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首相訪中:実現の決め手は「次官ライン」
小泉政権時代に首脳会談が開けない状態にまで悪化した日中関係。政府・与党は首相交代を機に打開を図ろうといくつかのルートで中国に働きかけたが、最後に決め手になったのは谷内正太郎外務事務次官と戴秉国外務次官のラインだった。靖国問題をめぐる日中間の溝は埋まったわけではなく、「見切り発車」の側面は否めない。関係改善を本格的な軌道に乗せられるかは、両国首脳の政治判断に委ねられた。
●総合政策対話
「首相が代わった今こそ、首脳会談を開いて新しい日中関係の第一歩にしたい」
谷内氏は9月23〜26日に東京で開いた第6回日中総合政策対話でこう語りかけたが、戴氏は首を縦に振らずに帰国した。戴氏が一転、8日訪中の受諾回答を持って28日に再来日したのを受け、韓国に「セット訪問」を打診。谷内氏は28日夜、戴氏と会談して首脳会談の議題調整に入った。
谷内氏が中国とのパイプになり得たのは、中国各地で反日デモが起こった直後の昨年5月、せめて事務レベルの関係は維持しようと始まった総合政策対話を通じてだ。外務省嫌いで知られる安倍晋三首相からも信頼される一人。今年5月に戴氏の故郷・貴州省にまで出向いた第5回対話で外相会談再開に合意するなど、改善ムードの醸成に努力してきた。
●続く神経戦
ただ、靖国問題をどう扱うかは政治判断。中国が「ポスト小泉」重視の路線を鮮明にした今春以降、自民党の中川秀直幹事長が胡錦涛国家主席に近い鄭必堅・新日中友好21世紀委員会中国側座長らと接触、靖国問題の落としどころを探ってきたとみられる。安倍首相は参拝するか否かをあいまいにする方針を打ち出したが、「中川氏のアイデアではないか」(外務省幹部)との指摘もある。
しかし、中国側はあくまで首相が参拝しない保証を求め、最終調整は次官級の外交ルートに絞られた。外務省内で交渉に携わったのは谷内次官のほか佐々江賢一郎アジア大洋州局長らごく少人数。政府筋は「靖国については一切約束していない。ファジー(あいまい)なままだ」と、中国側との神経戦が続いていることを認める。
参拝自粛の合意なしに中国が訪中を受け入れた理由は定かでない。胡主席が江沢民前国家主席の「上海閥」一掃に動くなど権力基盤を固めてきたことが背景にありそうだが、胡耀邦元総書記が中曽根康弘元首相の靖国参拝(85年)も絡み失脚した歴史から、中国側は会談再開後に「裏切られる」ことを警戒する。
中国外務省の劉建超報道局長は4日、首相の訪中を発表する中で「中日双方は両国関係に影響を及ぼす政治的障害を克服し、友好協力関係を健全に発展させることで一致した」と、靖国問題の解決を求める姿勢を強調。これに対し、塩崎恭久官房長官は記者会見で「未来志向で議論されると思う」とけん制した。
毎日新聞 2006年10月5日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20061005k0000m010164000c.html
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