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ソウル「南大門」楼閣が全焼・ほぼ崩壊、放火の疑い(読売新聞)
【ソウル=平野真一】10日夜に出火したソウル市中心部の観光名所、南大門(正式名称「崇礼門」)は約5時間後の11日未明、木造2階建て延べ約177平方メートルの楼閣が全焼、石組みの土台を残してほぼ全面的に崩壊した。
朝鮮王朝時代の1398年に完成し、ソウルに現存する最古の木造建造物として国宝第1号に指定されていた南大門の焼失に、国民は強い衝撃を受けている。
一方、警察当局は、出火直後に立ち入り禁止となっている楼閣から出てきた不審な人物が目撃されていることから、放火の疑いが強いと見て捜査している。
火災は楼閣2階の瓦屋根の内側から発生したと推定されている。消防当局はポンプ車、はしご車など32台を出動させて消火に当たり、一時はほぼ鎮火したかに見えたが、屋根に残っていた火が楼閣に燃え広がり、門全体が炎と白煙に包まれた。11日午前1時過ぎ、屋根の一部が崩壊したのに続き、同2時前には楼閣の1、2階部分もほとんどが崩れ落ち、現場を遠巻きにしていた市民から悲鳴が上がった。
聯合ニュースによれば、消防当局が国宝を管理する文化財庁から、全焼を防ぐために建物の一部を壊す許可を取るのに約45分かかったことも、初期消火が遅れる原因となった。
2006年春に門の下の通路が一般に開放された後も、楼閣は立ち入り禁止となっていた。ただ、午後8時以降は無人警備システムがあるだけで、無断立ち入りをチェックする体制は取られていなかった。
(2008年2月11日07時09分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080211-OYT1T00163.htm