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韓国の歴史教育波紋 新教科書…左翼史観を批判
3月27日8時1分配信 産経新聞
【ソウル=黒田勝弘】韓国でこれまでの歴史教科書を民族主義的傾向が強く左翼的だと批判し、均衡の取れた内容を目指す「新しい歴史教科書」が登場し論議を呼んでいる。高校の選択科目である「韓国近現代史」向けのもので、日本統治時代については暗黒面や抗日独立運動だけではなく、経済発展や近代文明の流入による近代化の進展など肯定的な面にも多く触れている。
また韓国の戦後(解放後)の歴史についても、新政府樹立や北の侵略から国を守った李承晩時代、高度経済成長を実現した朴正煕時代を高く評価し、韓国の国家的発展など明るい面を多く記述している。
この“新教科書”は李栄勲ソウル大教授ら保守派学者による研究組織「教科書フォーラム」が作った。これまでの近現代史教科書が民族的抵抗や反政府運動中心のいわゆる左翼的な“民衆史観”で記述され、韓国人や韓国社会が経験してきた多様な出来事が記述されず、単純で偏狭な歴史になっていたとの批判、反省が背景にある。
ただ新しい教科書は「代案教科書/韓国近・現代史」となっており、実際に教科書に使われるには政府(教育科学技術省)の検定に合格した後、各学校での採択審査を受けなければならない。
また韓国の歴史教科書にはこれとは別途に通史として中学高校向けの「国史」がある。「国史」は国定教科書で一種類しかなく全国一律に使われている。
「フォーラム」は日本統治時代(1910〜45年)など近代史については「(これまで)あの時代の豊かな歴史的変化をひたすら民族主義史観によって日本帝国主義の支配とそれへの抵抗の歴史に単純化し、今日の韓国人の日常生活の基礎になっている現代文明の起源をあいまいにしてきた」と指摘している。
その上で“新教科書”では経済成長や人口増加、資本主義企業の拡大、身分社会の解体、学校教育などを通じた近代的規律、新しい生活スタイルの導入など、日本統治がもたらしたプラスを含む多様な変化を紹介している。
いわゆる“従軍慰安婦問題”については「日本軍の慰安所に奴隷のように収容され」としながらも、慰安婦になる経緯について経済的動機を指摘した米軍調査資料も紹介している。
こうした“新教科書作り”には民族主義的な学界の主流や左派勢力は批判的で論争が続いている。