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http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061117k0000e040074000c.html
今年のノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行(バングラデシュ)の日本版といえる非営利金融「NPOバンク」の多くが、貸金業規制法の改正で存続の危機に陥っている。環境問題や街づくりなどに取り組むNPO法人や市民に資金を低利で融資するが、改正案に貸金業登録に必要な純資産額の大幅引き上げが盛り込まれ、条件を満たせない組織が多いためだ。改正案は今国会で成立する見通しで、全国のNPOバンクでつくる連絡会は「適用除外を」と訴えている。【田村彰子】
NPOバンクは、94年に東京で「未来バンク事業組合」(江戸川区、田中優理事長)が設立されたのをきっかけに各地に広がった。東京や愛知などに9団体あり、現在5〜6団体が設立準備中。未来バンク設立時には、グラミン銀行のムハマド・ユヌス総裁から「銀行体制の変革を意図した未来バンクの船出を聞き、うれしく思う」とのメッセージが寄せられた。
NPO法人も融資には貸金業登録が必要で、500万円の純資産が求められる。しかし、法改正案には悪徳業者の排除を目指し、純資産の5000万円への引き上げが盛り込まれ、2年半以内に対応することが必要になった。首都圏や都市部が基盤のNPOバンクは1億円前後の出資金があるが、大都市以外では多額の資金は集めにくい。半数近くの団体は存続が難しくなり、新規の設立は困難だという。
新潟コミュニティ・バンク(新潟市)は、04年の集中豪雨や新潟県中越地震からの復興を進める団体に融資するため、昨年7月に設立。県内の経営者やボランティアらが約600万円を出資しており、今秋にも貸金業登録し、最高200万円を年利3〜5%で融資する予定だった。しかし、5000万円を集められず、登録できなくなった。長崎忍常任理事は「このままでは融資ができない」と話す。
中越地震の被災地、十日町市の地域おこし実行委員会は、同バンクから15万円の融資を受け、地域の案内看板作りに使う予定だった。山本浩史代表は「自分達のような資金力のないところが融資を受けられるありがたい存在なのに」と語る。
金融庁企画課信用制度参事官室は「悪徳業者がNPOバンクを隠れみのにする可能性もある。事業の公益性を法で線引きするのは難しい」と適用除外に否定的だ。
これに対し、全国NPOバンク連絡会は、金利の上限を定め、貸出先と金利を公開するなどの対応策を示し、適用除外を求める。同連絡会の坪井真里さんは「多くのNPOは助成だけでは活動を継続できない。NPOバンクの需要はこれからもっと高まる」と話している。
毎日新聞 2006年11月17日 15時00分