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KEDOの歴史(偏見つき)【mixi:たけ(tk)の日記】
http://www.asyura2.com/07/asia7/msg/221.html
投稿者 たけ(tk) 日時 2007 年 2 月 10 日 15:09:17: SjhUwzSd1dsNg
 

(回答先: 数億ドル分の燃料を要求=北朝鮮、核停止の見返りに−米TV【時事通信】 投稿者 たけ(tk) 日時 2007 年 2 月 10 日 15:05:40)

mixiに書いたモノだが、もったいないので、ここにも転載しておきます。

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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=342349150&owner_id=5049163

たけ(tk)の日記 全体に公開

2007年02月10日
05:33 KEDOの歴史(偏見つき)

今回の要求(合意?)は、1994年の時点に戻すということに過ぎない。1994年と違うのは、北朝鮮が、曲がりなりにも、核実験の実績を持った、という点だけ。

以下を見てもらえば分かると思うが、
北朝鮮は1994年の米朝合意のあと、2003年(1月1日?)の期限までは、真面目に合意を守っていた。
それに対して、アメリカには、合意を履行する意志があったようには見えない。
北朝鮮は、米朝合意のリミットが経過し、さらにアメリカがKEDO合意の履行をなにもしなくなったことを確認した時点で、NPT脱退を宣言して、核兵器の開発を再開した、ということ。

北朝鮮は好きじゃないが、この問題については結構まともにやっているのだ。

(1)まず前提知識として、北朝鮮は電力不足である、ということは知っておく必要がある。「エネルギーの安定供給源として原子力エネルギーの開発は至上命令と受け取られている。恒常的な電力不足を解消するためには少なくとも五千から六千メガワット級の原発が必要」らしい。五千メガワット= 5000MWe。

(2)1979年、北朝鮮は、電気出力5MWeの実験用原子炉(黒鉛減速・炭酸ガス冷却炉)の建設を開始し、1986年1月に完成して電力と暖房用熱の供給を開始した。

この黒鉛炉を、KEDO合意で凍結させられることになる。

(3)1985年12月12日、北朝鮮NPTに署名。北朝鮮は1985年12月に核不拡散条約(NPT)に加盟したが、韓国に米国の核兵器が配備されていることを理由に、IAEAとの保障措置協定の締結を拒否。北朝鮮は、IAEA保障措置受け入れの条件として、在韓米軍の戦術核問題を絡めて、「米国の核の脅威が消滅すること」との考えを主張した。

(4)1994年5月14日、北朝鮮が寧辺の5メガワット(MW)実験用原子炉の燃料棒取り出し開始。安保理は30日、議長声明を採択し、 IAEAの監視下で燃料棒交換をするよう要求。6月8日、IAEAは北朝鮮が燃料棒取り出し作業を終了したと発表。6月10日、IAEA定例理事会は医療関連を除く、北朝鮮への原子力関連技術援助を停止し、特別査察受け入れを要求する決議を採択し、IAEAとしての「制裁措置」を決めた。

この時点では、北朝鮮は「米国の核の脅威」に対抗するための核兵器を持とうとしていたのだろう。これが発端となって、米朝交渉からKEDO合意に至る。

(5)1994年10月、アメリカは、黒鉛炉だとプルトニウムの取り出しが容易なので、黒鉛炉の廃止を要求し、見返りとしてプルトニウムを取り出しにくい軽水炉の建設と軽水炉完成までの原油供給を申し出た(「1994年10月の枠組み合意」「米朝合意」)。1995年3月9日に朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)発足。

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http://www.jaea.go.jp/jnc/kaihatu/hukaku/dk/1/5/1-j.html
「米朝合意」の主な内容:
(1) 北朝鮮が取るべき措置
・NPTの締約国として留まること。IAEA保障措置協定上の義務履行を通じ、過去の核活動を含む核開発の検証
・現存(5MW炉、再処理施設及び燃料加工工場)及び建設中(50MW炉、200MW炉)の核関連施設の凍結及び将来の解体(IAEAが監視)
・5MW炉からの使用済燃料の安全な保管及び最終的には第三国への搬出

(2) 米国等が取るべき措置
・2003年を目標に軽水炉(2000MW炉)の供与(実施のため、国際コンソーシアムを組織し具体的検討を行う。)
・代替エネルギーの供与(年間、最大50万トンの重油提供)
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http://www.kedo.org/pdfs/AgreedFramework.pdf
1) In accordance with the October 20, 1994 letter of assurance from the U.S. President, the U.S. will undertake to make arrangements for the provision to the DPRK of a LWR project with a total generating capacity of approximately 2,000 MW(e) by a target date of 2003.
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軽水炉は通常であれば4年もあれば完成するらしい。1999年には完成していてもおかしくない計算になる。余裕をみて、2003年までとしたのだろう。

「by a target date of 2003」の意味が分からぬが、あとの成り行きを見ると、双方とも「2003年の1月1日までに」と理解していたのではないか?

(6)1994年10月、北朝鮮は建設中の二つの原子力発電所の建設を凍結した。電気出力50MWe(5万kW)の第2原子炉と1981年に着工した寧辺の北西約30kmの泰川の20万kWeの泰川原子力発電所。再処理施設も 1994年10月の枠組み合意により凍結された。

ここら辺の時点での北朝鮮に問題があるとすれば、
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http://www.jaea.go.jp/jnc/kaihatu/hukaku/dk/1/5/1-j.html
 IAEAの重視する過去の原子力活動に関連する情報の保全についてのIAEAと北朝鮮の間の交渉は進展していない。
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つまり、米朝合意の「IAEA保障措置協定上の義務履行を通じ、過去の核活動を含む核開発の検証」の部分だろう。
しかし、過去の活動の検証というのはキリが無い。過去の活動に関する完全な検証は人間には不可能な話。どこまでやればよいのかの争いが生じるのは当然だろう。

現在の「核開発の検証」に関しては「黒鉛炉の凍結及び使用済燃料の封印作業はIAEAが監視」とある。

1995年??
1996年??

(7)1997年8月、KEDO合意に基づいて、琴湖で軽水炉建設着工。順調に行けば2001年には完成するだろう。2003年1月1日のリミットまでにまだ間に合う。

1998年??
1999年??
2000年??
2001年??この間、何をやっていたのか?

(8)2002年8月、軽水炉本体の基礎工事着工。

をいをい、「建設着工」から「基礎工事着工」までに5年もかかるのかよ。タイムリミットの年に基礎工事に着工かい? 2003年1月1日までの4ヶ月で完成させるのかい? 無理だね。

KEDOのタイムリミットが経過すれば北朝鮮は自前の原子炉開発を再開する権利が復活する。そういう解釈も可能な約束だ。

(9)2002年10月、ブッシュ大統領の特使としてケリー国務次官補が北朝鮮を訪問し核開発の放棄を迫った。10月4日に「北朝鮮は核兵器の所有を仄めかした」と、アメリカが発表。

アメリカの意図はミエミエだよね。自分が債務不履行の責任を取らされるのを回避するために、相手に契約不履行の責任を押しつけようとした、ということだ。

KEDOの合意を守らなかったのはどちらでしょう? 

「アメリカは約束は守らないが、北朝鮮は核開発を放棄しろ」と迫ったのだから、北朝鮮がその要求を拒否するのは当然だろう。

その拒否のコトバをいいように解釈して「北朝鮮は核兵器の所有を仄めかした」という発表をしたのだろう。つまり、北朝鮮は「KEDOのリミットが過ぎれば原子力発電開発の権利が復活する」という趣旨の発言をしたに違いない。それを「核兵器開発の権利がある」と解釈し、さらにそれを「核兵器の所有を仄めかした」という表現にまで進めて発表をしたのだろう。この時点では《まだ》NPTから脱退していないから、北朝鮮は「核兵器開発の権利がある」という発言はしないと思うよ。

(10)KEDO理事会が12月分の重油供給中断。

これで、KEDO合意は、実質的に空になった。

この後は、北朝鮮は「核開発」へ一直線。

ただし、北朝鮮は本当に欲しいのは、「原子力発電」(とアメリカの核の脅威からの安全)であって、「核兵器」ではない。ちゃちな核兵器を持ったところでアメリカの軍事力に対抗できるはずがない。「核兵器」は「原子力発電」のための政治的手段であると考えるのが妥当。

(11)2002年12月。北朝鮮外務省スポークスマンは、12月12日にKEDO理事会が12月分の重油供給中断を決めたことに対し、「核凍結をやむなく解除し、電力生産に必要な核施設の稼働と建設を即時再開する」と発表した。

(12)2003年1月10日、北朝鮮、NPT脱退宣言。

KEDOのタイムリミットが経過してから、NPTから脱退していることに注意。この時点で核兵器開発を宣言したことになる。

(13)2003年2月26日、アメリカ政府は北朝鮮が寧辺の実験用原子炉を再稼働したことを明らかにした。北朝鮮は2003年7月8日、ニューヨークでの米国との非公式協議で、寧辺の5MWe実験用原子炉から1989年春に取り出した燃料棒約8,000本の使用済燃料の再処理を2003年6月 30日に完了したと通告した。

(14)2006年10月9日、核実験。

----参考----

http://www.worldtimes.co.jp/w/korea/news/020821-063710.html(北朝鮮、ロシアとの核技術協力協定に強い関心、2002年の記事か?)

http://www.bekkoame.ne.jp/ro/renk/20041128/renk_flash3.htm(北朝鮮の電力不足)

http://blog.livedoor.jp/dprkoria/archives/50048617.html(そういえば、北朝鮮に行って気になったことが、電力事情がそうとう悪いんだろうなということでした。)

年表関係:
http://www.gensuikin.org/nw/nk_chrono.htm
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/14020201_1.html
http://www.jaea.go.jp/jnc/kaihatu/hukaku/dk/1/5/1-j.html

http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/02020203_1.html
原子力発電所の建設工期は、立地条件、原子炉型式、出力等により多少変わるものの、岩盤検査から営業運転開始まで、4年程度を要している。

----元記事----

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=157574&media_id=4
(レスもとの記事、省略)

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