサイル実験をすればアメリカは日本に巨額のMDを売りつけることが出来るから現状維持が良い。日本も防衛庁が防衛省に昇格して憲法改正もしやすくなった。まさに北朝鮮さま様だ。


 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ      HOME > アジア7掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。