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2007年03月06日掲載 無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200703061117262
検証・メディア
20行で5000万円の請求、烏賀陽さんの闘い(上) 「オリコン訴訟」に大手芸能事務所の影
雑誌に寄せた20行のコメントが名誉毀損にあたるとして、5000万円の損害賠償を起こす会社が現れた。歌謡曲のヒットチャートで知られるオリコンだ。訴えられたのはフリージャーナリストの烏賀陽弘道さん。それも、掲載誌の編集部などは訴えの対象としない手口である。すでに第1回目の口頭弁論が東京地裁で開かれ、烏賀陽さんも反訴もした。言論の自由を脅かす訴訟であるにもかかわらず、大手メディアの反応は相変わらずニブい。(ベリタ通信=中邑真輔)
烏賀陽さんは元朝日新聞社記者。週刊誌アエラ編集部での勤務が長かった。2003年に退社し、現在は雑誌に寄稿したり、日本の音楽(Jポップ)に関する著作など発表している。今回の提訴により、「複数あった新書出版の話もストップし、生活を破壊された」と話している。
オリコンは昨年12月末、烏賀陽さんのコメントを掲載した月刊誌サイゾーと発行元のインフォバーン社を外し、烏賀陽さんのみを訴えた。
こうした訴えを英語ではSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)と呼んでいる。大企業や政府機関などが、意に沿わない個人・小さな団体の行動や発言を封じ込めることを目的に、起こす訴訟(いじめ訴訟)のことだ。
これに対して烏賀陽さんは2月8日、名誉毀損を理由に1100万円の損害賠償を求めてオリコンを反訴した。
今回の訴訟の主な問題点は次の2点だ。
(1)記者を組織から引きはがし、個人として訴えることが可能になった。
(2)批判的なコメントをしただけで訴訟の対象となっては、取材に協力する人がいなくなる。
IT・音楽ライターの津田大介さんは、オリコン側の意図をこう見る。
「オリコンはこれまでのノウハウを利用して、音楽以外のチャートを提供する総合チャート企業に変わろうとしている。そのような背景があり、自社のチャートシステムそのものの信頼性を疑わせるような記事や、著者を牽制する必要があったのではないか」(2月13日の烏賀陽さん支援集会での発言)
オリコンは2月7日付で、今回の訴訟の要点整理という文書を発表した。それによると、《インフォバーンを訴えることによって、当該コメント以外の記事全体に論点が拡大し、争点があいまいになってしまうことが危惧される》ために、烏賀陽さんだけを訴えたとしている。奇妙な論理ではないか。
そこで、烏賀陽さんがコメントを寄せた記事(サイゾー05年4月号)を読むと、そもそもの批判の矛先は、芸能プロダクションのジャニーズ事務所に向かっていたことがわかる。「オリコンの提供するチャートでジャニーズ所属のタレントのCDの売り上げが高いと言っても、その数字自体が操作されているのでは」というのが記事の意図だ。
人気タレントを多数抱え、芸能界で大きな力を持つとされるジャニーズに類が及ばないように、烏賀陽さんだけを訴えたのではないかとも考えられる(烏賀陽さんはジャニーズについて一切コメントしていない)。
「下」に続く
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