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バンカメ飛躍の原動力（上）Ｍ＆Ａで全米に店舗網――純利益、４―６月銀行最大。2006/10/02, 日経金融新聞, 1ページ, 有, 1815文字
日経金融新聞
http://www.nikkei.co.jp/ks/
バンク・オブ・アメリカ株価と日経平均比べ １０年
http://finance.yahoo.com/q/bc?s=BAC&t=my&l=on&z=l&q=l&c=%5EN225
３５００万超す口座 預金に強み
【ニューヨーク＝財満大介】米大手銀バンク・オブ・アメリカ（http://www.bankofamerica.com/index.cfm）が成長を加速している。四―六月期の純利益で米シティグループを逆転。株式時価総額でも一時上回り、「世界最大の銀行」に躍り出た。米南東部ノースカロライナ州の地方銀行から出発し、絶え間ないＭ＆Ａ（合併・買収）で全米にネットワークを広げた巨大銀行。急成長の原動力を探った。
「過去二十年の銀行合併の歴史の中で、我々は紛れもない勝者だ」。九月十八日、国際通貨基金（ＩＭＦ）・世界銀行総会に出席するためシンガポールを訪れたバンカメのケネス・ルイス最高経営責任者（ＣＥＯ）は、政府要人を招いた朝食会でこう宣言した。
四―六月期の純利益は一七％増の五十四億ドル（六千三百億円）と五十二億ドルのシティを逆転。株価は上昇し、八月八日に時価総額でも一時シティを上回って世界一に躍り出た自信をみなぎらせた。
ＡＴＭ１万７０００台
ノースカロライナ州シャーロットの本社ビル。本部に併設された資料館に「米国で最も野心的な銀行家」の写真が掲げてある。前ＣＥＯのヒュー・マッコール。海兵隊出身で、同州の中堅地銀だったネーションズ・バンクを率いて西部のバンカメリカなどを次々に傘下に収めた。跡を継いだルイスＣＥＯも北東部のフリート・ボストンとの統合を果たし、全米に版図を広げた。源流となる地方銀行を十八世紀までさかのぼるとその数は三千を超える。
従業員二十万人、五千七百店舗、ＡＴＭ一万七千台――。大企業金融や国際業務主体のシティやＪＰモルガンと違い、無数の地銀の集合体であるバンカメの武器は、その圧倒的なネットワークだ。預金残高、カード発行枚数、オンライン振り込み、小切手決済はいずれも一位。純利益の六割を稼ぐリテール（小口金融）を軸に着実な業務を集約して規模のメリットを享受する。
中でも強みは預金にある。口座数は三千五百万を超え、年間二百万口座ずつ増加。金利の低い決済用預金を大量に取り込み、資金調達コストを下げることで利ざやを稼ぐ。金利上昇局面ではライバルに差をつけてきた。
少額の口座は残高が最低限度を下回ったり、小切手が不渡りになれば手数料を徴収する。サラ・フォークナー個人部門セールス担当役員は「高額預金者からは金利収入が増え、残高が少額になるほど手数料収入が増える」と口座獲得のメリットを強調する。
他行を刺激
「仏頂面でお客に『ネクスト（次）』と叫ぶような行員はここにはいない」。シャーロット近郊のバンカメ支店。トッド・ウィリアムズ統括マネジャーは言う。実は同氏は金融業の経験ゼロ。大手衣料品チェーンから接客向上のためスカウトされた。
既に預金シェアは連邦規制の一〇％に達し、新たな銀行買収はできない。それでも自然成長によるシェア拡大を模索する。
バンカメの拡大指向は他行を刺激してきた。総資産で抜かれたＪＰモルガン・チェースはバンクワンと統合。シティグループも西海岸の貯蓄金融機関（Ｓ＆Ｌ）大手の買収を模索し、都市部の出店競争は激化した。今後も米金融界の台風の目となり続けそうだ。
モリナＣＦＯに聞く
参入分野で１位に
アルヴァロ・デ・モリナ最高財務責任者（ＣＦＯ）に事業戦略を聞いた。
――バンク・オブ・アメリカの基本戦略とはどのようなものか。
「参入した事業分野で一番になることだ。最大のサービス供給者こそが、その市場から最大の利益を得られるからだ」
――規模拡大のメリットは。
「既存の顧客基盤、商品、地理的な広がりという強みをさらに活用できること。特にオンラインも含めたネットワークの広がりは重要だ。顧客は最も支店が多く、最もＡＴＭへのアクセスが便利な銀行を選ぶ」
――米景気の減速に伴い、個人消費が悪影響を受けるが。
「二〇〇一年の景気後退の前後で家計の金融資産はそれほど減少しなかった。景気減速でも人々は必要な消費はするし、クレジットカードも使う。悲観していない」
――中国建設銀行への出資など国際展開を進めている。
「米国の基盤はほぼ完成したので、他の地域で展開する方が容易というだけだ。建設銀にはノウハウを提供しながら長期関係を築きたい」
――日本市場は。
「リテールを展開する可能性は低いが、法人向けでは多くの可能性がある。日本企業の買収も可能性としてはあり得るが、まず資本市場での自力成長を優先する。米国の商品をアジアで販売することも考えたい」
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- 「消費者物価指数も日米では全く異なる概念ではないのかな……、などと考えました。」 山下真一デスク 【日経金融新聞】 hou 2006/10/03 07:15:18
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