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(回答先: [WSJ] YouTubeアクセス遮断――アジアや中東で検閲問題が相次ぎ浮上【WSJ-ITmedia】 投稿者 tk 日時 2008 年 3 月 24 日 23:09:08)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/26/news028.html
[WSJ] YouTubeの世界的障害、原因はパキスタンの検閲
パキスタン政府は国内からのYouTubeアクセスを遮断しようとしたが、ISPのルータ操作ミスで全世界に問題が広まった。
2008年02月26日 11時48分 更新
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)
2月24日、米Google傘下のYouTubeで数時間にわたりサービスが中断された。パキスタン政府がイスラムに批判的なビデオへのアクセスを遮断しようとして失敗したためという。
この問題はまだYouTubeが調査中だが、グローバル通信インフラの脆弱さを浮き彫りにしている。またこの障害の特異な状況は、かねてより政治的緊張を抱えるパキスタンなどの国家で、YouTubeのようなサイトが政治批判コンテンツの拡大において演じている役割が拡大していることも示している。
ことの発端は22日、パキスタンの電気通信を規制する電気通信庁(PTA)が、国内のISPに特定のYouTubeビデオへのアクセスを即時遮断するよう命じたことにある。同庁は、このビデオはあまりに扇動的であり、暴動につながる可能性があると主張した。同庁上級幹部は、YouTubeに連絡を取り、問題のビデオの削除を求めたとしている。このビデオはヘイトスピーチを禁じたYouTubeの利用規約に違反していると同庁は主張している。YouTubeはその後このビデオを削除。同社は、特定のビデオの削除についての理由はコメントしないとしている。
このPTA幹部によると、問題のクリップは、イスラムに批判的なコメントでイスラム圏などから抗議を受けているオランダの政治家ゲート・ワイルダーズ氏が制作した映画の数分間を使ったものだった。ワイルダーズ氏のWebサイトによれば、同氏の映画はコーランを殺人をあおるファシスト書として描いているという。同氏は以前、コーランをアドルフ・ヒトラーの「わが闘争」に例えていた。
パキスタン国民のうちインターネットに接続しているのは5%に満たないが、同国政府はこの映画が、2006年にデンマークの新聞のムハンマド風刺画がイスラム圏で引き起こしたような暴動を誘発することを恐れたと、あるPTA上級幹部は語る。パキスタンではここ数カ月、野党総裁ベーナジール・ブット氏が暗殺されてから、何度も抗議の暴動が起きている。この数週間は、問題の風刺画を描いた画家の「テロに関連した暗殺」を企てたとしてデンマーク当局が数人を逮捕したことを受けて、新たな抗議活動が行われている。
パキスタン政府が国内で問題のビデオを遮断しようとしたことで、世界中のYouTubeユーザーが影響を受けた。同社広報担当のリカルド・レイエス氏は電子メールで、24日に約2時間にわたって全世界でYouTubeトラフィックが停止したことを認めた。「この問題の原因はパキスタンのネットワークにあると判断した。当社はこの問題を調査しており、再発防止のためにインターネットコミュニティーと協力している」
この問題が起きたのは、Pakistan Telecommunication(PTCL)が、YouTubeビデオを遮断する政府命令を実行し始めたときだったと、同社のネットワーク運営に詳しいある人物は説明している。
PTCLはパキスタン最大手の通信企業で、同国のネットワークインフラのほとんどを制御している。今回の件を知る複数の筋によると、同社は国内でYouTubeを遮断しようとしただけだった。だがルータの操作を誤り、YouTubeがダウンしてしまったとこの件をよく知る2人のパキスタン筋は説明している。
同社は単に、YouTubeからパキスタンへのトラフィックを遮断しようとしただけだったという。このプロセスは「ブラックホーリング」と呼ばれる。同社のネットワークに送られた命令は、国内のトラフィックのみを対象とするはずだった。だがどういうわけか、そのメッセージが世界中のインターネットで複製され、ほかのISPでもYouTubeへのアクセスに問題が起き始めた。
「当社のアドレスに送られるはずだったトラフィックがパキスタンに転送され、停止した」とYouTubeのレイエス氏は語った。
問題のメッセージは、香港の通信会社PCCWが誤って自社ネットワークから世界に送信してしまったことで世界中に広まった。PTCLはPCCWなどのネットワークを介してインターネットに接続している。技術専門家は、この種の問題はきわめてまれであり、YouTubeにはどうにもできないとしている。PCCWに問い合わせたが、回答は得られていない。
Rights for All in Pakistanでインターネット問題を追っている市民権活動家シャーザード・アフメド氏は、ムシャラフ政権がYouTubeを遮断する理由はワイルダーズ氏の映画以外にもあると示唆した。
同氏によると、この数週間、YouTubeには反ムシャラフ的なビデオがあふれており、パキスタン政府が選挙を不正操作したことを非難するビデオや、ムシャラフ大統領に抗議する群衆のビデオ、「Go Go Musharraf」という歌を使った着メロのオーディオクリップなどが投稿されている。
「人々はYouTubeにムシャラフ大統領や政府に反対するコンテンツを大量に投稿している。政府はYouTubeを遮断する理由を探していた」とアフメド氏は指摘する。「本当に(ワイルダーズ氏の)映画とイスラムの問題なのだとしたら、Wikipediaなど反イスラム的なコンテンツを含む多数のサイトを遮断していただろう」。Wikipediaはパキスタンでは遮断されていないが、暴動の引き金となったデンマークの風刺画が掲載されている。
パキスタンは2年前に、風刺画問題を受けてインターネットの検閲を強化した。同国最高裁は、「冒とく的」と判断されるすべてのコンテンツを禁止することを定めた。PTAはさらに、反国家的、反軍事的と判断したコンテンツを定期的にフィルタリングしていると、インターネットの情報の自由を推進する国際組織OpenNet Initiativeは述べている。
YouTubeは不適切と判断したコンテンツを削除する権利を留保していると、同社サイトの利用規約には書かれている。コミュニティーガイドラインには「われわれは言論の自由を奨励し、支持されない見解を表現する権利を保護しています。ただし、ヘイトスピーチは認めていません」と記されている。
パキスタンのインターネットユーザーの多くは、ISPからYouTube遮断の通知を受けた。Micronet Broadbandの通知には次のように書かれている。「お客様各位。電気通信庁は冒とく的なコンテンツを含んでいるとの理由で、すべての国内ISPにwww.youtube.comへのアクセス遮断を指示しました」。この通知は、不適切なビデオの削除をYouTubeに求めるようインターネットユーザーに促していた。