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「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針(平成19年改訂)」の策定について
平成19年12月26日
法務省入国管理局
法務省入国管理局では,平成11年2月に「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針」を策定し,この指針に従って研修・技能実習制度の適正化を図ってきましたが,不適正な研修・技能実習事案の増加など近年の研修・技能実習を巡る状況等を踏まえ,指針の内容を見直し,今般,「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針(平成19年改訂)」を策定しました。
新しく策定した指針,その概要等は次のとおりです。
- 1 -
【広報資料】
平成19年12月
入国管理局
「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針(平成19年改訂)」の策
定について
1 指針改訂の背景
研修・技能実習制度は,研修生や技能実習生への技術・技能移転を通じ,その国の経済発展
を担う人材育成を目的とする制度であり,平成18年の研修生の入国者は約9万3,000人,
技能実習生に移行した者は4万1,000人と過去最高となるなど,研修・技能実習制度は,
我が国に着実に定着してきている。
入国管理局では,この制度の運用に当たって,平成11年に「研修生及び技能実習生の入国
・在留管理に関する指針」を策定するなど適正な運用に努めてきたが,近年,研修生や技能実
習生を低賃金労働者として扱うなど,一部の受入れ機関により不適正な受入れが行われ,研修
生・技能実習生が被害者となる事案が増加している。
このような現状に対し,入国管理局では,実態調査を強化するなどして対処してきたが,一
層の適正化を図るため,今般,平成11年に策定した指針の内容を見直し,受入れ機関が留意
すべき事項などをより明確にするとともに,「不正行為」に該当する行為についても明確化を
図った。
2 指針の位置付け
研修・技能実習制度は,多くの法令や告示等により規定され運用されているが,これらの諸
規定は,研修生や技能実習生が入国・在留するための基準として定められているものであり,
実際に研修生や技能実習生を受け入れる団体,企業の側からみて,研修・技能実習を実施する
際に具体的に留意すべき事項やどのような行為が不適正な受入れにつながるのか等については
直接定められていない。
このため,入国管理局では,適正な研修や技能実習を実施するために,受入れ団体,企業は
どのような事項に留意すべきか,また,行ってはならない「不正行為」とはどのようなものか
などを理解し易いものとするよう,本指針を定めている。
3 指針の概要
(1) 受入れに際し,一般に留意しなければならない事項
@ 制度本来の趣旨を理解すること
研修生や技能実習生を受け入れようとする企業等は,何よりもこの制度の趣旨が,技術
等の移転を通じた国際貢献にあることを理解しなければならないことを明記(指針の第2
の3(1)A)。
A 不適切な方法による研修生・技能実習生の管理の禁止
- 2 -
旅券や外国人登録証明書を預かったり,宿舎からの外出を禁止したりするような不適正
な方法により研修生・技能実習生を管理してはならないことを明記(指針の第2の3(1)
H,(2)G,第3の2(2)A)。
B 研修手当,賃金の支払い
研修手当や賃金を確実に支払うこと。また,研修手当や賃金が振り込まれる口座の通帳
は,本人から要望があったとしても預るべきではないことを明記(指針の第2の3(1)I,
(2)H,第3の1(3)(4),2(2)A)。
(2) 商工会や事業協同組合などの第一次受入れ機関が,特に留意すべき事項
@ 研修実施体制の確保
第一次受入れ機関は,研修に対する監理を十分に行い,監査・報告を的確に行うことが
できる体制と規模を組織として備えていなければならないことを明記(指針の第2の3(1)
N)。
A 受入れ機関以外の機関が介在し,実質的に研修の監理を行うことの禁止
商工会・中小企業団体等の機関が名目のみ研修の受入れ機関となり,実質的には他の機
関が研修を「監理」することは,研修告示の要件を満たさないことを明記(指針の第2の
3(1)K)。
B 監査の実効性の向上
第一次受入れ機関が行う監査の際には,研修生から直接話を聞いたり,その場で研修日
誌を確認するなど監査の実効性を高めることを明記(指針の第2の3(1)K)。
C 管理費を適正に取り扱うこと
第一次受入れ機関が第二次受入れ機関から徴収する管理費は,実際の負担額を勘案し適
正な額でなければならないこと,また,送出し機関に対する管理費を研修生から徴収する
ことはあってはならないことを明記(指針の第2の3(1)J)。
(3) 送出し機関との関係において,特に留意すべき事項
@ 研修生の適正な選抜
研修生を選抜する際は,送出し機関と十分に打ち合わせ,研修生本人が研修・技能実習
制度を理解しているかを確認した上で選抜することが効果的な研修につながることを明記
(指針の第2の3(1)E,(3)@)。
A 保証金の取扱い
送出し機関が不当に高額な保証金を徴収している場合には,その送出し機関を介しての
受入れを取りやめる等の対応をすべきことを明記(指針の第2の3(3)C)。
(4) 研修や技能実習を継続出来なくなった場合の措置
受入れ機関,実習実施機関が倒産や「不正行為」の認定を受けるなどにより研修や技能実
習を継続できなくなった場合であっても,研修生や技能実習生が,適正に研修や技能実習を
実施する体制を有している他の機関に受け入れられるときは,研修や技能実習の継続が認め
られることを明記した(指針の第2の3(5),第3の2(4),第5の3(2))。
(5) 「不正行為」
「不正行為」とは,研修や技能実習の適正な実施を阻害する行為であり,「不正行為」を
行ったと認定された企業等は,法務省令の規定に基づき,その後3年間は,研修生の受入れ
- 3 -
を行うことができない。
いかなる行為が「不正行為」に当たるかについて,受入れ機関等の関係者の理解が更に深
まるよう,不正行為の各類型に具体例を盛り込むとともに,いくつかの類型については細分
類を設けるなど,不正行為認定の対象となる行為を明確化した(指針の第5の2)。
別添「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針(平成19年改訂)」
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研修生及び技能実習生の
入国・在留管理に関する指針
(平成19年改訂)
平成19年12月
法務省入国管理局
− T −
目次
第1 はじめに…………………………………………………………………………1
1 指針改訂の意義…………………………………………………………………1
(1) 研修・技能実習制度の現状………………………………………………1
(2) 問題事例の存在………………………………………………………………1
@ 「不正行為」を行う機関の増加………………………………………2
A 失踪者・不法残留者の発生……………………………………………2
B 不適正事例への社会的批判の高まり…………………………………2
(3) 政府の対応……………………………………………………………………3
(4) 指針改訂の意義………………………………………………………………3
2 研修制度と技能実習制度に対する理解……………………………………4
(1) 研修制度の特徴………………………………………………………………4
(2) 技能実習制度の特徴…………………………………………………………4
第2 適正な研修の実施について…………………………………………………4
1 在留資格該当性…………………………………………………………………4
(1) 研修生を受け入れる体制の整備…………………………………………5
(2) 研修内容の確保………………………………………………………………5
(3) 研修手当………………………………………………………………………5
2 基準適合性………………………………………………………………………6
(1) 研修生の保険加入義務………………………………………………………6
(2) 営利目的であっせんを行う機関が介在していないこと……………6
3 適正な入国・在留のための留意点…………………………………………7
(1) 第一次受入れ機関の役割…………………………………………………7
@ 「監理」の在り方…………………………………………………………7
A 研修・技能実習制度の趣旨の周知……………………………………8
B 非実務研修…………………………………………………………………8
a 非実務研修の重要性の認識,実施…………………………………8
b 日本語教育の重要性…………………………………………………9
c 非実務研修の時間数,時期…………………………………………9
C 生活指導員の育成………………………………………………………10
− U −
D 研修指導員の育成………………………………………………………10
E 適正な研修生の選抜……………………………………………………11
F 受入れ機関における不法就労の排除………………………………11
G 事前研修の実施…………………………………………………………12
H 不適切な方法による研修生の管理の禁止…………………………12
I 研修手当の支払い………………………………………………………12
J 管理費の適正な取扱い…………………………………………………13
K 監査・報告の在り方……………………………………………………13
a 監査・報告の必要性…………………………………………………13
b 監査報告………………………………………………………………13
c 問題事例等の報告……………………………………………………14
L 失踪事例の取扱い………………………………………………………14
M 帰国後の修得技術等の活用状況に関するフォローアップ……14
N 体制の確保………………………………………………………………15
(2) 第二次受入れ機関の役割…………………………………………………15
@ 研修計画に従った研修の実施…………………………………………16
A 非実務研修の重要性の認識と実施…………………………………16
B 研修生に対する生活指導………………………………………………16
C 生活指導員の在り方……………………………………………………16
D 研修指導員の在り方……………………………………………………17
E 適正な研修生の選抜……………………………………………………17
F 研修生のリーダー………………………………………………………17
G 不適切な方法による研修生の管理の禁止…………………………18
H 研修手当の支払い………………………………………………………18
I 問題事例の報告,失踪事例の取扱い………………………………18
(3) 送出し機関の役割…………………………………………………………19
@ 適正な研修生の選抜……………………………………………………19
A 我が国の研修・技能実習制度に対する認識………………………19
B 十分な事前研修の実施…………………………………………………19
C 保証金等の適正化………………………………………………………19
D 帰国後の修得技術等の活用状況に関するフォローアップ……20
− V −
(4) 研修生の適格性……………………………………………………………20
(5) 倒産等により研修が継続できなくなった場合の取扱い…………20
第3 適正な技能実習の実施について……………………………………………21
1 技能実習制度についての理解,技能実習告示の遵守…………………21
(1) 研修生との明確な区別……………………………………………………21
(2) 実習実施機関による責任ある技能実習の実施………………………21
(3) 労働関係法規の遵守………………………………………………………22
(4) 賃金の支払い………………………………………………………………22
2 適正な在留のための留意点…………………………………………………23
(1) 第一次受入れ機関の役割…………………………………………………23
@ 技能実習生の生活面でのフォローアップ…………………………23
A 地方入国管理局等からの指導の徹底………………………………23
B 実習実施機関への意識の徹底…………………………………………23
C 実習実施機関における不法就労の排除の指導……………………24
(2) 実習実施機関の役割………………………………………………………24
@ 技能実習の適正化のための方策の実施……………………………24
A 不適切な方法による技能実習生の管理の禁止……………………24
B 失踪事例の取扱い………………………………………………………24
C 修得技術等の認定………………………………………………………25
(3) 技能実習生の適格性………………………………………………………25
(4) 倒産等により技能実習が継続できなくなった場合の取扱い……25
第4 実態調査の実施………………………………………………………………25
第5 不正行為…………………………………………………………………………26
1 基本的考え方……………………………………………………………………26
2「不正行為」の具体的内容……………………………………………………26
(1) 第1類型………………………………………………………………………26
@ 二重契約……………………………………………………………………26
A 研修・技能実習計画との齟齬…………………………………………27
− W −
B 名義貸し……………………………………………………………………27
C その他虚偽文書の作成・行使…………………………………………28
(2) 第2類型(研修生の所定時間外作業) ………………………………28
(3) 第3類型………………………………………………………………………29
@ 暴行・監禁等……………………………………………………………29
A 旅券・外国人登録証明書の取上げ…………………………………29
B 研修手当,賃金の不払い………………………………………………29
C その他人権侵害行為……………………………………………………29
(4) 第4類型………………………………………………………………………29
@ 報告義務違反……………………………………………………………29
A 監査未実施………………………………………………………………29
B 失踪者の多発……………………………………………………………29
(5) 第5類型………………………………………………………………………30
@ 不法就労者の雇用………………………………………………………30
A 労働関係法規違反………………………………………………………30
B その他外国人の就労に係る不正な行為……………………………31
(6) 第6類型(再度の不正行為に準ずる行為) …………………………31
3 「不正行為」に当たると判断された場合の措置………………………31
(1) 新規研修生・技能実習生の受入れ停止………………………………31
(2) 在留する研修生・技能実習生に対する措置…………………………31
(3) 改善措置の提出……………………………………………………………32
4 不正行為に準ずる行為………………………………………………………32
(1) 第1類型(研修・技能実習計画との相違) …………………………33
(2) 第2類型(研修生の所定時間外作業) ………………………………33
(3) 第3類型(権利侵害) ……………………………………………………33
(4) 第4類型(失踪者の多発) ………………………………………………33
(5) 第5類型(監理責任等) …………………………………………………33
第6 JITCOの活用……………………………………………………………34
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研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針(平成19年改訂)
第1 はじめに
1 指針改訂の意義
(1) 研修・技能実習制度の現状
研修・技能実習制度は,平成元年の入管法改正により在留資格「研
修」が設けられた後,平成5年に技能実習の制度が設けられ,平成9
年には,その滞在期間が2年とされ(「研修」での滞在期間と併せて
最長3年間),現在の形となりました。
この制度は,我が国で開発され培われた技術・技能・知識(以下,
「技術等」といいます。)の開発途上国等への移転を図り,当該開発
途上国等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として
創設され,平成18年の在留資格「研修」の新規入国者数は初めて9
万人を超え,技能実習への移行者数も4万人を超えるなど,年々定着
してきています。
この間,平成11年2月に,それまでの運用などを踏まえて「研修
生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針」( 以下,「旧指
針」といいます。)を公表し,この旧指針に従って受入れ機関を指導
するなどして,研修・技能実習制度の適正化を図ってきましたが,旧
指針策定から8年を経過し,研修・技能実習を巡る状況は大きく変化
しています。平成11年の在留資格「研修」の新規入国者数,技能実
習への移行者数は,それぞれ,4万7,985人,1万1,032人
であったのに対し,平成18年には,それぞれ,9万2,846人,
4万1,000人と大きく増加しました。また,この間,技能実習移
行対象職種も55職種(平成11年4月)から,現在の62職種(平
成17年4月)に増加し,この制度を利用できる機関が広がりました。
このように,制度の利用が広がっていますが,次に述べるような問
題事例が発生しており,制度運用上看過できない状況にあります。
(2) 問題事例の存在
研修・技能実習制度の目的は,技術等の移転を通じた国際貢献にあ
りますが,研修生・技能実習生を受け入れている機関の中には,この
趣旨を理解せず,研修生や技能実習生を安価な労働力として受け入れ
- 2 -
る機関が存在し,このような受入れが様々な問題を引き起こしていま
す。不適正な受入れの問題は平成11年の旧指針策定時にも指摘され
ていましたが,以下のとおり,近年,その問題が顕著になり,中には
研修生や技能実習生の人権が侵害されている事例も報告されるなど,
制度の運用上,看過できない状況となっています。
@ 「不正行為」を行う機関の増加
「不正行為」に認定した機関数は,取りまとめを開始した平成1
5年には92機関でしたが,平成18年には229機関と過去最高
に達しました。このうち,研修生に「所定時間外作業」を行わせて
いた機関が69機関,労働関係法規に違反して技能実習生を雇用し
ていた機関が37機関認定されています。
また,組合,傘下機関ぐるみで研修生の「名義貸し」を行ったり,
ペーパーカンパニーを設立して研修生を受け入れていた事案など,
当初から研修・技能実習制度を潜脱した受入れを行っていたと認め
られる機関もあります。
A 失踪者・不法残留者の発生
研修生及び技能実習生は本邦の受入れ機関において研修・技能実
習を行うことになっていますが,中には受入れ機関から失踪する事
例があります。
研修生・技能実習生の失踪者数は,平成11年は513人であっ
たのに対し,平成15年には2,304人と,初めて2,000人
を超え,平成18年も2,201人と高水準にあります。
また,失踪者の中には在留期限を経過した後も引き続き本邦に不
法に残留するものもおり,平成19年1月1日現在で3,333人
の(元)研修生が在留期間を超えて不法に残留しています。旧指針
策定当時の(元)研修生の不法残留者数は,平成11年1月1日の
時点で3,115人であり,この間,不法残留者数全体が減少する
中にあって,(元)研修生の不法残留者数は,以前と同じ水準にあ
り,不法残留者全体に占める割合は,約1.1%から約2.0%に
増加しています。
B 不適正事例への社会的批判の高まり
研修生・技能実習生を受け入れている機関の中には,他人名義の
- 3 -
旅券を使用させて「研修生」として入国させ稼働させていた機関や,
研修生に月100時間を超える所定時間外作業を行わせていた機関
があるほか,劣悪な環境の宿舎に居住させたり,旅券等を強制的に
取り上げる等の研修生・技能実習生の人権侵害に至るような事例も
指摘されています。また,研修生が受入れ機関の職員を殺害すると
いう,不幸な事件も発生し,新聞等で大きく報道されるなど,制度
の不適正な運用に対する社会的な批判も高まっています。
(3) 政府の対応
上記のような問題点に対し,近年,政府は次のような方針を示すな
どしました。
@ 各省の副大臣等によって平成18年3月に設置された「外国人労
働者問題に関するプロジェクトチーム」は,同年6月22日に「外
国人労働者の受入れを巡る考え方のとりまとめ」を提言しており,
この中で,現状の研修・技能実習の問題点に関し,特に団体監理型
研修(商工会や中小企業団体等の団体が研修を監理する受入れの形
態)において,制度本来の目的を離れ低賃金・単純労働者の受入れ
となっている実態や,一部の受入れ機関や実習実施機関において人
権侵害や労働基準法違反の問題が生じていることが指摘されていま
す。
A 平成19年6月22日に「規制改革推進のための3か年計画」が
閣議決定され,外国人研修・技能実習制度に係る法令の整備につい
て,「実務研修中の法的保護の在り方」,「技能実習生に係る在留資
格の整備」,「法令以外の規定に基づく規制等の見直し」の各項目
について,遅くとも平成21年通常国会までに関係法案を提出する
ことなどとされています。
(4) 指針改訂の意義
入国管理局では,平成11年に旧指針を策定し,これに従った制度
の適正な運用を求めてきたほか,平成17年3月に策定した「第三次
出入国管理基本計画」においても「制度の趣旨にのっとった運用の適
正化を図る」とし,受入れ機関に対する実態調査を強化するなどして
きました。
しかしながら, 上記(2)のような問題事例は依然として存在し,こ
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れに対し喫緊の対応が求められていることや,上記(3)のような指摘
を踏まえ,先ず,現行の運用の適正化を図るため旧指針の内容を見直
すこととし,適正な研修・技能実習を実施するための受入れ機関,送
出し機関それぞれの留意点を明らかにするとともに,「不正行為」に
該当する行為についても明確化を図ることとしました。
2 研修制度と技能実習制度に対する理解
研修制度と技能実習制度は,一連の制度として本邦において技術等を
修得し,開発途上国等の人材育成に貢献するという共通の目的を持って
いますが,他方,活動内容が異なること等別個の性格を持つ制度である
という面もありますので,両制度の共通点,相違点を十分認識した上で
活用しなければいけません。
(1) 研修制度の特徴
研修生は留学生などと同じく,技術等を「学ぶ」ことを目的として
在留する者であり,労働をするために在留する者ではありません。
したがって,効果的に技術等を修得できるよう,実務研修以外に,
座学と呼ばれる日本語学習や安全衛生等の非実務研修の実施が要件と
して定められています。
(2) 技能実習制度の特徴
研修制度は「学習」の一環として技術等を修得する制度であるのに
対し,技能実習制度は,研修により一定水準以上の技術等を修得した
者が,技能実習生として実習を行う機関との間で雇用契約を締結し,
生産現場での労働を通じてより実践的な技術等を修得する制度です。
第2 適正な研修の実施について
1 在留資格該当性
研修は,入管法で「本邦の公私の機関に受け入れられて行う技術,技
能又は知識の修得をする活動」と定められています。この要件に該当す
ることを「在留資格該当性」といいます。
研修は「修得する活動」と定められているように,研修生は技術等を
学ぶ者であって,留学生などと変わらない立場にあるということを,研
修に関わる誰もが認識することが大切です。この認識を持ち,研修生を
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所定時間外や休日などに労働に当たる活動に従事させないこと等を厳守
願います。この認識がない場合や不十分な場合には制度の趣旨に反した
受入れを招き,結果として,その団体や企業は研修生の受入れを行うこ
とができないことになりかねません。
具体的には,次のような点に留意する必要があります。
(1) 研修生を受け入れる体制の整備
外国人研修生を受け入れる公私の機関は,研修生が技術等を修得す
るのに十分な体制を整えていること,すなわち,自らの指導の下に研
修を実施することができる体制を整えていることが必要です。具体的
には,研修事業を適正かつ継続・安定的に実施するための財政基盤,
設備及び研修指導員等が十分に確保されていなければなりません。
この点に関し,受入れ機関の「常勤の職員」の中に,常勤の役員を
除くと技能実習生以外に従業員がおらず,技能実習生が従業員の全て
を占めるような場合等は,研修実施体制が整備されているとは認めら
れないことがあります。
(2) 研修内容の確保
研修生が修得する技術等は,それが開発途上国等への技術移転を目
的とする「研修」を受ける活動としてふさわしいものである必要があ
ります。既に研修生本人が身につけている技術等や,本邦から移転す
べき程度以下のものであっては,在留資格に該当しないことになりま
す。
研修を受ける活動については上陸許可の基準を定めた「出入国管理
及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」( 以下,
「基準省令」といいます。)に定められています。
(3) 研修手当
在留資格「研修」は,就労を目的としない資格として定められてお
り,研修生は労働者ではありません。研修生は報酬を受ける活動はで
きませんし,受入れ機関が研修生に報酬を支払うこともできません。
したがって,研修生を労働者として受け入れるようなことがあっては
いけません。
研修生に対し,我が国での生活に要する実費を弁償するものとして
研修手当を支給することは差し支えありませんが,この場合でも,例
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えば,研修手当を研修成果等により増減することは,生活費の実費弁
償という研修手当の趣旨から認められません。
2 基準適合性
研修については,上記のとおり,その活動内容は入管法で在留資格と
して定められていますが,受入れのための基準が基準省令で詳細に定め
られており,この基準に適合することを「基準適合性」といいます。
したがって,研修制度について正しく理解し,技術等を教える体制を
整えることが必要であるとともに,研修制度を適切に活用するためには,
基準省令で定められている各基準を満たした上で研修生の受入れを行う
ことも必要です。
研修の基準は1号から9号まで規定されており,いずれの基準も満た
していなければ当該研修生は入国することができません。
1号から3号は主に研修生本人に係る基準であり,4号から9号は主
に受入れ機関の研修実施体制に係る基準です。
以下の2点についても基準として定められており,これらを満たさな
い場合は,基準省令に適合しないものとして研修生を受け入れることが
できないことに留意してください。
(1) 研修生の保険加入義務
研修生が実務研修を受ける場合は,研修生が研修中に死亡したり負
傷したり等した場合のための保障措置を講じなければなりません。
これは,研修生は労働者ではないため労災保険が適用されないのに,
実務研修は,外形的には受入れ機関の従業員と同様の作業に従事する
もので,作業に伴う危険も大きいため,研修生の死亡や負傷等に対す
る保障措置を講じなければならないとする基準が設けられたものです。
(2) 営利目的であっせんを行う機関が介在していないこと
研修の実施に関し,「あっせん」を行う機関がある場合は,その機
関の行う「あっせん」が「営利を目的」とするものではないこととす
る基準が設けられています。
研修・技能実習制度は,開発途上国等への技術移転という国際貢献
を目的とする制度であり,労働者を受け入れるための制度ではありま
せん。したがって,労働者を派遣する事業のように,研修生と受入れ
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機関との間に「営利目的」で介在する機関があることは,国際貢献を
目的とした研修生の受入れという制度の趣旨に反するものであり,認
められません。
なお,第一次受入れ機関であっても,第二次受入れ機関と研修生と
の間に入って,交渉や話し合いを取り持つ行為は「あっせん」に当た
り,この「あっせん」が「営利目的」で行われた場合は,基準省令に
適合しないこととなります。
例えば,第一次受入れ機関が組合員の企業に対し,研修生を仲介す
る際に実費を上回る仲介料を徴収し,自己の利益を図るような場合で
す。
3 適正な入国・在留のための留意点
上記「在留資格該当性」,「基準適合性」を満たしている場合に, 初
めて,研修生を受け入れることができますが,受け入れた後も,受入れ
機関,送出し機関,研修生がお互い協力し合って適正な内容の研修を行
うことが必要です。
ここでは,基準省令の特例を定める告示(以下,「研修告示」といい
ます。)による基準の緩和を受け,商工会や中小企業団体等の団体が研
修を監理することにより研修生の受入れを行う場合( 団体監理型の研
修)の商工会や中小企業団体などを「第一次受入れ機関」,その第一次
受入れ機関の下で主に実務研修を行う企業等を「第二次受入れ機関」と
し,研修生を派遣する海外の機関を「送出し機関」として説明します。
また, 企業が直接研修生を受け入れる場合( 企業単独型の研修) は,
「第二次受入れ機関」についての説明に従ってください。
(1) 第一次受入れ機関の役割
@ 「監理」の在り方
研修告示上,第一次受入れ機関は当該研修を「監理すること」が
要件とされています。
研修告示は,海外企業との資本関係や取引関係を有しないため,
直接研修生を受け入れることができない中小の企業等について,研
修生を受け入れることによる国際貢献の途を開くために,基準省令
の例外による受入れを認めたものであり,商工会,中小企業団体等
- 8 -
の一定の公的性格を有する第一次受入れ機関が研修の実施を「監
理」することにより,中小の企業等第二次受入れ機関の研修実施能
力を補完して,適正な研修を実施するものです。
したがって,研修告示上,「監理」は第一次受入れ機関が行うこ
とが予定されているのであり,名目のみ公的性格を有する機関が第
一次受入れ機関となり,「監理」は他の機関が行うような場合は,
当該研修は第一次受入れ機関の「監理」の下に行われているとは認
められず,研修告示の要件を満たさない不適正な受入れともなりま
す。
A 研修・技能実習制度の趣旨の周知
第一次受入れ機関は, 研修・技能実習制度の趣旨が,「人づく
り」という国際協力,国際貢献にあることを,第二次受入れ機関や
研修生の送出し機関に周知して,研修生や技能実習生を安価な労働
力と考えている第二次受入れ機関や,研修生を労働者として募集し,
その研修生を送り出すような送出し機関が研修・技能実習制度に参
入することを防がなければなりません。そのような第二次受入れ機
関や,本国の送出し機関がこの制度に参入すると,結果として,稼
働を目的とする研修生が入国したり,真摯に研修を受けようとして
入国した研修生が,単純労働に従事させられるような事態を引き起
こしかねません。
最近,第一次受入れ機関の中には,研修生の受入れが,労働力不
足の解消につながるなどと広告して,第二次受入れ機関を「募集」
するような団体がありますが,このような「募集」は,本制度の趣
旨に照らし不適正な「募集」といえます。
B 非実務研修
a 非実務研修の重要性の認識,実施
非実務研修には,日本語教育を行うこと,研修を実施する上で
の安全衛生上の留意点を教えること,我が国における生活上の留
意点を教えること等が含まれ,基準省令により,研修期間全体の
3分の1以上行うこととされています(一定の要件のもとに,こ
の割合は緩和されます。)。
このように非実務研修の実施が義務付けられている理由は,研
- 9 -
修生が効果的で安全な研修を受けるため,さらにはそれを支える
日常生活を円滑に送ることができるようにするためです。
第一次受入れ機関は,研修を「監理」しなければなりませんが,
その監理の一環として,非実務研修の重要な部分を,研修生全員
に対して実効ある方法で行うことが望まれます。
最も重要な非実務研修は次項に掲げるように日本語教育ですが,
安全衛生や我が国の生活習慣についての教育も同様に重要であり,
それぞれ安全な研修,安定した生活を行うために必要不可欠な知
識です。
また,非実務研修を実施した場合は,その実施状況を研修日誌
に記録してください。研修日誌を作成することにより,研修計画
の達成の度合いを確認したり,達成状況に応じて指導内容を変え
るなどの対応を行うことができます。
b 日本語教育の重要性
研修活動の主な目的は,第二次受入れ機関が有する技術等を研
修生に修得させることであり,研修が行われる現場においては,
日本語によるコミュニケーションが行われるのが通常ですから,
受入れ機関において効果的な研修を安全に行うためには日本語教
育を充実させる必要があります。
また,研修生は我が国で生活するわけですから,研修の基盤と
なる日常生活を円滑に送るためにも日本語教育は必要です。入国
当初の時点で学習させ,研修生が研修の遂行や日常生活に不自由
しないレベルに達することを目標とすることが望まれます。
したがって,第一次受入れ機関では,そのための十分な体制と
研修計画を整えなければなりません。
c 非実務研修の時間数,時期
第一次受入れ機関が行う非実務研修の時間数については,1か
月,160時間程度を行うことが目安となります。また,時期に
ついては,研修生が入国した当初が主になりますが,研修期間の
途中や最後の段階で行うことも研修成果の確認,総括のためには
効果的です。
非実務研修を研修計画どおりに実施しなかった場合,例えば,
- 10 -
第一次受入れ機関が,1か月間の非実務研修を実施するとしなが
ら,それを短縮して実施したような場合は,後で述べる「不正行
為」や「不正行為に準ずる行為」認定の対象となります。
C 生活指導員の育成
研修生の生活指導・管理を直接行うのは第二次受入れ機関の生活
指導員ですが,第一次受入れ機関は,生活指導員が適切な指導を行
うことができるよう,生活指導上の留意点等のノウハウを蓄積し,
それを生活指導員に周知させることが必要です。説明会等の開催,
ガイドブックの配布等を行い,実効性のあるものとすることが大切
です。
また,生活指導員の育成を実効性のあるものにするためにも,第
二次受入れ機関における研修生の生活の実態がどのようなものか,
第二次受入れ機関はどのように生活指導を行っているかについて,
随時巡回等により把握することが必要です。
この指導と実態の把握の双方を行うことによって研修生の生活が
円満なものとなると考えられますので,第一次受入れ機関ではその
ための体制を整える必要があります。
D 研修指導員の育成
直接に研修生に対する技術等の指導,安全衛生管理を行うのは第
二次受入れ機関の研修指導員ですが,生活指導員の場合と同様,第
一次受入れ機関は研修指導員が適切な指導を行うことができるよう,
安全衛生管理上の留意点等のノウハウを蓄積し,それを研修指導員
に周知させることが必要です。生活指導員の場合と同様に,説明会
等の開催,ガイドブックの配布等を行い,実効性のあるものとする
ことが大切です。
また,安全衛生管理が適正に行われることを確実にするためにも,
第二次受入れ機関における研修実態を確認するため,随時巡回によ
る指導を行ったり,第二次受入れ機関や研修生に対しアンケート調
査を行うことによりその実態を把握することが必要です。
指導と実態の把握の双方を行うことによって研修生の研修中にお
ける事故の発生を防止することができます。
万一事故が起こった際に的確に対応するため,第一次受入れ機関
- 11 -
ではそのための体制を整える必要があります。
E 適正な研修生の選抜
研修を適正に行うためには,受入れ機関が研修・技能実習制度に
対する理解を深め,効果的に技術等を修得し得る研修計画を定めた
り,研修指導員を選抜するなどの研修生の受入れ体制を整えること
が極めて重要なことはいうまでもありません。
これと同時に,研修制度を理解し,研修に対する意欲を持った研
修生を受け入れることも重要です。したがって,研修生の選抜を送
出し機関にまかせることなく,研修生選抜の方法や,研修生の条件,
事前の説明事項などについて,送出し機関と十分に打ち合わせると
ともに,研修を受けようとする者が研修・技能実習制度を理解して
いるかを確認した上で選抜を行うことが,研修意欲のある研修生の
受入れにつながり,さらに効果的な研修の実施にもつながります。
受入れ機関が具体的に確認する資料としては,送出し機関と研修
生との間にどのような契約が結ばれているか,送出し機関はどのよ
うにして研修生を募集しているか,その際の研修生の条件としてど
のような事項を挙げているか,また,本制度の趣旨をどのような方
法で研修生に正しく伝えているかなどです。
F 受入れ機関における不法就労の排除
企業が不法就労外国人を雇用することは入管法違反となりますが,
特に研修生を受け入れている企業においては不法就労者を排除する
ことが重要です。不法就労者を雇用している企業は,外国人を低賃
金で雇用するなど安価な労働力として使用するほか,出入国管理関
係の法令を遵守していないものであることから, 本邦で技術等を
「修得する」ために来日している研修生に対して適正な研修を行う
ことができる機関とは認められません。
第一次受入れ機関は,このことを第二次受入れ機関に徹底すると
ともに,不法就労者を雇用している場合には不法就労助長罪(入管
法第73条の2)に当たり処罰されることがあることをよく周知す
る必要があります。
また,不法就労者を雇用した場合には,後で述べる「不正行為」
認定の対象にもなります。
- 12 -
G 事前研修の実施
研修生の入国前に,本国で事前研修を行うことは,我が国におけ
る研修を円滑に行うために効果があると考えます。我が国における
第二次受入れ機関の負担を軽減するためにも,本国における事前研
修を勧奨し,あるいは第一次受入れ機関が自ら行うことが望ましい
ものです。
事前研修を行う場合は,日本語教育,生活指導,研修に関するガ
イダンス等を主な内容とし,期間は研修計画等によっても異なりま
すが,1か月以上行うのが効果的であると考えます。
H 不適切な方法による研修生の管理の禁止
受入れ機関が,研修生の失踪等問題事例の発生の防止を口実とし
て,研修生に対し宿舎からの外出を禁止したり,研修生の旅券や外
国人登録証明書を預かったりしてはいけません。外出を禁止するこ
とは人権侵害につながりかねず,また,旅券や外国人登録証明書は
法令上携帯義務が課せられているので,法令違反に問われることに
もなりかねません。
仮に,研修生から保管して欲しい旨の要望があったとしても,預
かるべきではありません。
また, 実際に法令違反に問われなくとも, 後で述べる「不正行
為」認定の対象となります。
I 研修手当の支払い
研修手当は,研修生の生活上必要な実費として支払われるもので
すから,入国及び在留諸申請の際に提出した研修生の処遇の概要に
ついての書面に記載された支給者が,研修生に,直接かつ確実に支
払わなければなりません。
研修手当を銀行などへの振込み払いとするような場合に,研修生
の通帳を預かることは,研修手当を受入れ機関が管理していること
につながりかねないものであり,研修生から要望があったとしても,
預かるべきではありません。
また,「管理費」等の名目で研修手当から差し引くことはあって
はならないことであり,このような場合は,後述の「不正行為」に
認定されることにもなります。
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J 管理費の適正な取扱い
第一次受入れ機関の多くが,日本語研修等の非実務研修の実施に
要する会場費等の費用や監査の実施に要する交通費などを,管理費
として第二次受入れ機関から徴収していますが,この費用は実際の
負担額を勘案し,適正な額でなければなりません。また,徴収する
場合は,第二次受入れ機関から直接徴収し,研修生に支払うべき研
修手当から控除することなどはあってはなりません。
また,送出し機関に対する管理費の支払いについても,受入れに
係る協定書等を交わしている第一次受入れ機関から支払うべきであ
り,間違っても,研修生から徴収することがあってはなりません。
K 監査・報告の在り方
a 監査・報告の必要性
第一次受入れ機関は,第二次受入れ機関に対して指導した事項
及び第二次受入れ機関が研修計画どおりに適正に研修を行ってい
るかについて監査し,それを地方入国管理局又は地方入国管理局
支局( 以下,「地方入国管理局等」といいます。) に報告する義
務のあることが研修告示に定められています。
これは,研修実施主体である第一次受入れ機関が,第二次受入
れ機関と一体となって適正な研修を行っているかを確認するため
のものであり,また,実際の研修の状況を把握することは問題発
生の未然防止にもつながるものです。
なお,研修告示で定められた監査報告以外にも,失踪等の問題
事例や不適正な研修内容,あるいはその疑いのあるもの等が発生
したときは,速やかに地方入国管理局等に報告することが必要で
す。これらを怠った場合や,報告の内容と実際に行われた研修と
が相違していた場合には,「不正行為」や「不正行為に準ずる行
為」認定の対象となります。
以下,監査と報告の在り方を具体的に示します。
b 監査報告
第一次受入れ機関は3か月につき少なくとも1回,各第二次受
入れ機関に対し監査を行い,その結果を地方入国管理局等の長に
対して報告しなければならないものとされていますが,新規に研
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修生を受け入れる第一次受入れ機関及び不正行為があったと認定
され3年間の研修生の受入れを停止された後初めて研修生を受け
入れる第一次受入れ機関は,最初の6か月間は毎月監査を行い,
その結果を報告してください。
監査報告を行う場合は,監査の結果を記載するほか,研修日誌
の写しを添付しなければなりません。
監査を行うに当たっては,現地に赴き研修生の研修状況を直接
確認することが肝要です。その際,研修指導員などの担当者から
状況を聴くだけでは,実際の研修が研修計画どおりに行われてい
るかどうか十分に把握することはできません。通訳を同行させて,
指導を受ける研修生から研修の進捗状況を聴取したり,その場で
研修日誌の記載内容を確認する等して,研修の進行状況を把握す
ることが大切です。
c 問題事例等の報告
失踪等の問題事例やその疑いのある事案が発生した場合は,直
ちに地方入国管理局等に報告してください。
事案の内容によっては地方入国管理局等で対応する必要がある
ものもあるので,早急な報告が必要です。
L 失踪事例の取扱い
研修生の失踪が発生した場合には,地方入国管理局等へ報告を行
った上で,他の研修生・技能実習生,本国の家族等に問い合わせる
こと等により,失踪者の所在(就労先等)の把握に努め,所在を確
認したときは,直ちに失踪の届出を行った地方入国管理局等及び失
踪者の所在地を管轄する地方入国管理局等に通報してください。
M 帰国後の修得技術等の活用状況に関するフォローアップ
第一次受入れ機関は,送出し機関と協力して,本邦で技術等を修
得した研修生・技能実習生が本国でそれを活用しているかどうかに
ついてのフォローアップを行う必要があります。これは,基準省令
で,研修生が修得した技術等が研修生の本国で活用されることが必
要とされているためであり,また,研修・技能実習制度の趣旨が技
術等を海外に移転するものであるということからも求められます。
具体的には,研修生が帰国後,本国において一定期間,我が国で学
- 15 -
んだ技術等を活用する業務に従事しているかどうかを確認すること
が必要です。
確認した活用状況は取りまとめておき,爾後の申請で入国管理局
から提出を求められた場合には,速やかに提出できるようにしてお
く必要があります。
なお,フォローアップに際し,所在を把握できない(元)研修生
・技能実習生の割合が高い場合は,送出し機関に対処を求めたり,
研修生の選抜をより厳格に行うなどしてください。また,改善が見
込まれないような場合は,送出し機関を変更するなどの対応が求め
られます。
N 体制の確保
第一次受入れ機関は,研修を適正に実施するために,本指針で示
したような監理を十分に行い,また監査・報告を的確に行うことが
できるような体制と規模を組織として備えることが必要です。
例えば,新たに設立された機関,初めて研修生を受け入れる機関,
組合員が多数の都道府県にわたって所在する機関などの場合には,
研修の適正な監理に困難を来すことも考えられます。特に,新たに
設立する機関は,一定期間の共同事業の実績もあり十分な事業体制
を構築した上で研修生受入れ事業を開始するなど,研修の監理を実
効あるものにする必要があります。
このような観点から,中小企業団体中央会では,新たに事業協同
組合を設立して外国人研修生受入れ事業を行おうとする場合には,
当該事業以外の,協同組合としての本来事業を少なくとも1年間以
上実施し,事業体としての基盤を構築した上で,外国人研修生受入
れ事業を行うように指導しています。
また,第一次受入れ機関の職員は,とりわけ,入国・在留の諸手
続,研修制度の趣旨,監理すべき事項について理解を深めることが
必要です。
さらに,研修生の受入れは,第一次受入れ機関の事業として行う
ものですから,定款,寄附行為等では外国人研修生の受入れを事業
として行う旨を明確にしておくことも必要です。
(2) 第二次受入れ機関の役割
- 16 -
第二次受入れ機関は,研修生に対し実際に技術等を修得させる立場
にあります。したがって,研修内容はもちろんのこと,研修生の生活
管理等にも細かく気を配り,研修が円滑に行われるようにする責務を
負います。
@ 研修計画に従った研修の実施
第二次受入れ機関は,当然のことながら研修計画に従って研修を
実施する必要があります。研修計画に従って研修を実施することに
より,研修生は技術等を修得することができ,「人づくり」という
制度本来の目的を達成することができます。
また,日々の研修実施状況は研修日誌に記録してください。研修
日誌を作成することにより,研修計画の達成の度合いを確認したり,
達成状況に応じて指導内容を変えるなどの対応を行うことができま
す。
A 非実務研修の重要性の認識と実施
非実務研修の必要性については上記(1)Bで述べたとおりですが,
第二次受入れ機関においても,研修計画に基づいて,基準省令上,
必要な非実務研修を行わなければいけません。
第一次受入れ機関では,主に日本語教育,生活習慣等の指導を行
いますが,第二次受入れ機関においても研修上・生活上必要な日本
語の教育や生活指導を行うとともに,より実践的な技術等に係る知
識や安全衛生教育等について指導してください。非実務研修は,研
修期間全体の3分の1以上行うことが必要であり,第一次受入れ機
関で非実務研修を行っている場合には,第二次受入れ機関はその時
間を差し引くことができます。
B 研修生に対する生活指導
研修生は技術等の修得を目的として入国していますが,研修を受
ける基盤となる日常生活を円滑に送るために我が国の生活習慣に慣
れ,また,我が国の生活ルールに従い,地域社会と共生することが
大切です。
C 生活指導員の在り方
研修生の生活指導を行う生活指導員は,最も研修生に近い立場で
生活を把握しており,研修生が円滑に生活できるようその果たす役
- 17 -
割は重要です。生活指導員は,我が国における生活上の留意点につ
いて指導するだけではなく,研修生の生活状況を把握したり,研修
生の相談に乗るなどして,問題の発生を未然に防止するよう努めな
ければなりません。
特に最近では生活上の悩みから失踪したり,研修生同士や受入れ
機関関係者との間で傷害事件等の問題を起こす研修生もみられ,生
活指導員の役割はますます重要性を増しています。
D 研修指導員の在り方
基準省令で研修指導員が研修生が修得する技術等について5年以
上の経験を持つこととされているのは,研修内容を充実させ,研修
生に対して十分に技術等を指導できるようにするためです。そのた
め,研修指導員自身の指導能力を向上させるとともに,異なる技術
では複数の指導員を配置し,研修生に具体的な目標を与え,成果を
チェックする等,より効果を高めるための工夫をすることも必要で
す。
また,技術等の指導と同時に,研修生に対し安全衛生に関する教
育を行い,研修の初期の段階の非実務研修の中で徹底するとともに,
日頃の研修指導の中でも最大限の配慮をする必要があります。
研修指導を行う際には,語学が重要なポイントとなります。その
ためにも非実務研修において研修生に日本語を学習させ,研修を円
滑に行うことができるようにすることが大切ですが,研修指導員も,
繰り返し,かつ,分かりやすく説明するなど綿密な指導を行い,研
修生を萎縮させることのないようにしなければなりません。また,
実務研修中の安全を図るため安全用語や専門用語については,特に
指導を徹底することが必要です。
E 適正な研修生の選抜
第二次受入れ機関においても,研修制度の理解,研修に対する意
欲などについて適格性のある研修生を第一次受入れ機関及び送出し
機関と協力の上,研修生を受け入れる前の段階で選抜することが重
要です。
F 研修生のリーダー
研修生の中からリーダーを選び,研修指導員及び生活指導員と研
- 18 -
修生との間の円滑なコミュニケーションを図る手助けをさせること
が広く行われているようですが,この場合はリーダーの人選に配慮
し,能力・健康・人柄の面から問題ない人物を選ぶ等,円滑な研修
の一助となるようにしてください。
なお,こうしたリーダーを選出した際も,研修指導員及び生活指
導員の役割が重要であることに変わりはありません。
G 不適切な方法による研修生の管理の禁止
第二次受入れ機関も,研修生の失踪等問題事例の発生の防止を口
実として,研修生に対し宿舎からの外出を禁止したり,研修生の旅
券や外国人登録証明書を預かったりしてはいけません。外出を禁止
することは,人権侵害につながりかねず,また,旅券や外国人登録
証明書は法令上携帯義務が課せられているので,法令違反に問われ
ることにもなりかねません。
仮に,研修生から保管してほしい旨の要望があったとしても,預
かるべきではありません。
また, 実際に法令違反に問われなくとも, 後で述べる「不正行
為」認定の対象となります。
H 研修手当の支払い
研修手当は,研修生の生活上必要な実費として支払われるもので
すから,入国及び在留諸申請の際に提出した研修生の処遇の概要に
ついての書面に記載された支給者が,研修生に,直接かつ確実に支
払わなければなりません。
研修手当を銀行などへの振込み払いとするような場合に,研修生
の通帳を預かることは,研修手当を受入れ機関が管理していること
につながりかねないものであり,研修生から要望があったとしても,
預かるべきではありません。
また,「管理費」等の名目で研修手当から差し引くことはあって
はならないことであり,このような場合は,後述の「不正行為」に
認定されることにもなりかねません。
I 問題事例の報告,失踪事例の取扱い
第二次受入れ機関は定期的な監査報告は必要とされていませんが,
研修生の失踪等の問題事例が発生した場合は,第一次受入れ機関と
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協力の上,地方入国管理局等に報告を行うことが必要です。
また,失踪事例の取扱いは,上記(1)Lの第一次受入れ機関の項
で挙げたものと同様です。
(3) 送出し機関の役割
送出し機関は,研修生が修得した技術等を帰国後活用することから,
研修制度による効果を直接的に享受する立場にあるといえ,研修の適
正な運用に協力することが求められます。
また,実際の研修生の選抜には,現地のニーズなどを良く承知して
いる送出し機関が重要な役割を担っています。
具体的には以下各事項について,受入れ機関から送出し機関に対し
て協力を求めて,送出し機関が実施することが重要であり,また,受
入れ機関は,各事項が適正に行われていることを確認してください。
@ 適正な研修生の選抜
送出し機関においても受入れ機関と協力して研修生の適正な人選
を進める必要があります。研修生の選抜については, 上記(1)Eの
第一次受入れ機関の項で挙げたものと同様です。
A 我が国の研修・技能実習制度に対する認識
研修生と同様,送出し機関も研修・技能実習制度についての正し
い認識を持つことが必要です。
送出し機関は,研修生を「労働者」として募集し,我が国に派遣
するものであってはなりません。あくまでも,技術等の移転のため
に,我が国での研修・技能実習事業に参画しているという認識を持
つことが必要です。
B 十分な事前研修の実施
事前研修は義務ではありませんが,日本語教育及び我が国で行う
研修内容の導入等を事前に行うことは,研修を円滑に行い,研修全
体の効果を上げることにつながります。事前研修の時間数等によっ
ては研修告示により本邦での非実務研修の時間が短縮されることも
ありますので,積極的に行うことが望ましいものです。
C 保証金等の適正化
失踪防止等を名目として,研修生本人から保証金等を徴収してい
る送出し機関があります。中には高額な保証金を徴収しているケー
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スがあり,これが研修生の経済的負担となって,研修時間外の稼動
や不法就労を助長しているとの指摘もあり,送出し機関が不当に高
額な保証金等を徴収している場合には,その送出し機関からの受入
れを取りやめる等の対応が必要となります。
D 帰国後の修得技術等の活用状況に関するフォローアップ
送出し機関は,本邦で技術等を修得した研修生・技能実習生が本
国でそれを活用しているかどうかについてのフォローアップを行う
必要があります。これは,基準省令で,研修生が修得した技術等が
研修生の本国で活用されることが必要とされているためであり,ま
た,研修・技能実習の趣旨として技術等を海外に移転するものであ
るということからも求められます。具体的には,研修生が帰国後,
本国において一定期間,我が国で学んだ技術等を活用する業務に従
事しているかどうかを確認することです。
受入れ機関が爾後の申請で地方入国管理局等から提出を求められ
た場合には,速やかに提出できるよう,確認した活用状況は取りま
とめ,受入れ機関に報告しておく必要があります。
(4) 研修生の適格性
研修を適正に行うためには,受入れ機関が体制を整えた上で適正な
指導を行うことが重要ですが,他方,研修生も研修制度の趣旨を理解
し,受入れ機関の指導の下,研修に対する意欲を持ち続けることが重
要です。
特に,研修は学ぶ活動であり,労働ではないこと,研修手当は生活
の実費であって労働の対価ではないことを理解した上で技術等の修得
に当たることを,研修生に徹底しなければなりません。
また,受入れ機関から失踪して不法就労することは,退去強制の対
象となるほか,処罰の対象ともなる行為であり,失踪した研修生自身
が不利になることを十分に認識させなければなりません。
受入れ機関は,これらのことを研修生に対して十分に説明し理解さ
せる必要があります。
(5) 倒産等により研修が継続できなくなった場合の取扱い
第二次受入れ機関が倒産等して,研修が継続できなくなる場合があ
ります。
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このような場合であっても,研修生が引き続き研修を行うことを希
望し,適正な研修を実施する体制を有していると認められる他の機関
に受け入れられるときは,引き続き在留が認められます。したがって,
研修を継続できなくなった機関が受け入れていた研修生が,研修の継
続を希望している場合には,当該機関は,その旨を地方入国管理局等
に申し出るとともに,財団法人国際研修協力機構(以下,「JITC
O」といいます。)等関係機関の協力・指導等を受けるなどして,新
たな受入れ機関を探す必要があります。
第3 適正な技能実習の実施について
1 技能実習制度についての理解,技能実習告示の遵守
技能実習制度は,研修とは異なる制度であり,研修が技術等を学習す
るものであるのに対し,技能実習は研修で一定程度の技術等を修得した
と認められる者が,在留資格を「特定活動」に変更した上で,研修を行
っていた第二次受入れ機関と同一の機関(以下,「実習実施機関」とい
います。)と雇用契約を結び,生産現場での労働を通じてより実践的な
技術等を修得する制度です。
この技能実習制度の趣旨を正しく理解するとともに,「技能実習制度
に係る出入国管理上の取扱いに関する指針」( 以下,「技能実習告示」
といいます。)に沿った技能実習を実施することが必要です。
具体的には以下の点に注意する必要があります。
(1) 研修生との明確な区別
技能実習生は,研修で一定程度以上の技術等を修得した者であり,
雇用関係の下で,より実践的に技術等を修得する者ですから,研修生
とは明確に区別しなければなりません。
技能実習生には技能実習計画を立て,それに基づいた指導を行うこ
と,研修期間中より高度な技術等を修得させること等が必要です。
(2) 実習実施機関による責任ある技能実習の実施
技能実習では,技能実習計画を策定しJITCOの評価を受けると
ともに,技能実習生と実習実施機関とが雇用契約を結んで活動を行う
わけですから,実習実施機関は技能実習計画に従って,技能実習生に
指導を行うとともに,賃金の未払い等の労働関係法規違反がないよう
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責任を持って雇用契約を履行することが必要です。
特に,中小企業団体等の第一次受入れ機関とともに受け入れた研修
生が技能実習に移行した場合は,研修期間中は第一次受入れ機関と共
有していた研修生の管理責任を実習実施機関が引き受けることとなり
ますから,技能実習制度の趣旨等を十分に理解した上,技能実習を実
施することが重要です。
また,日々の技能実習状況は技能実習日誌に記録してください。技
能実習日誌を作成することにより,技能実習の達成の度合いを確認し
たり,達成状況に応じて指導内容を変えるなどの対応を行うことがで
きます。
(3) 労働関係法規の遵守
技能実習は雇用契約に基づいて行われるものですから,実習実施機
関が責任を持って適正な技能実習を実施するに当たっては,労働関係
法規を遵守することが特に重要です。労働関係法規に違反した場合は
処罰の対象となることがありますし,また,後述の「不正行為」認定
の対象となり,この場合は,3年間の受入れ停止となります。
なお,実習実施機関は,雇用契約の締結に際し,技能実習生に対し
て労働条件を明示する義務があり,特に賃金,労働時間等については
書面を交付しなければなりません。この場合,雇用契約書等を日本語
に加えて母国語によっても作成する等して,雇用契約の内容が技能実
習生に十分に理解できるようにしてください。
(4) 賃金の支払い
技能実習を実施する際は,特に賃金の支払いについて留意する必要
があります。研修生に対しては生活実費相当の手当の支払いですが,
技能実習生に対しては労働関係法規を遵守した賃金の支払いを行う必
要があり,また,技能実習告示では,日本人が従事する場合と同等額
以上の報酬を受けることと定めています。
また,技能実習生に時間外労働や休日労働などを行わせたときは所
定の割増賃金を支払う等,労働関係法規にのっとり,適正な支払いを
行わなければいけません。食費や寮費等を賃金から控除する場合には,
法規にのっとった労使協定の締結が必要であり,この場合において,
控除する額は実費を超えてはなりません。
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さらに,研修手当と同様,「管理費」等の名目で技能実習生の賃金
から不法に控除することはあってはならないことです。
2 適正な在留のための留意点
技能実習に移行した場合,実習実施機関は,技能実習制度について理
解をし,技能実習告示を遵守して技能実習を行うことが必要であり,そ
のために重要な事項は以下のとおりです。
(1) 第一次受入れ機関の役割
技能実習移行後は,研修時の第一次受入れ機関は技能実習生を受け
入れる機関ではなくなります。したがって,上記1(2)で述べたよう
に実習実施機関が責任を持って技能実習活動を実施しなければなりま
せん。
しかしながら,第一次受入れ機関が研修を監理していた実態にかん
がみ,技能実習本体の活動,すなわち技術等の修得以外で技能実習の
実施に協力することは望ましいことです。
具体的には以下のような事項について協力することが望まれます。
@ 技能実習生の生活面でのフォローアップ
第一次受入れ機関は,上記第2の研修の項で述べたように,生活
指導員に対する指導を行うノウハウを持っていることから,技能実
習生の生活面において実習実施機関をフォローして,技能実習生の
生活指導・管理が適切に行われるような体制づくりに協力すること
が望まれます。
A 地方入国管理局等からの指導の徹底
地方入国管理局等は適正な技能実習の実施のために必要な指導等
を行いますが,研修期間中第二次受入れ機関を監理していた第一次
受入れ機関も,地方入国管理局等の指導の内容について,実習実施
機関に徹底を図り,技能実習が適切かつ確実に実施できるように協
力することが望まれます。
B 実習実施機関への意識の徹底
上記1で述べたように,技能実習制度は研修と異なる制度である
こと,実習実施機関が責任を持って指導・監理を行うこと,第一次
受入れ機関はあくまで補助的な役割を担うものであること等の技能
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実習制度の在り方を実習実施機関に徹底することが望まれます。
C 実習実施機関における不法就労の排除の指導
不法就労外国人を雇用することは入管法違反となりますが,研修
生受入れ機関と同様,実習実施機関でも不法就労者を排除すること
が重要であり,第一次受入れ機関から指導を行うことが望まれます。
(2) 実習実施機関の役割
@ 技能実習の適正化のための方策の実施
上記1のとおり,実習実施機関は,技能実習の中心的な存在とし
て,研修とは異なる制度である技能実習を適正に行う義務がありま
すが,技術等の指導以外の面でも技能実習の適正化のために必要な
事項については積極的に実施することが望まれます。
具体的には,技能実習生の生活面でのフォローアップ,修得する
技術等に係る知識の指導等を実施することが望まれます。
A 不適切な方法による技能実習生の管理の禁止
実習実施機関は,技能実習生の失踪等問題事例の発生の防止を口
実として,技能実習生に対し宿舎からの外出を禁止したり,技能実
習生の旅券や外国人登録証明書を預かったりしてはいけません。外
出を禁止することは,人権侵害につながりかねず,また,旅券や外
国人登録証明書は法令上携帯義務が課せられているので,法令違反
に問われることにもなりかねません。
仮に,技能実習生から保管して欲しい旨の要望があったとしても,
預かるべきではありません。
また,中には,技能実習生の賃金が振り込まれる銀行等の通帳を
預かる実習実施機関がありますが,賃金の未払いにつながりかねな
いものであり,技能実習生から要望があったとしても,預かるべき
ではありません。
B 失踪事例の取扱い
技能実習生の失踪が発生した場合は,JITCOを通じて地方入
国管理局等への報告を行った上で,他の研修生,技能実習生,本国
の家族等に問い合わせること等により,失踪者の所在(就労先等)
の把握に努め,失踪者の所在を確認したときは,直ちに失踪の届出
を行った地方入国管理局等及び失踪者の住所地を管轄する地方入国
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管理局等に通報してください。
C 修得技術等の認定
技能実習制度は,生産現場での労働を通じてより実践的な技術等
を修得することを目的とするものであることから,修得した技術等
の評価・認定のため,より上級の検定・資格試験を技能実習生に積
極的に受験させることが望まれます。
(3) 技能実習生の適格性
技能実習生は研修生と異なり労働関係に係る諸法令が適用されます。
したがって,実習実施機関と適正な雇用関係を結んだ上でより高度な
技術の修得に十分に努めることが重要であり,失踪し不法就労した場
合には,研修生と同様本人の不利になることを十分に認識させること
が必要です。
また,技能実習生は修得した技術等を本国において役に立たせるべ
く,適正に技能実習を行ったあと帰国することが予定されています。
(4) 倒産等により技能実習が継続できなくなった場合の取扱い
実習実施機関が倒産等して,技能実習が継続できなくなる場合があ
ります。
このような場合であっても,技能実習生が引き続き技能実習を行う
ことを希望し,適正な技能実習を実施する体制を有していると認めら
れる他の機関に雇用されるときは,引き続き在留が認められます。し
たがって,技能実習を継続できなくなった機関が雇用していた技能実
習生が,技能実習の継続を希望している場合には,当該機関は,その
旨を地方入国管理局等に申し出るとともに,JITCO等関係機関の
協力・指導等を受けるなどして,新たな実習実施機関を探す必要があ
ります。
第4 実態調査の実施
研修・技能実習の適正な実施のために必要な事項,留意すべき事項は,
以上のとおりですが,これが実行されているかを確認するために,地方
入国管理局等が実態調査を実施することがあります。
調査事項は,本指針の内容に沿ったものとなりますので,受入れ機関
等は,日頃から本指針を遵守した受入れを行うとともに,実態調査には
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地方入国管理局等の調査に協力することが望まれます。
第5 不正行為
1 基本的考え方
本指針で定めた事項を遵守すれば適正な研修生及び技能実習生の受入
れを行うことができますが,他方,本指針によらず不適正な受入れを行
っている受入れ機関に対しては,第4で示したように実態調査を行った
上で,「不正行為」認定を含めた厳正かつ的確な対応を行います。
「研修」の在留資格に係る基準省令第8号には,受入れ機関又はその
経営者若しくは管理者等が過去3年間に「外国人の研修に係る不正行為
を行ったこと(実務研修を含まない研修実施計画に基づいて受け入れた
研修の在留資格をもって在留する者を実務研修に従事させたことを含
む。)」がある場合, 当該受入れ機関は研修生を受け入れることができ
ない旨規定されています。また,技能実習告示第1第3項第5号でも,
同様に規定されています。
「不正行為」の具体的内容は以下のとおりであり,このような「不正
行為」を行ったと認定された機関は,上記基準省令や技能実習告示の規
定に従い,研修生や技能実習生の受入れが3年間停止されます。
2「不正行為」の具体的内容
(1) 第1類型
研修生や技能実習生を受け入れる場合,受入れ機関は,研修や技能
実習の内容について,研修計画や研修生の処遇の概要についての書面,
技能実習計画などを提出し,その計画に従って研修や技能実習を実施
しなければなりません。また,第一次受入れ機関は,第二次受入れ機
関に対し監査を行って,その結果を報告しなければなりません。
これにもかかわらず,地方入国管理局等に提出した書類の内容と実
際に行われた研修・技能実習との間に齟齬がある研修や技能実習を行
った場合がこの類型に該当し,以下の4つに細分類しています。
@ 二重契約
研修生については,在留資格認定証明書交付申請時などに提出さ
れた書面上の研修手当の額などと異なる合意が存在する場合です。
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例えば,入国管理局へは研修手当を月額8万円として申請しなが
ら,受入れ機関と研修生との間に,作業の出来高に応じて研修手当
の支払い額を決定する合意がある場合です。
技能実習生の雇用契約についても,同様に,提出された雇用契約
書に記載された報酬より低い報酬を実際には支払う旨の別の合意が
あるような場合です。
また,団体監理型の研修においては,第一次受入れ機関が傘下の
第二次受入れ機関での「二重契約」を知りながら,何ら対策を講じ
ないまま放置したような場合には, 第一次受入れ機関も「二重契
約」に当たることとなります。
A 研修・技能実習計画との齟齬
提出された研修計画や,技能実習生との間の雇用契約の内容と齟
齬する研修や技能実習が行われていた場合で,その齟齬の程度が申
請の許否を左右する程度である場合です。
例えば,研修生に対し研修計画どおりの非実務研修を行わなかっ
た場合や,申請では,食品加工機の取扱い,煮熟温度の調整などを
内容とする「食品加工」の研修を行うとしながら,実際はそれらの
作業を行わず「容器への盛りつけ」のみを行わせるなど,研修を行
うとした作業とは別の作業に従事させた場合,研修計画では,裁断,
縫製,プレスなどを内容とする「婦人子供服製造全般」の研修を行
うとしながら,実際は「プレス」のみしか行っていないなど,計画
上の複数の作業項目のうち,その一部しか実施しなかった場合など
です。
また,技能実習については,研修成果の評価において受験し合格
した技能実習移行対象職種と異なる職種に従事させていたような場
合です。
B 名義貸し
申請上の研修生・技能実習生の受入れ機関では研修生・技能実習
生を受け入れず,他の機関が研修生・技能実習生を受け入れている
場合です。名義を借りた機関(実際に研修生や技能実習生を受け入
れた機関)及び名義を貸した機関(申請上では,研修生・技能実習
生を受け入れるとされた機関)の双方がこの類型に当たります。
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例えば,申請に係る受入れ機関では受け入れずに別の機関で受け
入れていた場合や,実態のない会社を受入れ機関とした申請を行っ
て研修生を入国させて,別の会社で受け入れていた場合が該当しま
す。
名義貸しにより「不正行為」に認定される機関は比較的多く,軽
い気持ちで他の機関に研修生を手伝いに出したとしても,「不正行
為」に問われることとなりますので,留意してください。
C その他虚偽文書の作成・行使
地方入国管理局等に対し,虚偽の内容の書面を提出した場合です。
例えば,受入れ機関の常勤職員数を実際よりも多く偽った内容の
書面を提出した場合,研修告示に規定する「国又は地方公共団体の
援助」があることを証する文書を偽造し,当該偽造文書を提出した
ような場合です。
また,第一次受入れ機関が地方入国管理局等に提出する監査報告
書の内容が実態と異なっていた場合,すなわち,第二次受入れ機関
で「不正行為」が行われているのにもかかわらず,適正に研修が実
施されているかのような監査結果報告書を提出した場合や監査を実
施していないのにもかかわらず,実施したかのような報告書を提出
した場合も含まれます。
なお,この類型に該当するのは虚偽記載の内容が申請の許否を決
する程度である場合に限り,それに至らない場合は,後述の「不正
行為に準ずる行為」に認定されることになります。
(2) 第2類型(研修生の所定時間外作業)
研修生に,一般の労働者のように所定時間外,休日等に作業を行わ
せるなど,研修計画に記載されていない作業をさせていた場合です。
これまで,繰り返し述べたように,研修生は,技術等を学ぶ者であ
って,留学生などと変わらぬ立場にあります。したがって,一般の労
働者が残業をしたり休日出勤をするのと同じような活動を行うことは
できません。
例えば,研修実施日を月曜日から金曜日まで,研修実施時間を9時
から17時として申請して許可を得ながら,実際は,土曜,日曜に作
業を行わせたり,17時以降や早朝から作業を行わせた場合が該当し
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ます。
(3) 第3類型
研修・技能実習の実施に際し,研修生や技能実習生の人権を侵害す
るようなことは,あってはならないことです。それにもかかわらず,
一部の受入れ機関では人権侵害の問題が生じていることが指摘されて
います。
研修生や技能実習生の人権を侵害した場合が,この類型に該当しま
す。
@ 暴行・監禁等
研修生や技能実習生に対し,暴行や監禁を行った場合です。
A 旅券・外国人登録証明書の取上げ
研修生や技能実習生の旅券・外国人登録証明書を取り上げていた
場合です。
例えば,受入れ機関が,逃走防止などと称して旅券や外国人登録
証明書を保管していた場合です。
B 研修手当,賃金の不払い
研修生に対する研修手当や技能実習生に対する賃金の一部又は全
部を支払っていなかった場合です。
C その他人権侵害行為
その他研修生や技能実習生に対し悪質な人権侵害行為を行ったり,
研修・技能実習制度に対する信頼に重大な影響を与えた場合です。
(4) 第4類型
@ 報告義務違反
研修生や技能実習生の失踪等問題事例が発生した事実を,ことさ
らに地方入国管理局等に対して届け出ていなかった場合です。
例えば,研修生が失踪したのにもかかわらず,これを届け出るこ
となく,失踪した研修生が摘発されるなどして初めて,失踪してい
たことが地方入国管理局等に明らかになった場合です。
A 監査未実施
第一次受入れ機関が研修告示で定められた監査報告を怠っていた
場合です。
B 失踪者の多発
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直近の失踪者の発生の前1年間に受け入れた研修生・技能実習生
が50人以上の機関については20%以上の研修生・技能実習生が
失踪した場合です。
前1年間に受け入れた研修生・技能実習生が50人未満である機
関については,10人以上の研修生・技能実習生が失踪した場合,
あるいは,失踪者が10人未満であっても,その失踪者数が受け入
れた研修生・技能実習生の半数を超えていた場合のいずれかの場合
です。
例えば,研修生・技能実習生を併せて50名受け入れていた機関
から,1年間に10名が失踪した場合や,研修生・技能実習生を併
せて10名受け入れていた機関から6名が失踪した場合がこの類型
に該当します。
なお,失踪者が発生したことについて,受入れ機関の責に帰すべ
き事情がない場合は,この類型に該当しません。
(5) 第5類型
技能実習を適正に実施するためには,実習実施機関が労働関係法規
を遵守しなければならないことはいうまでもありません。しかしなが
ら,技能実習生について労働関係法規違反があったとして,「不正行
為」に認定された機関は,平成18年には37機関に達しています。
実習実施機関が労働基準監督機関から是正勧告を受けた場合には,違
反事実を是正しなければならないとともに,下記Aのとおり,「不正
行為」認定の対象となることに留意しなければなりません。
また,不法就労外国人を雇用することは,それ自体,刑罰の対象と
なる行為であるとともに,「不正行為」認定の対象でもあります。
この類型は,受入れ機関や実習実施機関が,上記のような外国人の
就労に関し違法な行為を行った場合を類型として定めたもので,以下
の3つに細分類しています。
@ 不法就労者の雇用
研修生受入れ機関や実習実施機関において,不法就労者を雇用し
た場合です。
A 労働関係法規違反
研修生受入れ機関や実習実施機関において,技能実習生等に係る
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労働関係法規違反があった場合です。
例えば,技能実習生に対し所定の割増賃金を支払っていなかった
り,支払った報酬が最低賃金に満たないとして,労働基準監督機関
から是正勧告を受けた場合です。
B その他外国人の就労に係る不正な行為
@,Aのほか,第二次受入れ機関や実習実施機関など研修・技能
実習に関与する機関が,不法就労者の雇用をあっせんしたり,不法
就労活動を容易にするなどの外国人の就労に係る不正な行為を行っ
た場合です。
(6) 第6類型(再度の不正行為に準ずる行為)
後述の「不正行為に準ずる行為」に認定された後,改善策を提出し,
改善が認められて研修生や技能実習生の受入れを再開したものの,
「不正行為に準ずる行為」に認定された後, 概ね3 年以内に, 再度
「不正行為に準ずる行為」に該当する行為を行った場合です。
例えば,傘下機関の「不正行為」認定の監理責任を問われ「不正行
為に準ずる行為」に認定された後,別の傘下機関が「不正行為」に認
定され,再度,監理責任を問われ「不正行為に準ずる行為」に該当す
る場合です。
3 「不正行為」に当たると判断された場合の措置
(1) 新規研修生・技能実習生の受入れ停止
「不正行為」に当たると判断された場合は,基準省令第8号及び技
能実習告示第1第3項第5号に適合しないこととなり,当該「不正行
為」を行った機関は,3年間,研修生・技能実習生の受入れを行うこ
とができません。
また,既に在留資格認定証明書が交付されているものの,当該証明
書を持っている申請人が未だ入国していない場合には,直ちに,当該
証明書を取り寄せ,地方入国管理局等に返納してください。
(2) 在留する研修生・技能実習生に対する措置
受入れ機関又は実習実施機関が「不正行為」に認定された場合,研
修生・技能実習生本人に責がなく,引き続き研修・技能実習を行うこ
とを希望し,適正な研修・技能実習を実施する体制を有していると認
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められる他の機関に受け入れられ又は雇用されるときは,引き続き在
留が認められます。したがって,「不正行為」認定を受けた機関が受
け入れている研修生・技能実習生が,研修・技能実習の継続を希望し
ている場合には,当該「不正行為」認定を受けた機関は,その旨を地
方入国管理局等に申し出るとともに,JITCO等関係機関の協力・
指導等を受けるなどして,新たな受入れ機関を探す必要があります。
これに対し,研修生・技能実習生本人にも責があったときや,責が
なかったとしても,適正な研修・技能実習を実施する体制を有してい
ると認められる他の機関に受け入れられなかった,又は雇用されなか
ったときは,当該研修生・技能実習生は帰国しなければなりません。
「不正行為」認定を受けた機関は,現に受け入れている研修生・技能
実習生を帰国させるとともに,帰国後,地方入国管理局等に対し報告
を行ってください。
研修生・技能実習生が,帰国しないまま在留期間更新許可申請や在
留資格変更許可申請を行ったとしても,更新や変更を許可するに足り
る「相当の理由」がないとして,当該申請は不許可となります。
なお,技能実習生が帰国する際は,労働関係法規にのっとって賃金
の精算等の手続きを行う必要があります。
(3) 改善措置の提出
基準省令第8 号及び技能実習告示第1 第3 項第5 号は,「不正行
為」があった場合,その後3年間は研修生及び技能実習生を受け入れ
られない旨を定めていますが,3年を経過した後であっても,受入れ
機関に改善策の提出を求め,問題が再発するおそれがなく,適正な研
修の実施が見込める場合に限り,研修生の新規受入れが認められます。
4 不正行為に準ずる行為
上記の「不正行為」には至らないものの,研修・技能実習の適正な実
施の観点から,地方入国管理局等による指導が必要と判断される行為を
行った機関に対しては,「不正行為に準ずる行為」に認定して,改善策
の提出を求め,適正な研修及び技能実習の実施が可能であると判断され
るまで,新たな研修生及び技能実習生の受入れを認めない措置をとりま
す。
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「不正行為に準ずる行為」の具体的内容については次のとおりです。
(1) 第1類型(研修・技能実習計画との相違)
研修及び技能実習に係る提出書類の内容と相違する研修・技能実習
が実施されている場合で,かつ,その程度が軽微なものです。
例えば,研修実施場所が提出された研修計画と相違していた場合で
す。
(2) 第2類型(研修生の所定時間外作業)
研修生に所定時間外,休日等に作業を行わせていたが,その時間数
や作業の内容が,本来の研修の実施を阻害したと認めるまでは至らな
いような場合です。
例えば,所定時間外作業を行っていたものの,短期間,短時間に留
まる場合です。
(3) 第3類型(権利侵害)
研修生や技能実習生の権利・利益を侵害する行為があったものの,
既に改善されていたり,速やかな改善が見込まれる場合です。
(4) 第4類型(失踪者の多発)
直近の失踪者の発生の前1年間に受け入れた研修生・技能実習生が
50人以上の機関については,10%以上の研修生・技能実習生が失
踪した場合です。
前1年間に受け入れた研修生・技能実習生が50人未満である機関
については,5人以上の研修生・技能実習生が失踪した場合,あるい
は5人未満の失踪者であっても,その失踪者数が受け入れた研修生・
技能実習生の4分の1を超えていた場合のいずれかです。
例えば,研修生・技能実習生を併せて50名受け入れていた機関か
ら,1年間に5名が失踪した場合や,研修生・技能実習生を併せて1
0名受け入れていた機関から3名が失踪した場合です。
なお,失踪者が発生したことについて,受入れ機関の責に帰すべき
事情がない場合は,この類型に該当しません。
(5) 第5類型(監理責任等)
研修生を受け入れている第二次受入れ機関が「不正行為」に認定さ
れた場合,研修事業の実施主体である第一次受入れ機関の監理責任を
問うこととし,「不正行為に準ずる行為」に認定します。
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また,第一次受入れ機関が「不正行為」を行ったときは,その「不
正行為」に関し第二次受入れ機関自体の帰責性がある場合に,当該第
二次受入れ機関を「不正行為に準ずる行為」に認定します。
第6 JITCOの活用
JITCOは,平成3年9月,研修生の受入れ施策を積極的に支援す
ることを目的として,経済界の協力を得て,法務省,外務省,通商産業
(現経済産業)省,労働(現厚生労働)省の各省共管(平成4年に建設
(現国土交通)省が加わる。)により設立され,研修生の入国・在留手
続に関する助言,援助等のほか,技能実習制度の実施に関しては,技能
実習移行のための移行表明の受付,研修成果の評価,技能実習状況の把
握,指導等を行い,研修及び技能実習制度の中核的機関として機能して
います。
受入れ機関等においては,JITCOの持つ研修及び技能実習に関す
る知識等を活かし,受入れ,研修及び技能実習の実施について相談をし,
未然に問題を防ぐよう努めることが望まれます。
http://www.moj.go.jp/PRESS/071226-1.html