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情報統制を越えて漏れ聞こえるラサの悲鳴をきけ!【北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)】
http://www.asyura2.com/07/asia10/msg/489.html
投稿者 tk 日時 2008 年 3 月 17 日 22:34:10: fNs.vR2niMp1.
 

(回答先: 2008.03.17 チベット「騒乱」の背景(リベラル21) 投稿者 gataro 日時 2008 年 3 月 17 日 20:27:54)

福島香織さん

産経新聞中国総局記者。平成13年に香港支局(すでに閉局)勤務、14年から北京駐在。北京の銀座と呼ばれる王府井近くに一人暮らし。

のブログだそうです。

>「チベット族は怒りにかられて回族のショップを襲った。それで回族が怒りチベット族を5人殺した。それでチベット族が怒り回族を5人殺した」
>福島「僧侶が破壊行動に参加したというのは本当?」
>彼女「それは本当。回族の店に火をつけた」

こんなのを見ると、黒人暴動でヒスパニックの商店を襲った、というようなデジャブになる。

>中国では、少数民族地域への漢族移民、同化政策というのは、これまでもやってきた手段だ。全自治区人口280万人、ラサ人口44万人のところへ300万人、というのは多すぎる気もするが、最高の観光資源と地下資源、インド・ネパールに隣接する軍事的要衝でもあり、そのぐらいのことやらかしたとして不思議はない。

鉄道開通に伴う急激な「資本主義化」が背景にあるような気もする。すでに、ラサではチベット民族が少数派になってしまっているのか?

>デモの最中に「ダライ・ラマ万歳」と叫んだりする僧侶がいたという話しだが、「ダライ・ラマは最高位の活仏のことであり、南無阿弥陀仏!と叫ぶのと同じ」だそうで、この僧侶が特に過激な独立派だとは思えない。

これも興味深い。

>「チベット独立!」というスローガンを掲げる僧侶もいたそうだが、彼らはむしろ、ダライ・ラマ14世が中国と対話しようとする姿勢に、いらだつ一部の血の気の多い僧侶たちときいている。僧侶、そしてチベット族の間に、意見の対立があることは、間接的にきいていた。

チベットの内部事情にも関心を持つべきかもしれない。

−−−−

http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/

情報統制を越えて漏れ聞こえるラサの悲鳴をきけ!

2008/03/17 04:19

■国内はYou Tubeも、BBCもアクセス禁止。ラサの電話は故障を装い、メールは届かない。一方で、中国CCTVは、抜き身の刀をさげた凶暴そうなチベット族の暴徒の姿をうつし、チベット族の無法を強調している。中国のネット世論は「チベット独立派を殲滅せよ!」「不要軟手(手加減などいらない!)」と雄叫びをあげ、鎮圧部隊は正義の味方扱いだ。見事な情報統制と世論誘導!さすが。

■しかも、これだけの無法行為がありながらも、国際社会では北京五輪ボイコット要求拒否が主流。さすが!中国の外交力、そしてパブリック・ディプロマシー力。日本も爪の垢でも煎じてのませてもらおう。

■今回、中国はCCTVなどで、現地の暴動の映像を流したが、中国的にはこれが成功だった。隠蔽しなかった分、情報公開の透明性は前よりまし、と国際社会に思わせ、海外メディアも、この同じ映像使い、公式発表を中心に報道した。赤い衣のラマ僧が商店を破壊したり、チベット族の若者が中国国旗・五星紅旗を燃やしたりしている映像。それだけで、テレビを見ている一般の人々は、中国もこんな凶暴なやつら抑えるには、多少の暴力もしかたなかったんじゃないか、と思いかねない。実際、日本の知人とさきほど、電話で話したら、そういう意見だった。


■しかし、この暴動が起きたきっかけは何だったのか?そこを忘れてはならないと思う。この暴動事件を「一部血の気の多いチベット族大騒ぎ」で納得してもらっては、彼らがあまりにあわれだ。暴動は一刻も早く収まってほしいが、今回の件では中国当局に非があることは、きっちり日本もふくめ国際社会として認識を一致させてほしい、と切に願う。

■16日夕、14日夜にチャットした友人と再びつながった。検閲ワードをさけながら、書いては速攻で削除しながらの、あわただしいチャットで、情報量は多くない。チベット自治区にネット・ユーザーは32万人しかいない。中国全土では2億1000万人もいるのに。しかもその32万人の多くは漢族だろう。チベット族でネットを自由に扱える人間は、限定されていて、監視を受けやすい。そういう危険を承知の上で、グレート・ファイヤー・ウォールをかいくぐって私に何かを伝えようとしてくる彼女。もちろん、彼女のもたらす情報がどれほど正確か、検証するすべはない。だが彼女とのチャット文面からにじむ焦りと民族の悲哀に、私は当局発表より、真摯なものを感じるのだが、みなさんはどうだろうか。


■彼女、ラインオン。
彼女「ハロー、ここは悪くなっている」

福島「ハロー?元気?」

彼女「今、入ったばかりの情報だけど、シガツェで抗議行動(衝突?)が起きている。」「ナクチェ県でも」

福島「どのくらい大きい?」

彼女「大きいわ、人数は調べているところ。僧侶はまだ含まれていない。」

福島「ラサはOK?」

彼女「外出禁止令が出ている。外に出ると撃たれるわ。街は軍だらけよ」「ラサは静か。でも郊外で抗議行動(衝突)は起きている。(ずらずらと地名がでてくる、五カ所くらい。あっという間に削除でメモれなかった!)」

福島「電気、水道、電話、食料、みな大丈夫?」
彼女「大丈夫よ、私の家にはザンパ(干菓子みたいなチベットの保存食)がたっぷりあるから!」
「でもバルコエリアの方は食料が大変みたい。長引くと飢える家がでてくる」

福島「家族は大丈夫?」
彼女「もちろんよ!」


福島「(暴動は)どんな風にはじまったの?」
彼女「14日、午前11時30分ごろ、ジョカン寺の近くにあるラムチ寺で僧侶がハンガーストライキをはじめた。これを軍(武装警察だろう)が阻止しようと、殴るけるなどの暴行のあげく発砲した。7、8人が死んだ。逮捕者もでた。これをきっかけに市民に怒りが広がり、暴力的な大規模デモが起きた。他の僧院も抗議のハンストに入った」
福島「ラムチ寺の僧侶は何人?」
彼女「70〜80人」(寺院の1割の僧侶が虐殺されたわけだ)

彼女「市民デモは北京中路あたりで軍と衝突。軍は発砲を繰り返し、銃創や圧死(おそらく軍用車両で)で、このエリアだけで死者は70〜80人は出ている。」

福島「市全体では何人くらい(の死者)?」
彼女「正確には分からないけれど100人以上。110から120人の間だと思う。(亡命政府の発表は80人の遺体が確認された、少女も含む。これから増える可能性も)」

福島「市民が多いの、僧侶が多いの?」
彼女「僧侶より市民が多い、若いチベット族が犠牲になった」

福島「政府は漢族の商人が犠牲になったようなことをいっていたけれど」
彼女「漢族の死者はない。回族が5人死んだ。」「チベット族は怒りにかられて回族のショップを襲った。それで回族が怒りチベット族を5人殺した。それでチベット族が怒り回族を5人殺した」「漢族が犠牲になったというのは、政府のウソよ」

福島「僧侶が破壊行動に参加したというのは本当?」
彼女「それは本当。回族の店に火をつけた」

福島「僧侶は何を望んでいるの?独立?」
彼女「それだけではないわ。僧侶たちは政府に、漢族・回族移民政策をストップするように要求していた」「政府は300万人の漢族・回族をラサに移民させようとしている。僧侶たちは自分たちの子供たちをまもろうと、この政策に反対を申し立てていた。今でもチベットの大学新卒者は就職難で、チベット族の失業者は多い。そんなに大量の漢族、回族がくれば、チベットの子供たちは生きていけない」

福島「最初のデモは10日?」
彼女「10日、デプン寺で起きたデモ行進は軍(武装警察)に制圧された。このとき発砲もあったし、死者や車でひかれた者もでた。人数は分からないけれど。逮捕者も相当でた」。

ここで、ラインオフ。

■ここに書いた以外にも、いろいろ書き込まれたのだが、地名や寺の名前は、速攻で削除されるので、あやふやなもの、読み取れないものもあった。今回の暴動の最初のきっかけは、軍による僧侶への発砲、暴力であった、というのが彼女の主張。しかも、僧侶らの要求は、独立という大層なものではなく、地域の移民政策への反対だった、という。当局のいうところの「ダライ・ラマ14世策動による独立分裂活動」のようなものではなかったとの見解だ。


■この300万移民政策なるものが、本当にあるのかどうかは、確認できていない。しかち新疆ウイグル自治区ウルムチは、まさに大量の漢族移民によって、人口200万人あまりのうち75%が漢族という漢族支配の都市になった。もはやウルムチには、ウイグル族文化のかおりはほとんどのこっていない。中国では、少数民族地域への漢族移民、同化政策というのは、これまでもやってきた手段だ。全自治区人口280万人、ラサ人口44万人のところへ300万人、というのは多すぎる気もするが、最高の観光資源と地下資源、インド・ネパールに隣接する軍事的要衝でもあり、そのぐらいのことやらかしたとして不思議はない。

■ましてや、今は青藏鉄道が敷設され、大量の人、物資の輸送が可能になった。チベット族たちは、すでにラサに氾濫する漢族文化、漢族経済に不安を覚えている。それは昨年夏、中国外交部主催のプレスツアーにいったとき、ひしひしと感じた。


■ちなみに、ムスリムである回族は、少数民族ながら、普通語に堪能な人が多く、漢族とビジネスができる人は多い。しかもチベット族と仲がわるい。一方、チベット族は、普通語の会話・読み書きが苦手、というより過去の迫害の記憶から漢語を蛇蝎のごとく嫌っている人が多い。

■そこで、漢族が青藏鉄道とともにもたらした漢族市場経済(特色ある社会主義市場コネ経済)にすでに、チベット族はあぶれている状況がある。チベット族は貧しい人が多く、このままラサやチベットに漢族が増えたら、我々の文化、伝統、くらしは完全に破壊される、そういう危機感は強い。


■当局側が撮影したと思われる暴動映像をみれば、暴行を働いているのは、若いチベット族だ。みなりはボロをまとい、ひょっとして失業中かもしれない。たとえ仕事をしていても、賃金は数倍の差がある。昨年7月のプレスツアーで、ラサの経済開発地域の取材をしたさい、建設現場で同じ仕事をしている漢族の出稼ぎ農民と、チベット族地元民の賃金は、かたや1日40元、かたや1日8元だった。

■もちろん、自由アジア放送が伝えたように、投獄中の僧侶の釈放要求とか、いろいろな不満がつもりつもっていたのだろう。昨年末で、政治犯として投獄されたチベット族は僧侶を中心に119人。活仏の当局による管理・許可制導入など、チベットの伝統・宗教文化を完全になめくさった政策を強引に導入するなど、外国人にはどうしてそこまで締め付けねばならないのか、踏みにじらねばならないのか、理解に苦しむほど、チベット族への圧政がある。たとえ、ダライ・ラマ14世の存在感、影響力が共産党中国の想像を絶するほど大きく、中国指導者が過剰におびえているとしても、あまりにひどすぎる。

■こういう状況でおきた僧侶のデモだが、300人レベルの坊さんのデモを武装警察を突入させて制圧する必要がほんとうにあったのだろうか。300人レベルの抗議活動なら、香港では毎日起きている、とはいわないが、比較的頻繁に起きている。ダライ・ラマ14世が求める高度の自治とは、この香港レベルのなんちゃって自治・一国二制度にすぎないのである。一国二制度くらいいいじゃないか、と私などは思うが。


■暴動の原因が何なのか、どういう経緯でかくも悲惨な大暴動に広がったのか、今は断片的な情報の寄せ集めで見えない部分が多い。中国側公式発表をうのみにして、それを既成事実としてしまうのは、毒ギョーザ事件の真相を中国公式発表どおりの見解で処理するのと同じだろう。

■ダライ・ラマ14世は、この暴動について、国際的な独立した調査団派遣を望んでいる。ぜひ、日本もこの意見を支持してほしい。暴動は今や飛び火、拡大している。今、ここで国際社会に見捨てられると、沸点の低いチベット族は、それこそ玉砕覚悟で蜂起するかもしれない。

■毛沢東が行った対チベット政策がいかに苛烈にして陰惨であったかは、わざわざ私が言うまでもないが、その記憶を受け継いでいる若いチベット族は今でも大勢いる。一見、漢族にとけ込んで暮らしている普通のチベット族の若者も、ふと酔った瞬間、もし状況がこのままならば、殺された祖先の数だけ漢族を叩き切って自分も死ぬのだ、といまだにうわごとを言う人もいるのだよ。その深い恨みと悲しみを本当に癒すのは、金でもなく、女でもなく、ダライ・ラマ14世の帰還と宗教の自由というあたり、チベット族のメンタリティは、中国人にも日本人にもなかなか理解できないのだが、それは尊重せねば多民族国家は成立しえない。

■あす(というか今日)17日は、ダライ・ラマ14世インドへの脱出の記念日。多くのチベット族・僧侶の心がざわざわする日だ。どうか、恐ろしいことがおきませんように。血がながれませんように。私まで心がざわざわする。ひとつ間違えば、本当に北京五輪どころではなくなるかもしれない。

−−−−

プンツォク・ワンギェル氏はかつてこういった…。

2008/03/16 01:49

■日本に暮らす中国人の友人からメールがきた。日中文学の仕事をする彼女は著名チベット女流作家の唯色さんの親友だ。「彼女と電話で話ながら泣き崩れた」。私も。きのうはさすがに涙がでた。

■青海省にくらす日本人学者・阿部治平さんからもメールがきた。彼はチベット族の中にどっぷりはいり、チベット族革命家のプンツォク・ワンギェル氏の伝記を日本人としては初めて書いた人だ。この本については、回を改めて紹介する。良書だよ。

■その彼は、この騒乱(暴動)について、ダライ・ラマ14世とまったく関係ない、との見解だった。完全同意。デモの最中に「ダライ・ラマ万歳」と叫んだりする僧侶がいたという話しだが、「ダライ・ラマは最高位の活仏のことであり、南無阿弥陀仏!と叫ぶのと同じ」だそうで、この僧侶が特に過激な独立派だとは思えない。

■「チベット独立!」というスローガンを掲げる僧侶もいたそうだが、彼らはむしろ、ダライ・ラマ14世が中国と対話しようとする姿勢に、いらだつ一部の血の気の多い僧侶たちときいている。僧侶、そしてチベット族の間に、意見の対立があることは、間接的にきいていた。ましてや、この暴動のきっかけとなったデモを「五輪抗議デモ」とするのはあまりに飛躍しすぎではないか。まあ、五輪前だから国際社会の注目をいっそうあびる、という期待はあろうけど。結果的に、国際社会に五輪ボイコット世論が起こるかもしれないが。


■だから、当局が発表するダライ・ラマ14世の陰謀説というのは、こちらの方が陰謀くさいと思う。中国側がダライ・ラマ14世に責任をなすりつけようとしているのではないか。いままでのダライ・ラマ14世の発言、中国側との交渉の過程をみていれば、ダライ・ラマ14世は譲歩しつづけている。しかし、中国側はいっこうに譲歩せず、むしろ活仏許可制など宗教管理を厳しくしている。


■国際社会は中国にダライ・ラマ14世と対話せよ、というのは、ダライ・ラマの譲歩を無視すると、いっそう「ダライ・ラマ14世のやり方が生ぬるい」とする独立派が過激になるのではないか、という懸念があろう。中国側が、ダライ・ラマ14世の譲歩にこたえ、対話に向かえば、少なくとも、それを妨害する行動は独立派とてしないだろう(ただ、対話の結果が、あまりにチベット側に無体なものであった場合はどうなるか?)。

■一部報道で、お坊さんが、放火した、と書かれたものを見たが、チベットラマ僧の戒律の厳しさを考えれば、破壊行為に僧侶が積極的に荷担するとは思えない。ただ、精神力の強い人が多いのでハンストとか抗議の座り込みとかやると、なぐってもなぐっても動かないのだろうが。


■僧侶に暴力が振るわれたり、拘束されたり、宗教管理が厳しくされたりすると、信仰にいきる普通の人々はものすごく怒る。チベット族は部族にもよるが、正直いって沸点が低い。春のこの時期、僧侶からの祝福や祈りが受けられないことは、厳しい自然の中に生きる人々にとって死活問題。断定はできないが、この暴動のきっかけとなったデモの真の要求は、宗教的まつりごとの多い春前に、中国当局に政治犯として拘束された高位のお坊さんを釈放してくれ、という釈放要求の意味も多分にあったのではないか。というか、そちの方が切実な要求だったのでは?もちろん、チベット民族蜂起の日(3月10日)やダライ・ラマ亡命の日(3月17日)など、つらい記憶が蘇る記念日が続く季節なので、心がざわざわするだろうが。しかし、それを、中国側は、五輪妨害の計画的な破壊工作のようにあえて拡大解釈しようとしているのは、プロパガンダではないだろうか。

■犠牲者・被害者はチベット族も漢族もいるだろう。しかし、これだけの暴動に発展させたのは、中国側の公安、武装警察(人民解放軍)の初期対応の過ちのせいだとおもう。

経過を整理すると
3月10日、投獄された僧侶の釈放などをもとめるデプン寺の300人デモ計画の武力阻止と数十人の僧侶の拘束。市中心のジョカン寺近くバルコ街でビラを配っていた十数人程度の僧侶、尼僧、市民を殴打するなど暴力。バルコ街封鎖。(チベット政府当局は、拘束した僧侶は、厳重注意後釈放したと主張)

3月11日、10日に拘束された数十人の僧侶の釈放を求めるセラ寺の600人デモを、武装警察が催涙弾で制圧。発砲も。死傷者の有無不明。

3月14日までに、セラ寺の抗議のハンスト開始、手首を切るなどの抗議活動。3大寺院の軍による包囲、封鎖。市民と僧侶が怒りの抗議デモ。これを数千人規模の武装警察らが阻止。発砲で死者がでて、大暴動に。軍車両が群衆に突入?死者多数?(読売新聞より)。商店や車両の放火、暴行。死者は80人以上に?

3月15日、いったん沈静化←今ここ。当局による密告、自首の呼びかけ。


■さて、タイトルのプンツォク・ワンギェル氏(プンワン氏)。御歳86歳の老チベットコミュニスト。私もいつかお会いしようと、熱望している歴史的人物だ。彼の伝記を書かれた阿部先生は、彼がかつて次のように語っていたと、メールで教えてくれた。真理である。


■(引用開始)かれは、ケ小平の政権掌握後、全国人民代表大会常務委員、中央民族委員会副主任というほとんど大臣レベルの地位にまで上った人物で、1980年代初め憲法改定時に、国防と外交は中央にまかせるとしても民族自治地方には高度の自治を行わせるべきだと主張して激しい論争を引起した。


■かれはいう。レーニンが正確に論証したように、民族分離主義は民族圧迫政策の産物である。ことなった民族が連合し団結するのは平等政策の結果だ。つまり多民族国家で民族平等があるなら、少数民族の激しい不満や、ひいては分離独立の主張などは起きないと。

■チベット人の若者や僧侶が騒ぎをおこすのは、当局がやり方を間違ったからじゃありませんか、ということだ。

■また、大民族の民族主義は攻撃的で奴役的であり、小民族の民族主義は防衛的だ。小民族の民族主義を克服せよというなら、大民族の民族主義の克服はもっと重要である。マルクス主義者はすべからく少数民族の立場に立つべきだともいう。

■だからといってかれは独立論者ではない。自治論者である。今日の歴史的条件下では分離しようにもやれるものではない。亡くなった十世パンチェン=ラマも同じ意見だった。

■そしてプンツォク=ワンギェルはいう。漢民族地域で何かあれば、それは『騒ぎ』だというが、少数民族地域では『反乱』とされて「鎮圧」される。兵を用いれば、あっさりと乱を治めることができるかもしれないが、その後遺症ははかり知れない、受けた傷は治療の方法がない。共産主義者の最終目標は全人類の解放と世界を大同に導くことである。胸襟は必ず開かなければならず、戦略的な観点が必要だ、と。


■わたし(阿部さんのこと)は傷つき倒れた双方の犠牲者を悲しむ。とともにプンツォク=ワンギェルの主張は、いま生きているとしみじみとおもう。


■福島も完全同意。そして、おそらく、ダライ・ラマ14世もまったく同意見ではないではないか。プンワン氏は、ダライ・ラマ14世とも非常に近しい関係だったはず。胡錦濤閣下、あなたが本当にマルクス主義なら、プンワン氏の主張に共感するのではないか?


■改めてレビューは書くが、阿部先生の書くプンワン氏の伝記「もうひとつのチベット現代史」に興味もたれたかたはアマゾンでどうぞ。

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−−−

チベット暴動の悪夢再び!五輪どころじゃねぇ!

2008/03/15 00:23


■チベット民族蜂起49周年の3月10日にラサでおこった僧侶に対する公安、武装警察らの暴力以降、14日、ついに暴動に発展してしまいました。ラサが燃えています。

■11日にセラ寺でおこった抗議デモは催涙弾で制圧されました。このあと、ジョカン、デプン、セラのラサ3大寺院は人民解放軍に包囲されていました。数千人規模のデモ隊と武装警察が衝突、警察の発砲して2人が死亡した、と自由アジア放送が報じました。セラ寺では、僧侶らが抗議のハンストを行って、当局の暴力に抗議しています。2人の僧侶が、抗議の意味で手首を切って重体。

■今、ラサの友人とチャットしています。14日、街は中国系商店などが焼き討ちにあいました。この日の午後7時ごろ、娘熱路と2環路の交差点あたりで、衆人環視の中で3人のチベット族が撲殺されたそうです。誰に殺されたの?「そんな怖いこと聞かないで!私はここで生きていかねばならいの!」。パソコンに浮き出る英語の文章を見て、自分の愚かさを恥じました。恐怖を抑えながら、チャット必死で現地の様子を私に伝えてくれる彼女を、神様仏様、どうかお守りください。。

■友人によると、このほかにもparko (八角?) エリアで男性2人、女性2人が殺されたとか。あちこちで、暴行がおこなわれているもようです。インドからは応援のデモ隊がチベットに向かっているそうです。インド警察が押しとどめようとしていますが、おしとどめらるか。ああ、私の不注意で、怖がらせてしまって、友人はラインオフです。

■中国外務省の秦剛報道官は13日の会見で、「少数の僧侶が社会動乱を起こそうと企てた。これはダライ・ラマ派の集団がチベット分裂をたくらみ、チベット人民の正常で調和ある平和な生活を破壊しようとした政治的陰謀。目下、政府と寺院民主管理委員会のおかげで沈静化している」と説明していましたが、ぜんぜん沈静化していない!


■これは中国当局の大失態です。こんな体たらくで、本当に五輪を開催するつもりなのでしょうか。デモくらいやらせてあげればいいのです。報道では、さも五輪反対がお坊さんたちの抗議活動の目的のように伝えられていますが、僧侶の願いは、政治犯として拘束されている僧侶の釈放です。この数年に急激に締め付けが厳しくなった宗教の自由です。ダライ・ラマ14世が求めるのは独立でなくて自治だ、と譲歩を見せているのに、中国側が強硬手段をとるので、ダライ・ラマ猊下のやり方は生ぬるい!と思っている一部若い僧侶が「チベット独立!!」といいうスローガンを唱えてしまうのです。

■独立が現実的に無理なのは、多くのお坊さんも認識しているのです。本当は中国がちょっと譲歩し、自治と宗教の自由、そしてチベット文化への尊重をもてば、話し合いの余地が生まれる関係なんです。実際、昨年はダライ・ラマ14世の密使が、私の聞くかぎりでも2度訪中しているはずです。

■なのに、中国側は僧侶に公然と暴力を振るいました。坊さんに暴力を振るうことが、どれほど信仰深い人々の怒りを買うか、国際社会から軽蔑されるか、わかっていない、まさか?まさか、中国の指導者ってそんなにあほなのか〜?本当に五輪を無事開きたいなら、この局面で絶対暴力をふるってはならなかったのです。

■胡錦濤国家主席は、すぐダライ・ラマ14世に事態の収拾を助けてもらうよう、丁重に頼むべきです。でないと、血の気の多いチベット族の若い僧侶は抑えられない。宗教に生きる民族を抑えることができるのは宗教指導者だけなのです。万が一でも、解放軍の武力で鎮圧なんてことになったら、五輪はあきらめなければならない。

■15日はポタラ宮近くのRamucheという修道院のリノベーションという特別な日らしい。何かがおこるのか?事態は深刻を極めています。

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