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□50万人がジュマイエル氏に最後の別れ ベイルートに渦巻く怒りの声 [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2761916/detail
50万人がジュマイエル氏に最後の別れ ベイルートに渦巻く怒りの声
【アルジャジーラ特約23日】21日に暗殺されたレバノンのピエール・ジュマイエル産業相(34)の葬儀が23日、首都ベイルートの中心部で行われ、全国から駆けつけた市民約50万人(赤十字発表)が非業の死を遂げた同産業相に最後の別れを告げた。
ジュマイエル産業相の遺体を納めた棺(ひつぎ)はこの日、故郷のビクファヤ村からベイルートに運ばれた。首都入りした棺には、集まった女性たちが次々と花ビラを投げかけた。
葬儀は、ベイルート中心部にある聖ジルジス大聖堂で同日午後1時(現地時間) から始まった。
同大聖堂と近くの殉教者広場、そして周辺の通りには葬儀開始の数時間も前から市民たちが、レバノン国旗と同産業相が所属した「ファランヘ党」の党旗を手に持ち続々と詰めかけた。
大聖堂内で行われた葬儀の模様は、殉教者広場にも生中継される中、市民の間からは、今回の暗殺事件との関係を疑われているアサド・シリア大統領、親シリア派のラフード・レバノン大統領、それにイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する怒りの声が渦巻いた。
市民たちは「アサドの手下たちを大統領宮殿から追い出せ」などと叫んでいた。
殉教者広場で取材したアルジャジーラ特派員のマイク・ハンナ記者は、集まった市民たちの間には暗殺で命を落としたジュマイエル産業相への悲しみ、同産業相のこれまでの功績への賞賛とともに、(暗殺非難や外国の干渉排除への)明確な意思表示がみられたと伝えた。
ハンナ記者によると、市民の中には、かつてのレバノン内戦を知らない若者たちが多く含まれており、いかなる外部勢力からの影響・干渉を認めないという強い意思が漂っていたという。
葬儀が終了すると、同産業相の実父で、ファランヘ党首のアミン・ジュマイエル氏、3月14日連合の指導者サアド・ハリリ氏、さらに同国軍司令官らが次々に演説した。
アミン党首はその中で、「新たな大統領が必要で、この交代がなければ、この国の団結は図れない。わが党は明後日までに、次期大統領選挙の実施に関する方針を明らかにする」とし、ラフード大統領の即時退陣を要求した。
別のアルジャジーラ特派員、ルラ・アミン記者によると、この日の葬儀は意図的に政治色を強めさせ、市民の支持につなげようとされていたという。
一方、ベイルートなどで近く、デモを予定していたヒズボラの関係者はこの日、事態の沈静化を図るため、デモは当面行わないとの考えを明らかにしたほか、議会で多数を占める反シリア勢力が、今回の暗殺事件を政治的に利用していると非難した。
また、イスラム教ドルーズ派の政党、進歩社会党(PSP)のワリド・ジュンブラット党首は、シリアが暗殺に関係していると非難するとともに、「われわれの自立と自由に向けた信念は揺るがない」と述べた。
さらに同党首は「反政府勢力とは何時でも、政権問題を話し合う準備ができている」と強調、今回の事態を与野党間の話し合いで収拾したいとの姿勢を明らかにした。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年11月24日04時10分
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□国際社会で次々と暗殺非難の声明 父ジュマイエルは自制を呼び掛け [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2757347/detail
国際社会で次々と暗殺非難の声明 父ジュマイエルは自制を呼び掛け
【アルジャジーラ特約21日】レバノンのピエール・ジュマイエル産業相が21日、暗殺された後、父親のアミン・ジュマイエル元大統領は、遺体が運ばれた首都ベイルートの病院の外で、「私の願いは一つ。今夜がこの殉教の意味、いかにして祖国を救うかを沈思するための祈りの夜であったほしいということです」と語った。
さらに、「私は祖国に殉じた息子ピエールに感謝してくれた、すべての人に彼の大義を保ち続けるよう呼び掛け、また、私たち全員がレバノンへの奉仕を続けるよう求めたい。私たちは反撃や報復を求めてはいません」とも話した。
一方、国連安保理はこの暗殺事件を「反論の余地なく」非難する声明を出すとともに、2005年に起きたハリリ元レバノン首相暗殺事件の容疑者を裁く国際法廷の設置に向けての案を承認した。
フランスが作成した草案は、議長のチリのヴォト=ベルナレス国連大使が朗読したが、ジュマイエル氏を「自由とレバノンの政治的独立のシンボルであった」と述べた。
15人から成る同安保理はまた、レバノンの全政治団体に自制を求めた。
同計画が承認される前に、ボルトン米国連大使は、ジュマイエル氏暗殺が過去2年間で起きた反シリア派のレバノン人政治家に対する同じような殺人ないし暗殺行為14件に続くものだとして、「なぜわれわれがレバノンの民主主義勢力を支援しなければならないかが明確になった」と述べ、さらに、「この事件は彼の国の歴史、それゆえ中東地域の歴史の転換点になる潜在的な可能性がある」と述べた。
安保理15カ国の行動は、アナン国連事務総長あて書簡という形をとり、同計画の正式承認をレバノン政府から取り付ける手続きを明確にしている。
国連のハリリ暗殺事件に関する調査はまざ続行中だが、小さな隣国での政治的黒幕として過去数十年にわたって振る舞ってきたシリアの高官の関与を示唆している。、しかし、シリア政府は暗殺との関連を強く否定している。
外交筋によると、フランスのジャン・マルク=ドラサブリエ国連大使はジュマイエル産業相暗殺事件について、21日にも安保理審議と並行して協議して行く意向である。
フランス政府指導者はこの事件を非難しており、シラク大統領はこれを「憎むべき攻撃」と呼んだ。レバノンとの関係が密接な同大統領は声明を発表して、「憎むべき攻撃」を非難するとともに、「暗殺者を訴追し罰するよう」呼び掛け、「レバノンはこの恐るべき悲劇によって打撃を受けたが、フランスは、レバノン国民の独立、自由、民主主義への意志がさらに強くなって現れるだろう」と述べた。
シリアもまた、この殺人事件を、隣国を「不安定化することを狙った犯罪」と非難した。国営サナ通信社が報じたところによると、当局者筋は「この憎むべき犯罪はレバノンを不安定化させ、同国の市民の平和を乱そうとしている」と語った。
同筋はまた、シリアは「レバノンの安全、その安定性、国民の団結、そして市民の平和を維持すること」を保証すると述べた。
シリア・バース党中央委員会メンバーであるファイサル・カルツーム国会議員はアルジャジーラに対し、「(レバノンの)治安当局は(レバノン内に)イスラエルの足場を作ってやろうとする者たちを追及すべきである」と語った。
ヨルダンのアブドラー国王は「われわれはこの醜悪な犯罪を非難する。これはレバノンの安全と安定を標的にした卑劣な行為である。レバノン人は現局面にあって誰もが団結し、死と反目、破壊を説く者たちがレバノン国民の結合に分裂を起こさせようとすることを成功させてはならない」と述べた。
ロンドン滞在中のリヴィニ・イスラエル外相は「レバノンからのニュースは、われわれが住んでいる地域が何であるか、隣国が何であるかを示すもう一つの例証です。これは私が以前、説明を試みたことの正しさを認めさせる新たな事件です。これは中庸な人々と過激派の間で起きたことなのです。レバノンにおけるシリアの否定的な役割は新しいものでもなければ機密事項でもないし、ほんの数週間前、国際社会はシリア軍とシリア人をレバノンから追い出したばかりなのです。はっきりしているのは、シリアが今も介入しようとしていることです。しかし、もっと具体的に言うには時期尚早です」とコメントした。
ベケット英外相は以下のように語った。
「わが国は非難します。私たちは茫然としています。レバノンには問題がありすぎるほどあるのですから、私たちは、この事件の背後に何があるにせよ、こんな事件が二度と起きないことを願うばかりです。これは大きな平和をもたらすというより、中東地域での緊張を増すだけというような進展であって、そうした観点から言えば、遺憾というほかありません。私がここで簡単に言える事は、事件の背後に誰がいようと、それは緊張をそのままにし、または増大させることで域内のすべての人々の利益に絶対に反しているのです。この事件はひどい損害を与え、誰のためにも何の助けにもなりません」。
ブレア英首相はこの暗殺事件を非難して、レバノンのひ弱な民主主義を安定化させるための努力を呼び掛けた。同首相はジュマイエル暗殺事件を「どんな正当化も全く無理だ」として、「われわれは全面的にこの殺人を非難する。現時点では、レバノンの民主主義とシニオラ首相の地位を防衛するために、できることは何でもすることが必要なのだ」と語った。(翻訳・ベリタ通信=日比野 孟)
2006年11月23日02時09分