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(回答先: Re:仰天!1バレル260ドル説も出てきた[ゲンダイネット] 投稿者 アメリカ言いなりでヤコブ病 日時 2006 年 9 月 19 日 18:51:53)
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=28353
【浜田和幸「ついに石油は枯渇したのか!」】
2006年9月13日 掲載
毎日1000万バレルの石油不足
米中は油田確保に血眼
アメリカと中国との間で、石油をめぐる激しい争奪戦が演じられている。両国が軍事力までバックにして油田を確保しようとする理由は明らか。ブッシュも胡錦涛も、資源枯渇のシナリオが現実のものとなりつつあると考えているのだ。
国際エネルギー機関(IEA)によれば、現在、世界では1日当たり約9000万バレルの原油が消費されている。アメリカのエネルギー省の予測では、これが2025年には1億2000万バレルまで膨れ上がるという。20年以内に、需要が急拡大する中国を含めたインド、日本の3カ国だけで、世界の石油の8割をのみ込むようになるだろうとしている。
問題は石油の供給サイドにある。原油の1日当たりの生産量は年々減り続け、今日では世界全体で8000万バレルしかない。需給関係はいまでも毎日1000万バレルの不足ということだ。イラクやイランなど、政情が安定すれば増産が見込める地域もあるが、地球規模で見ると、「2007年ピーク説」があながち「悲観的過ぎる予測」と言い切れない現実がある。03年以降、新規の油田開発で5億バレル以上の埋蔵量が確認されているケースがゼロに近い状態が続いているからだ。
ブラジル沖やメキシコ湾で新油田発見のニュースも聞かれたが、大手石油メジャーは原油採掘を放棄してしまった。いずれも深海油田で、通常の場合でも埋蔵量の20%程度しか採掘できないのに、深海ではさらに技術的・コスト的制約は大きくなるから、断念も無理からぬ話だ。シェルの幹部に言わせると、「自前の開発ではリスクが大きすぎる。新たに採掘可能になった油田を買収する方が賢い」となってしまう。
世界中で石油の需要は高まる一方だが、供給は先細るばかり。当然、限られた原油の争奪戦は熾烈(しれつ)を極めることになる。アメリカは中東の油田確保に血眼になり、中国はアフリカのスーダンに数十万規模の人民解放軍を送り込み、油田開発とパイプラインの建設、警備に当たらせている。
日本はイランで「日の丸油田・アザデガン」の自主開発権を獲得したものの、アメリカのイラン制裁決議を受けて、身動きが取れない。中東での自主開発油田をアザデガン一本に絞ってきたことが、わが国を苦しい立場に追い込んでいる。ブッシュ政権からは、イラン攻撃の可能性やその際は日本の油田も被害を受ける危険性を示唆され、イラン政府からは早急に工事を進めなければ、開発権を剥奪(はくだつ)すると脅かされている。日本の資源外交の先見性のなさ丸出しといえよう。
【浜田和幸・国際未来科学研究所代表】