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(回答先: 「ガリバー旅行記」と復党問題 [毎日新聞・余録] 投稿者 white 日時 2006 年 11 月 29 日 17:15:46)
□【天声人語】2006年11月29日(水曜日)付 [朝日新聞]
http://www.asahi.com/paper/column.html
スウィフトの「ガリバー旅行記」には、ガリバーが江戸で「踏み絵」をさせられそうになる場面がある。「皇帝」はガリバーがクリスチャンではないかと疑うが、結局は踏み絵を免除してやる。
踏み絵の登場する小説「沈黙」を著した遠藤周作さんにとっては、長崎で偶然に見た一枚の踏み絵が執筆への衝動となった。踏み絵は、十字架からおろされたキリストを抱きかかえるようにした聖母の像だった。木枠に、多くの人々に踏まれてついた黒い足指の痕(あと)らしいものがあった。
その踏み絵の周りで起きたことを考えるうちに、こんな心境に至る。「それは強者と弱者、――つまりいかなる拷問や死の恐怖をもはねかえして踏絵を決して踏まなかった強い人と、肉体の弱さに負けてそれを踏んでしまった弱虫とを対比することだった」(『遠藤周作文学全集』新潮社)。
命がけの、ぎりぎりの選択を迫られた踏み絵の時代は遠く去ったが、国会の周りでは、一枚の「誓約書」を巡る「踏み絵騒動」があるという。昨年の衆院選で郵政民営化法案に反対して当選した12人が、自民党に復党する条件として提出を求められた。
この12人に投票した人の多くは、当時の自民党や民営化法案に批判的だったのではないか。首相が、これこそが争点だと言った問題で自民党に反対した有権者の思いを、当時と今の党総裁はどう考えているのか。
「選挙で勝つためなら、何をやってもいい」。次の参院選をねらった、そんな党利党略、私利私欲の世界に持ち出されて、「踏み絵」も悲しんでいるだろう。
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