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(回答先: Re:米とイスラエルがイラクに新ユダヤ国家建設を計画 投稿者 中田英寿 日時 2006 年 10 月 04 日 08:55:08)
イラク戦争は「サルの争い」ジェーン・グドールさんに聞く
http://homepage.mac.com/ehara_gen1/jealous_gay/jane_goodall.html
2003年11月18日(中日新聞)
イラク戦争は「サルの争い」
動物学者で国連平和大使グドールさんに聞く
チンパンジーが道具を使うことを世界で初めて発表した動物学者で、国連平和大使も務めるジェーン・グドールさん(69)が本紙と会見した。戦争を抑止できない人類の愚行を嘆き、特にイラク戦争については「米軍の行為はサルの領域争いと同じ」などと非難した。(蒲 敏哉)
英国人のグドールさんは、タンザニアの密林で野生の類人猿を30年以上研究し、集団同士の抗争や、子殺しなど、人類にしかないと考えられてきた行動が、チンパンジー社会にも存在することを実証した。昨年から、ムハマド・アリ、ルチアーノ・パパロッティ各氏らとともに国連平和大使に任命されている。
資源争いが動機
──なぜ類人猿や人類は集団で殺し合うのか。
「チンパンジー集団の闘争は、雌や子ども、さらにバナナなどフルーツの奪い合いが原因だ。人類も結局、石油などの天然資源争いにより戦争を起こすことが多い。テリトリーの奪い合いが動機付けとなっている」
──どうして殺し合いをやめられないのか。
「人類は薬などの医療を発明する一方、核兵器も造っている。知性だけが突出し地球上で最も恐ろしい生き物になってしまう側面がある。そうなってしまう為政者がまだ世界中にいる」
──米軍のイラク侵攻をどう評価するか。
「ブッシュ大統領は当選するために石油や軍事産業から膨大な援助を受けた。それを払い戻すため、戦争を起こした。結局、石油同様、自分の力の基になるお金を手に入れたいということだ。戦うチンパンジーの雄は、集団を守るために奮い立って戦うが、イラクの米軍兵士は、そういう気持ちになっていない」
米軍支援は危険
──イラク戦争は自爆テロで泥沼化するのか。
「圧倒的に貧しい国の人は、圧倒的に豊かな国の人に対して怒りをいだきやすい。戦争が長引けば怒りも長引き、テロも増える。悪循環に陥っていることは間違いない」
──日本では、自衛隊のイラク派遣が進められているが…。
「イラク戦争自体に国連は反対の立場だった。これを止められなかったのは国連にとって大きなダメージだ。今、テロに遭いながらも国連は、この国を立て直す手助けをしている。自衛隊が国連の多国籍軍として平和を維持するために働くのなら良いが、米軍の後方支援として活動するのなら自衛隊は戦争に巻き込まれ殺されてしまう」
──人類が種として完全なる平和を勝ち得ることはできるのか。
「環境破壊が原因で、きれいな真水や健全な耕地が激しく減少している。心配なのは、これらの資源をめぐって起こる紛争や戦争だ。われわれには、たとえばインターネットなどの高度に発展したコミュニケーションの道具がある。これからはもっと大きな輪で反戦を訴えていく必要がある」
【TUP-Bulletin TUP速報129号 2003年7月11日「戦争が引き起こす環境破壊と人類への罪」から以下紹介】
チンパンジー研究の第一人者ジェーン・グドールさんが、戦争が環境にどのような悪影響を及ぼすか、人間を含む地球上のあらゆる生命への危機を語っています。平時にさえ環境破壊が進む現代、環境保護の地道な努力も、戦争が起きれば一瞬にして吹き飛んでしまいます。
戦争が引き起こす環境破壊と人類への罪
ジェーン・グドール
2003年6月12日、リサージェンス(蘇生)誌
現在のタンザニアにあるタンガニーカ湖岸でチンパンジーの研究を始めた1960年当時、チンパンジーの生息域は湖に沿ってブルンジからザンビアまで伸びていた。ゴンベ国立公園の丘から眺めると、森が内陸に向かって広がり、数カ所に村と畑がぽつぽつ見えるくらいだった。今の眺めは、まるで違う。国立公園の境界線まで開拓され、森林破壊、過耕作、土壌流出が起こり、森の動物が姿を消した。この荒廃の原因は、1960年以降の世界的な人口増加だけではない。追い打ちをかけているのが、近隣のブルンジやコンゴ民主共和国の戦争を逃れて来たおびただしい数の難民である。
難民は、生き延びるのに必死だ。保護地域にも大量の難民が住み始め、生き延びるために土地を開拓する。住まいとたきぎのために木を切り、食べられる動植物は何でも食べる。難民キャンプにくらす人々でさえ非合法な狩猟に出かけ、その狩猟範囲は広がる一方だ。このため、地域住民と難民との間に摩擦が起きる。天然資源の不足が、戦争を長引かせるばかりか、新たな争いも生むのである。
野生動物も家畜も、戦争から直接被害を受ける。兵士も野生動物を捕まえて食べるからだ。「生物多様性支援プログラム」の発表によると、コンゴ民主共和国で1996年、97年に起きた内戦で密猟が激化し、ある地域では、象の個体数が半減、水牛の数は3分の1になり、さらにカバは4分の1になった。ゴリラ、チンパンジー、ボノボ(ピグミーチンパンジー)は食肉取引のために当時すでに絶滅の危機に瀕していたが、戦争でさらに悪影響を受けた。また、市民も動物も、地雷の被害を受ける。そして、使用できなくなる農地が広範囲に及ぶため、原生自然地域の破壊が進む。戦時の混乱に乗じて、人々はダイヤモンドなどのお金になる資源を不法に掘り出すようになる。そこが保護地域であってもだ。
もっと恐ろしい結末をもたらす環境破壊もある。ベトナム戦争では、米軍および南ベトナム軍の視界を確保するため、米軍は悪名高い「エージェント・オレンジ」のような枯れ葉剤を使用して、ベトナムの森を広範囲に枯らした。この化学物質の使用量は1100万ガロン(4200万リットル)に上り、今でもこの地の環境に影響を及ぼしている。エージェント・オレンジに暴露されたことにより、無数の奇形児が生まれ、80−100万人が健康被害を受けているとベトナムの研究者は考えている。米政府は、この統計を疑わしいとしているが、ついに退役軍人に対して、ベトナム戦争に起因すると見られるさまざまな健康被害を補償することを決めた。二分脊椎などの病気(影響を受けた精子が原因で起きやすい病気)を患う子どもたちにも補償が行われることになった。
最近では、湾岸戦争とコソボ紛争での劣化ウラン弾の使用による被曝者も数え切れない。湾岸戦争症候群に悩まされる退役軍人は多く、その実情は現在も調査中である。有毒化学物質は、コロンビアでの麻薬撲滅戦争の中でも、薫蒸消毒のために定期的に使われている。このような環境汚染は、遠い将来まで人や動物の健康を脅かし続ける。
そして、大量破壊兵器もある。広島と長崎では、第2次世界大戦の終わりに原子爆弾が落とされて以来、今でもガンなどの発症率が高い。このような兵器は、人類史に汚点を残した。各国政府はその後も核兵器の開発、実験を続けており、さらに生物・化学兵器も加わった。これは、人類に対する犯罪であり、絶対に正当化できない。先進国が通常兵器を発展途上国に売りつけるために、途上国の人々が戦闘能力を持つようになってしまったのだが、大量破壊兵器を売却することは、さらに許しがたい。それに加え、このような兵器の開発時には、何十億もの動物が痛めつけられている。動物や環境だけでなく、核実験の被害を受けた人々は一体何人に上るのだろうか。
冷戦後のロシアにおける核兵器在庫の問題や、致命的な放射能漏れを防ぐのに必要な多額な資金については、すでに広く言われている通りだ。第2次世界大戦以降、世界中の海に放射性廃棄物が投棄されている。科学者たちは、投棄された核廃棄物容器からまだ放射能が漏れ出ていないとしても、その日は近いと予測する。だが、すべての投棄場所がはっきりしているわけではない。有害廃棄物の蓄積量は増えるばかりだ。
もしも世界大戦がまた起きれば、地球上すべての生きものに悲劇がもたらされるだろう。世界中の生態系はすでに、これ以上破壊されれば復元できないぎりぎりのところまで来ている。戦争になれば、復元は不可能になるだろう。もし先進国が戦争の準備の中で、石油のために野生生物保護区を開発するなどして環境規制を破り、そのような作戦が国民の安全を守るのに必要であり、環境保全より優先しなければならないことがあるのだと国民を説き伏せるとしたら、さらに状況は悪化する。平時にさえ、無責任に化石燃料を燃やし続ければ地球温暖化が起きるというのに、世界中で近代戦が起きれば、途方もない量の二酸化炭素が排出されるだろう。
一般市民にこのような事実が伝わることはとても重要なのに、残念ながら、このような話は敬遠されるのがオチだ。人々は、このようなことは知りたくも考えたくもない。そして、危険が迫るとダチョウが頭を砂に埋めるように、現実に目をつぶる。だが、このように頭を埋める砂が兵器などで汚染されれば、ダチョウにも、そして地球上のあらゆる生命にも、未来はないのである。
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ジェーン・グドールは、若者に環境・人道教育を行う『ルーツ・アンド・シューツ(根と芽)』プログラムの主宰者である。
(抄訳=五頭美知/TUP)
原文:http://www.alternet.org/story.html?StoryID=16160
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【関連サイト】
ジェーン・グドール インスティテュート ジャパン
George W. Bush or Chimpanzee?(Bush or Chimp)
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