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(回答先: 北朝鮮・核問題:地下核実験準備報道 豊渓、核実験場か否か 米情報機関で見解不一致(毎日新聞) 投稿者 gataro 日時 2006 年 8 月 28 日 21:53:13)
http://www.kamiura.com/new.html
8月28日
[概要]北朝鮮の核実験に注目が集まる中、米メディアが「核実験場」と報道した威鏡北道豊渓の地下施設について、本当に核実験場か否かが米情報機関の間でも見解が一致していないことが複数の関係者の証言でわかった。
北朝鮮の核実験場と疑われるトンネル群に関し、03年4月に国防省や国務省やエネルギー省の情報担当者12人が、2週間にわたり綿密に検討を行った結果、「地下核実験施設と判断する証拠はなく、可能性は残る」と最終結論を行ったという。そのときに情報担当者の間で情報の評価をめぐり、見解の不一致があった。当時も現在も状況は変わっていないという。
米ABCテレビは今月17日に、豊渓のトンネル周辺で「不審な車両の動き」とケーブルのリールを確認したと報道した。これを核実験の準備と報道したが、核実験とは無関係との解釈することもできる。北朝鮮の核実験準備情報には不透明感が漂っている。
[コメント]フィクションの話しで恐縮だが、私が94年7月に出版した軍事小説「北朝鮮 最後の謀略」(二見書房刊)では、北朝鮮が北部の廃鉱を利用して地下核実験を行うシーンがある。金正日は核実験をアメリカが探知することを承知の上で準備を進めると小説のストリーを展開している。北朝鮮はわざと米軍の偵察機が探知しやすいように、地下核実験場の入口付近に大量の通信ケーブルを設置し、核実験が間近ことをアメリカに通告するという意味である。また核実験場周辺には、米特殊部隊の破壊工作を警戒する部隊を幾重にも配置し、また米軍攻撃機からの爆撃に備えて対空部隊も要所要所に配備していると書いた。そうすることで、アメリカは在韓米軍配備の偵察機で、地下核実験場での詳細な動きを探り、実験に参加している核技術者の顔写真まで撮影し、核兵器技術責任者を特定できるまで情報の精度を上げたとさせた。そのような情報を米国のNSC(国家安全保障会議)はリアルタイムで入手し、核実験後の対応策を検討させているというストーリーだった。
金正日がこの時期に核実験を行う動機を、父・金日成が死亡すれば、それに代わる巨大な権威を持つためとした。ちょうど本が出版された同年同月の7月に金日成は死亡している。
当時は今のように無人偵察機は高性能ではなかった。それに代わり活躍させたのは在韓米軍で今も配備されているU−2偵察機である。また日本の美保基地にある電波情報施設(旧別室)も、金正日が乗ったヘリのパイロットの通話を傍受し、その音紋から金正日総書記が搭乗し核実験場に向かうことを探知したと書いた。もし今であれば、北朝鮮近海の海中に潜航し、核実験場で飛び交う微弱電波や空中を漂う核関連粒子を採取する海自・潜水艦の任務を付け加えると思う。
このような情報収集以外に、米軍や自衛隊の情報部隊は、宇宙からのKH−12偵察衛星や、北朝鮮の近海上空を飛行する電波収集機や、地上を精密に捕らえる開口合成レーダー搭載機が、北朝鮮の核実験場の情報収集を行っている。
そのような幾重にも重なった監視体制では、北朝鮮が意図的に公表する意志無しに核実験を準備することはできない。それよりもアメリカが警戒しているのは、金正日が意図的に核実験をやると見せかけ、危機を高めておきながら核実験を行わないことである。過去にも北朝鮮は、地下核施設を思わせる大規模工事を行いながら、アメリカの査察を条件付けで受け入れて、アメリカから莫大な査察料を稼いだことがある。むろん地下施設には核関連施設はなかった。それどころか、地下施設の使用目的さえ不明のままだった。まんまと北朝鮮はアメリカにニセ工事で一杯食わせた。
だから現段階でのメディア的な表現では、北朝鮮の核実験の可能性は5分5分と書くことが最も適当な表現なのである。
しかし私は北朝鮮が地下核実験を行うことは自殺行為であると思う。それから日本の政治家に言っておきたいが、韓国のイ国防相の様に「北朝鮮は現在1,2個の核爆弾は持っている」(8月25日 発言)などと言わないで頂きたい。そのような証拠はないし、わざわざ北朝鮮の核保有を認知してやる必要はない。金正日を喜ばせるだけの話しである。