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(回答先: 米国は北朝鮮が各国のために裏で行う「プライベート・バンキング」利権に目をつけ英国を媒介として北朝鮮と事実上の協力 投稿者 どっちだ 日時 2006 年 10 月 20 日 13:55:00)
http://biz.yahoo.co.jp/column/company/ead/celebrated/person5/061006_person5.html
元外交官・原田武夫の『騙されない日本人のための投資戦略』
2006年10月6日 (第1、第3金曜日更新)
第15回 北朝鮮で今できつつある大きな「潮目」
「将来、何が起こるのか」を知る能力が日本人には必要だ
前回のこのコラムでは、一見穏やかそうに見えるアルプスの山間の町にも米国からの金融資本主義は着実に触手を伸ばしており、その姿が、来年5月から三角合併が解禁となり、外資系ファンドや投資銀行が地方の優良企業狩り(M&A)を根こそぎ始めるであろう日本の姿に重なることを紹介した。自分の身に降りかかってくることとはいえ、今現在のことではなく、将来生じることを語られてもついついピンとこないのが日本人である。しかし、他国との「比較」という視点が入るとさすがに何が問題か理解が深まるようで、このコラムを読んだ読者から「なるほど、そういうことだったのですか」といった感想が、私のもとに多数寄せられてきている。
しかし、それだけで終わらせてしまっていては意味がない。世界中を飛び回るマネーの流れが織り成す「世界の潮目」は、今こうしている間にも読者の皆さんのかたわら、そして地球の至るところで発生している。それをデイリーにつかみとり、「今何が起きているのか」ということについての真実を知るのみならず、「将来、何が起きるのか」を的確に予測し、それに備えていくことが、騙されない新しい日本人にとって必要な能力となってくる。とりわけ、来年5月より外資からの猛攻にさらされる地方の中小優良企業の経営者にとっては、そうした能力を身につけられるかどうかが死活問題となってくる。
北朝鮮で米国が金融ビジネス?
たとえば、北朝鮮問題一つとっても、日本人が知らぬ間に大きな「潮目」ができつつある。米国国務省の定例記者会見で先日、こんな不思議なやりとりがあった(9月7日)。まず、記者団が次のように質問する。
「北朝鮮にある信用銀行の株式を英国の投資会社が購入したとの報道があったが、これは米国が呼びかけている対北朝鮮経済制裁に反するのではないか」
すると、米国国務省の報道官は次のように答えたのだ。
「そのような報道があることは知っているが、それ以上の情報を持ち合わせていない」
これは何とも驚くべき対応だ。仮に日本や韓国の金融機関が同じように北朝鮮の金融機関への出資を行ったとしたら、米国は激怒したことであろう。いや、激怒するなどといった感情論だけではない。そうした北朝鮮への接近を事実として阻止すべく、米国は情報工作機関を駆使し、あからさまな攻撃をしかけてくるに違いない。その結果、下手をすると関係者の命すら危ない事態となる。それなのに、なぜ、英国は見逃されているのか。――そう考えることで初めて「世界の潮目」が見えてくる。
実は、北朝鮮問題をめぐって今、物事は大きく進展しているのである。米国は北朝鮮を「悪の枢軸」だという一方で、実際には北朝鮮をめぐるビジネスで自国が独占できる分野がないかを探ってきた。「核問題」という時には原子力ビジネス、「ミサイル問題」という時には(日本に対する)ミサイル防衛システムの売りつけといった具合にである。そして今、「違法金融取引」こそが問題であり、各国は対北朝鮮金融制裁を行うべきだと、米国は主張してはばからない。しかし、この流れでいうと米国が狙いをつけているのは、まさに北朝鮮をめぐる「金融ビジネス」そのものなのである。
「北朝鮮で金融ビジネス? 餓死者すら大量に出ているあの国で、そんなことありえないだろう」読者の皆さんはきっとそう思われるかもしれない。しかし、そう思うこと自体が実は、日本の大メディアが垂れ流す米国発のプロパガンダに完全に洗脳されている証なのだ。
旧態依然とした「美しい国」の外交手法
率直に言おう。東南アジアの各国をはじめ、世界中の国々の支配階層は、その大量の資金を北朝鮮に預け、運用を任せてきているのである。つまり、北朝鮮とは彼らの個人資産を運用する「プライベート・バンカー」なのである。そしてそのカネを運用するために、世界中に口座をつくり、時にマネーロンダリングすら行っているのである。とある東南アジアの国からは、北朝鮮への特使が毎年派遣される。一体何をしているのかといえば、何のことはない、その国の支配階層たちが預けたカネが増えているか確認し、来年もまた資産運用を任せるかどうかの商談にいっているのである。
世界中でマネーの流れを牛耳る米国、そしてそのシステムの大元を作った英国としては、これほど気に入らないことはないだろう。しかし、ここで「0 か1」の発想しかできない日本人と彼らの発想との間では大きく異なる。米英は北朝鮮をつぶすどころか、その金融ビジネスを温存し、その代わりに、分け前を頂こうと画策するのである。その一方で、周辺諸国、とりわけすぐ隣にあって1400兆円もの個人資産を抱えた金融立国である日本がそのことに気づいてはまずい。だから、日本に対しては「金融制裁を即時断行せよ」と迫っていくわけである。今春、大手メディアを突然退職した大物ジャーナリストが声高に「北朝鮮による違法金融の実態」を叫びだし、その著書が大ヒットした背景にはこうした米英の「金融ビジネス」をめぐる策動があったのである。
愚かなのは、素直に金融制裁にまで踏み切った日本である。9月26日に成立した安倍晋三総理はただでさえ経済に疎く、ましてやこうした策動がすぐ隣で、よりによって米英が行っていることをまったく知らない、と総理に最も近い高名な評論家氏から先日聞いた。それどころか、むしろあいもかわらず「日米同盟」を御旗に掲げ、米国からの要求に応じて北朝鮮を締め上げることで、かえって北朝鮮との極秘交渉の糸口を探ろうという「古典的な手法」に出ようとしているとも聞く。世界が「金融ビジネス」利権をめぐって動いているときに、旧態依然とした外交手法に拘泥する国。これが彼のいう「美しい国」の実態なのである。
「日本買い」は「計画的行為」であることに気づかなければ
その意味で、政治はまったくあてにはならない。英国が北朝鮮でこのような動きに出る一方、それと組んだ米国が黙認するという構造が続いているということは、北朝鮮問題は「金融ビジネス」をめぐる分け前が確定した段階で、跡形もなくなってしまう可能性すらある。そうなると、日本のマーケットをめぐる最大の地政学リスクがなくなるのだ。私は早ければそうした状況が来年6月までには生じるのではないかと見ている。その時、日本では何が起きているのかというと、三角合併解禁による外資の「日本買い」である。これは偶然ではなく、「計画的行為」なのである。気づかないのは日本に住む私たち、日本人だけである。
頼れないのは政治だけではない。大メディアも同じである。私が確認した限り、こうした英国の動きを報じた日本のメディアは一つだけであった。しかし、非常に小さな記事であり、こうした解説が付されていないため、読者には一体何を意味しているのかまったく見当すらつかないことであろう。そうである以上、今、日本、そして世界で一体何が本当に起きているのかを読み解き、時に警鐘を鳴らす役割を誰かが演じる必要があるのだ。とりわけ、英国、あるいは欧州のように地球の裏側にいる役者たちの動きに、日本人はまったくノーマークである。世界のあらゆる「策動」が実は欧州起源であるにもかかわらず、である。
そこで、忙しい日々を送られている経営者の皆さん、さらには「騙されない日本人」を目指す皆さんに成り代わって「世界の潮目」を毎日追い、これを解説するメールマガジン「元外交官・原田武夫の「世界の潮目」を知る」(外部サイト)を先日から発行し始めた。これは、個人投資家の方々を念頭に2週間に1回、マネー、そしてそれと不可分一体に動く政治と経済の大きなうねりをお伝えするCD「原田武夫通信」(外部サイト)よりさらに細かく平日、毎日お届けするものである。基本的に宵っ張りである私にとって、スタッフと一緒に毎日早朝、世界中へ「潮目」を狩りに出ることはつらいといえばつらいが、それでも誰かが真実を語らなければ日本は変わらないとの一心で発行している。幸い、多くの方々から「目から鱗(うろこ)が落ちた」と好評である。ぜひご一読のうえ、私たちと一緒に「世界の潮目」を追う旅へと出かけていただければと思う。
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