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[WSJ] YouTubeアクセス遮断――アジアや中東で検閲問題が相次ぎ浮上【WSJ-ITmedia】
http://www.asyura2.com/07/asia10/msg/598.html
投稿者 tk 日時 2008 年 3 月 24 日 23:09:08: fNs.vR2niMp1.
 

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/24/news032.html

[WSJ] YouTubeアクセス遮断――アジアや中東で検閲問題が相次ぎ浮上

中国などでYouTubeへのアクセスが禁止される事態が頻発。検閲に屈するかビジネスチャンスを失うかの選択を迫られている。
2008年03月24日 11時53分 更新

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)

 3月16日、中国国内からGoogle傘下のYouTubeへのアクセスができなくなった。YouTubeにはチベットからの映像があふれ、炎上するトラックや通りで中国兵に引きずられる僧侶の姿などが映っていた。

 政府が情報の流れを厳格に管理している中国では、西側のWebサイトがブロックされるのは日常茶飯事だ。しかしYouTubeはこれまでに何度も、世界的なリーチ拡大の結果に対処することを同社に求めるアジアや中東の政府との間で衝突を繰り返してきた。
YouTubeで見るチベット情勢

ビデオ1チベット東部で抗議活動に集まったチベット人を追い払う中国警察。「チベット文化は抑圧されている」とチベットの僧侶。
http://www.youtube.com/watch?v=26ueDJQ5rB0

ビデオ23月10日、Tibetan Freedom Movementが世界各地で抗議活動を展開。ニューヨークでは支持者が市役所に集まり、国連本部までデモ行進した。
http://www.youtube.com/watch?v=Om5-R4Jc-Tk

ビデオ3世界各地のチベット人による抗議活動。米国のバンド、ワンリパブリックの「Come Home」がテーマソングに。
http://www.youtube.com/watch?v=17pf-oPBjJI

ビデオ4チベット自治区アムドのラムランにある中国政府のオフィス前で行われたチベット人の抗議集会。携帯電話で撮影。
http://www.youtube.com/watch?v=DO2bspd_L_I&NR=1

 Googleによると、エリック・シュミットCEOは17日、中国国務院新聞弁公室のカイ・ミンツァオ副室長との会談でこの問題を取り上げた。新聞弁公室はサイトがブロックされたことは一切知らなかったとして、調査を約束したという。20日現在、アクセス制限をかわす特別の技術的措置を取ったユーザー以外は、中国国内からYouTubeにアクセスできない状態が続いている。

 14日にはトルコ建国の父といわれるムスタファ・ケマル・アタテュルクを冒涜したとされる動画をめぐり、トルコの裁判所がYouTube禁止を言い渡した。2月にはパキスタンで、反イスラム的な映像が掲載されたとして一時的にYouTubeが禁止された。この映像があまりに扇動的で、暴動の引き金になる可能性があると政府が判断した。昨秋はタイ国王を侮辱したとされる動画の削除をYouTubeが拒んだため、タイでYouTubeがブロックされた(この動画には国王の頭上に、身体で最も不浄な部分とされる女性の足が2本映っていた)。ほかにもシリア、アラブ首長国連邦、モロッコなど多数の国で、問題のあるコンテンツが投稿された後にYouTubeにアクセスできなくなったという報告が相次いでいる。

 こうした衝突は、YouTubeが米国外でも存在感を増していることを物語るもので、同社は検閲に屈するかビジネスチャンスを失うかの選択を迫られる可能性がある。

 米ワシントンD.C.でGoogleのポリシーコミュニケーション責任者を務めるロバート・ブアスティン氏は言う。「インターネットが成熟し、アクセスする人が何百万人も増える中、当社やすべてのインターネット企業があらゆる政治制度を持った多数の国で、こうした状況に直面することになる。当社の目標は常に、世界中の人たちが利用できる情報の量を最大限に増やすことだ」

 しかし、世界最大のWebユーザー人口を持つ中国ほど問題が差し迫っている国はほかにない。同国では何年も前から、政府の検閲に同意することが事業展開の基本条件になっている。中国でYouTubeはまだ比較的存在感が小さく、競合する国内サイトのTudou.comやYoku.comに大きく後れを取っている。しかし韓国や日本の最先端アニメを見るために利用している都会の若者の中にはYouTubeの熱烈なファンがいる。ほかの中国サイトでは削除される微妙なコンテンツが見つかる場所としてYouTubeを認識している人も多い。

 中国でYouTubeにアクセスできなくなったことは過去にも何度かあり、10月には長期間続いた。これはYouTubeが台湾でサイトを立ち上げ、米国議会がダライ・ラマに黄金勲章を授与し、中国共産党大会が開かれている時だった。YouTubeは台湾と香港にローカライズ版のサイトがあるが、中国政府からインターネットコンテンツ免許を取得する必要がある中国本土ではホスティングしていない。Googleは、中国にあるコンピュータサーバでは動画、ブログ、メールといったユーザー投稿型のコンテンツをホスティングする計画はないと説明していた。こうしたコンテンツを中国のサーバに置けば、政府に押収される危険が伴う。

 Googleはかつて2006年1月に中国で検索サービスを開始した際、検閲問題に対峙した。この時Googleは、中国政府の厳格な情報アクセス制限に従って検索結果を検閲することを決めた。通常は利用できるサービスをまったく提供しないよりはましとの判断からだった。3月20日現在、Googleで「チベット」「暴動」を検索しても、結果は数件しか表示されなかった。米国の英語版では同じ検索で46万1000件の結果が示された。

 これまでのところYouTubeも同じような姿勢を取っているが、Googleではこの戦略をめぐり論議が続いている。タイでGoogleはアクセスを確保するために、国内法で禁止されている国王侮辱の動画をタイのユーザーが閲覧できないようにすることに同意した。トルコでは、アタテュルクの動画を投稿した人物のアカウントをYouTubeが停止したが、現在もアクセスできない状況が続いている。ミャンマーでは僧侶の抗議活動を映した動画が登場した後、YouTubeが禁止された。このケースではYouTubeが問題の動画の削除を拒み、アクセスできない状況が続いている。

 YouTubeで何度も検閲問題が浮上し、時にサイトとしての対応が一貫しない状況は、こうした問題の扱いについてもっと透明性の高い戦略を講じる必要があることを示していると、メディアアナリストは言う。YouTubeのコミュニティーガイドラインでは、「言論の自由」を支持し、「不人気な観点を誰でも表現できる権利を守る」と定めている。しかしYouTubeは同時に、不適切と見なしたコンテンツを削除する権利も行使しており、政治的に微妙なコンテンツに関してはかなりの裁量を持っている。

 YouTube広報のリカルド・レイエス氏は「自由に表現するためのプラットフォームであることと、世界中の国の法律に従うこととの間で微妙な綱渡りを行っている」と話した。

 YouTubeではユーザーがフラグを付けたビデオをチェックし、露骨な暴力などのコンテンツを禁じた利用条件に違反しているかどうかを判断する。ユーザーはビデオの削除に不服を申し立てることができ、申し立てがあれば2度目の審査を行う。

 YouTubeは先月、ユーザーからの指摘を受け、ロシアの刑務所での受刑者虐待について記したとみられる動画が露骨な暴力を禁じたポリシーに違反するとして削除した。その後問題のビデオは再掲載されたが、「一部ユーザーにとって不適切なコンテンツが含まれる可能性があります」という文言が表示され、ユーザーがクリックして同意しないと閲覧できないようにした。YouTubeは、このビデオが人権侵害の訴えについて記したものだということを担当者が当初認識していなかったと弁明している。

 YouTubeで配信されているコンテンツは、世界で最も扇動的な政治状況に影響を与えており、利害は大きい。人権団体Bytes for All in Pakistanの活動家、シャザド・アフマド氏は「パキスタンでは実際に、全体の政治の流れを変えてしまった」と指摘。先の選挙でペルベズ・ムシャラフ大統領の党が敗北したのはYouTubeが一役買ったと同氏は見ている。

 中国の検閲問題では、Googleは米国務省に手助けを求めたと、この件に詳しい人物が明かした。同社はYahoo!、Microsoftなどの各社とともに、1年半以上にわたって人権団体や学会、社会的責任を追求する投資家と協力し、表現の自由と個人のプライバシーを制限している国での行動規範策定に当たってきた。米国議会では、インターネット制限をかけている国で米国企業が検閲に従った場合、企業に対し米国政府に詳しい情報を提供することを義務付ける法案が検討される予定。

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