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Re:「核爆弾搭載ミサイル」はH2Aのような液体燃料ロケットではない
http://www.asyura2.com/0610/war85/msg/1232.html
投稿者 肥筑 日時 2006 年 10 月 30 日 22:57:22: aZKh1lU.sFsHg
 

(回答先: 日本で「核爆弾搭載ミサイル」自主開発の為に環境準備がなされつつあると見るべき。 投稿者 新世紀人 日時 2006 年 10 月 30 日 15:51:59)

―軍事技術、航空技術を知ること賛成するにせよ、反対するにせよ必須のものだ。ミサイルにおいて液体燃料ロケットは燃料の注入に長時間かかるから実用的でない。固体燃料ロケットも実用化されている。

「M5「有終」の打ち上げ 観測衛星「ひので」と命名」朝日新聞2006.09.24

 太陽観測衛星を載せた国産ロケット「M5」の7号機が23日午前6時36分、鹿児島県肝付町の宇宙航空研究開発機構・内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、衛星の切り離しに成功した。衛星は「日の出」と命名された。M5は今回での「引退」が決まっており、宇宙機構は2010年をめどに一回り小さい後継ロケットの開発を目指す。
 「ひので」は高度300キロ余りでM5から分離され、太陽電池パネルが正常に開いたことが確認された。91〜01年に運用された「ようこう」の後継となる三代目の太陽観測衛星で、三種類の望遠鏡を搭載。3週間後に自らの噴射で高度630`を南北に周回する軌道に移り、2ヶ月後から太陽を取り巻くコロナで起こる現象などの観測に入る。M5は97年から科学衛星などの打ち上げに使われてきた固体燃料ロケットで全長30.8b。4号機を除き、」今回で計6機が成功した。

「後継機 民間移管を検討―宇宙機構」
M5ロケットの後継となる次期固体燃料ロケットについて、宇宙航空研究開発機構は、製造や品質管理を含む打ち上げ業務の民間移管を検討することになった。移管先の最有力候補はM5製造を担当したIHIエアロスペース社で、効率化とコスト削減を図る。実現すれば、日本のロケットはH2A、開発中のGXに続きすべて民間が打ち上げる体制になる。

 M5は旧文部省宇宙科学研究所が開発。打ち上げ費用は1機約80億円と、積める衛星の重さが1.8dという能力に比べると割高だった。
 このため宇宙機構は、次期ロケットでは小型化と既存技術の活用で25億円以下に抑える方針を立てた。多くの発射場を使えるよう移動式発射台を検討するなど、運用面の効率化も目指している。しかしロケットの打ち上げ費用が予定より膨らむケースは多い。さらなる効率化の努力が避けられないと判断した。


「M(ミュー)5」ロケット解説―日経 同日

宇宙航空研究開発機構の前身の1づ、旧文部省・宇宙科学研究所が科学衛星専用に開発した中型ロケット。1997年以降、7回打ち上げ、6回成功。個体燃料ロケットとしては世界最大級で、三段式。高度二百五十`程度の低軌道に最大1.8とdの衛星を打ち上げる能力を持つ。一機
約八十億円とやや高い。

読売社説(2)(2006年9月24日1時46分 読売新聞)
http://www.nasda.go.jp/projects/rockets/gx/index_j.html
[最後のM5]「迷走するロケット開発政策」

 固体燃料ロケットM5の雄姿を見られるのは、この打ち上げが最後となる。
宇宙航空研究開発機構が、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所からM5の7号機を打ち上げ、国際協力の太陽観測衛星「ソーラーB」を予定通り軌道に乗せた。

 M5は、これで引退する。最後の成功で、1997年2月の1号機以来、成績は成功6回、失敗1回となった。新規ロケットとしては、まずまずと言える。

 日本の固体燃料ロケットは55年のペンシルロケットに始まる。その伝統を継いだM5は、同種ロケットとしては世界最大級で、性能も最高水準とされた。

 惜しむ声もある。だが、M5が抱える問題を考えれば、致し方ない。

 なによりコストが高い。1回の打ち上げに80億円の巨費がかかる。米国の液体燃料ロケットなら、同じ衛星を半額で打ち上げられる。液体燃料を使う日本の主力ロケットH2Aに比べても、打ち上げ重量当たりのコストは5倍近い。
 また、性能面では、M5は振動が大きいとの指摘があった。このため、搭載した衛星や探査機の精密機器に影響が出かねない、という懸念も聞かれた。
 M5は、宇宙探査を目指す旧文部省の宇宙科学研究所が開発した。開発が始まる90年までは小型の固体燃料ロケットしかなく、惑星探査など大型の計画には対応できなかった。
 実用衛星打ち上げを志向する旧科学技術庁の宇宙開発事業団は、当時、H2Aの先代ロケットH2を開発中だった。しかし、縦割り行政の下で、宇宙研のH2利用が検討されることはなかった。
 2003年に両組織が統合して状況は変わった。惑星探査へのH2A活用も考え、政府は今夏、M5退役を決めた。だが、その後をどうするか、ロケット開発の総合的な方針が、はっきりしない。
 M5より小型のロケットを開発する計画だが、性能や打ち上げ方式などが決まらない。載せる衛星も未定だ。10年前にも、統合前の宇宙研と事業団が共同で固体燃料のJ1ロケットを開発したが、コスト高で頓挫した例がある。
 別の計画として、液体燃料を使う中型衛星用「GXロケット」が官民共同で開発中だが、M5の後継ロケットと能力が重なる。役割分担をどうするか。GX開発自体も技術的に難航している。
 M5の退役で当面、日本のロケットはH2Aだけになる。トラブルが起きれば日本の宇宙開発がすべて止まるリスクさえある。放っておけば、M5までの開発で培われた固体燃料技術も失われる。迷走している暇はない。

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