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捨てねば…保身のため バラバラ殺人連鎖検証 【東京新聞】
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投稿者 愚民党 日時 2007 年 1 月 12 日 18:37:56: ogcGl0q1DMbpk
 

捨てねば…保身のため

バラバラ殺人連鎖検証

 年頭から猟奇的なバラバラ殺人事件が続く。東京都内で予備校生が妹を殺害したかと思ったら、すぐ近くに住むエリート外資系サラリーマンが妻に殺された。十一日は茨城県坂東市でもバラバラ死体が見つかり、負の連鎖は止まらない。不思議なことに都内の二つの事件は驚くほどに共通点が多い。異常な事件の背後に潜むモノは何か。検証してみた。 (橋本誠、片山夏子)

 二つの事件は昨年十二月、立て続けに発生した。死体遺棄容疑で逮捕された三橋(みはし)歌織容疑者(32)は十二日、自宅で夫の外資系証券会社員祐輔さん(30)を殺害。遺体を切断し電車やタクシーで運び、十六日に新宿区の路上で胴体が、二十八日には渋谷区の民家敷地内で下半身が発見された。

 二日後の三十日、同区内の歯学部系予備校生武藤勇貴容疑者(21)が、自宅で短大生の妹亜澄(あずみ)さん(20)を殺害。今月三日、自室のクロゼットなどから袋に小分けされた遺体が見つかった。

■共通点(1)富裕層

 どちらも、比較的裕福な家庭で起きた。新潟県出身の歌織容疑者と二〇〇三年三月に結婚した祐輔さんは北九州市出身で中央大法学部卒。外資系企業「モルガン・スタンレー・プロパティーズ・ジャパン」のエリートサラリーマンだった。住まいは新宿の高層ビルが見える十一階建ての賃貸マンション。「クールでリッチな感じで、恋人同士みたいだった」「モデル風の女性はとても目立った」と住民らは話す。

 一方、勇貴容疑者の両親は都心で開業する歯科医師で、祖父も歯科医師。兄は父親と同じ日本大学の歯学部に入学している。「おとなしくまじめな性格」(高校関係者)だった勇貴容疑者も父親の後継ぎを目指していたが、受験に失敗。それでも、三浪で迎えたこの冬も、年間授業料三百万円以上、合宿費五十万円以上の歯学部系予備校に通わせてもらっていた。

■共通点(2)暴力の影

 歌織容疑者は祐輔さんの捜索願を出した際、「仲が悪く、酒癖が悪い。今までも何日か帰宅しないことがあった」と説明。殺害を認めた後は「生き方が合わず、自分のことを否定された。いろんなことで言い争い、家庭内暴力(DV)で鼻を骨折したこともあった」と供述した。

 勇貴容疑者は亜澄さんと三年ほど口をきいていなかったと供述。「以前から、ごう慢でヒステリックだと思っていた」と弁護士に説明している。犯行当日は木刀で殴った後、生活態度などについて一時間ほど話し合ったが、「勇君には夢がないね」と言われて激高、首を絞め、浴室で水死させている。

■共通点(3)証拠隠滅

 歌織容疑者は三橋さんの虚偽の捜索願を提出し、自宅の床や壁紙を張り替えていた。勇貴容疑者も、のこぎりや包丁の血をふいて台所に戻したり、血が付いた衣服を洗濯するなどしている。その一方で路上に遺体の一部を放置するなど、綿密とはいえない乱暴さも目立つ。

 専門家も、両事件には共通点があると指摘する。聖学院大学客員教授の作田明氏(犯罪心理学)は「どちらの動機も、家族で自分の立場を阻害する存在、じゃまな人を排除したいこと。歌織容疑者は夫の暴力、勇貴容疑者は妹の存在自体が許せなかった。自分の明るい未来が閉ざされてしまうと、死体遺棄にまで至った」と分析する。

 家族間の殺人自体は昔からあるが、最近は屈辱感から自己愛的に引き起こされる犯罪が増えているという。「夫婦なら離婚すれば済むはずだが、歌織容疑者は自分を痛めつけた人間を抹殺したいという復讐(ふくしゅう)心が強かったのだろう。勇貴容疑者が妹に憤慨したのも同様の幼児的な感情。家族の間なのに勝ち負けの問題が生じてしまっている」とみる。

 元東京都監察医務院院長の上野正彦氏は「バラバラ殺人は一見残酷だが、残酷だから起きるのではない。殺害の動機は憎しみであっても、死体を遺棄する行動は『運びやすい』『捨てやすい』という保身の心理で起きることを間違えてはならない。だから、昔からバラバラ殺人の犯人は女性が多い」と指摘する。

 同種の殺人事件は大都会で多発するという。「田舎では土に埋めてしまえばいいが、都会ではできない。放置すれば、遺体が腐って見つかってしまう」と説明する。ただ歌織容疑者が電車で遺体を捨てた行動については「初めて聞いた。車がなかったからかもしれないが、安易な半面、大胆不敵。車内では不安だったと思うが、保身の気持ちが上回ったのだろう」とみる。

 そのうえで、「昔からバラバラ殺人はあったが、こんなに頻繁には起きなかった。生活がぜいたくで便利になった半面、人間に我慢強さがなくなっているのではないか。お金持ちの上流家庭ほど、その傾向が強い」との見方を示す。

 作家の佐木隆三氏は、歌織容疑者が体の部分は発見されやすいところに遺棄し、頭部は埋めていたことについて、「ばらばらならば(身元が)分からないと思ったのか、とにかく捨てたいという思いが強かったのか。隠ぺい工作もしてるので、自分の犯行だと分かってもいいということではないと思う」とみる。

 三橋さんの遺体の一部が最初に発見されたのが十二月十六日。その二週間後の三十日に短大生殺害事件が起きた。二つの事件に関連はあるのか。

 佐木氏は「事件には伝ぱ性や模倣性がある。前に起きた事件に刺激を受けたり、意識していなくても潜在的に影響を受けたりする場合もある」と説明する。

■『ホリエモン 村上F連想』

 さらに佐木氏は二つの事件を比べ、「どちらも高収入の家庭内で起きていることで思い浮かぶのは、ホリエモンや村上ファンドの事件。苦労せず高収入を得ることで、人への思いやりや社会規範が欠ける傾向にある社会的背景も今回の事件に無縁ではないかもしれない。夫婦間の愛憎の深さは昔から言われたが、今度の兄妹間での憎悪の深さがどこにあるのかが気になる」とコメントした。

■自宅で起きた2事件 距離たった1500メートル

 現場を歩くと、二つの事件が極めて狭い空間で、時間的にも交錯するように起きたことに驚く。

 渋谷区富ケ谷一丁目。夫を殺害し死体遺棄した三橋歌織容疑者の住むマンションの脇を片側三車線の井ノ頭通りが走る。周辺はマンションが立ち並び、近くに住む女性は「近所付き合いなんてない」と言い切る。マンションでも、管理人以外で同容疑者を知っている人はほとんどいなかった。

 夫の祐輔さんの切断された下半身が発見された同区神山町の民家は、マンションから歩いて十分足らず。歌織容疑者は遺体を入れたキャリーケースを台車に乗せて運んだと供述。マンションから坂を下り、夜も交通量の多い井ノ頭通りの交差点を渡って、車の入れない遊歩道に入ったとみられる。遊歩道は街灯がまばらで夜は暗い。

 民家は、門の脇に重い引き戸の施錠されていない通用口があり出入りできる。近くの主婦(40)は「日中は近所の人などが通るが夜は人通りがない。犬の散歩で毎日通るので以前から空き家なのは知っていた。よほど憎しみが強かったんでしょうね」と話した。

 上半身が見つかった新宿区西新宿の路上は、マンションから、車で十分あまり。歌織容疑者は「タクシーで遺体を運んだ」と供述。JR中央線や山手線がすぐ脇を走り、近くに専門学校やオフィスビルがあり、日中は人通りが多い。

 近くのダイビングショップの女性店員(24)は「植え込みの前にビニール袋の口も開けたまま置いたというから、発見を遅らせたり隠す気は無かったのでは」。

 現場には発見直後に近所の人が花を置いた。

 短大生が殺害された歯科医院は、歌織容疑者のマンションから約千五百メートルほどしか離れていない。国道20号から一方通行の道に入るとすぐに、マンションや雑居ビルに囲まれる中、三階建ての医院兼自宅の大きな建物が見える。警視庁の立ち入り禁止の黄色のテープがはられた家はひっそりとして人けが無く、車庫に置かれた花束は枯れていた。

<デスクメモ> 昼飯どきのジョーク。「警察は左うちわだな」「だって凶悪殺人事件が連続だぜ」「でも犯人は簡単にわかる。身内を調べれば、すぐ自供する」

 笑いながら心がささくれだつのが、わかった。家族も信じられない社会。一番安全なのは無人島か。二番目は宇宙空間か。そりゃ漫画の発想だといいたいけれど。(充)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20070112/mng_____tokuho__000.shtml

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