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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20060816/20060816_009.shtml
【ベイルート15日共同】イスラエルとレバノンの民兵組織ヒズボラの戦闘が停止する中、レバノン政府内で、国連安全保障理事会の停戦決議が求めるヒズボラの武装解除をめぐり対立が表面化した。合法政党として連立政権に参加するヒズボラが早期武装解除を拒否したためだ。さまざまな宗教・宗派の利害が交錯するレバノン政治が不安定化する恐れもある。
13日、レバノン軍の南部派遣を議論する予定だった閣議が急きょ延期された。原因は武装解除をめぐる各派の意見対立。閣議が全会一致で安保理決議を受諾した翌日の出来事だった。
シリアの影響下にあるヒズボラの武装解除はこれまでも、親シリア派と反シリア派がせめぎ合う連立内閣の懸案事項。各派代表が2月以降、協議してきたが、行き詰まっていた。決議であらためて武装解除が焦点に浮上したが、ヒズボラ指導者ナスララ師は14日「急いで決着させることはできない」と、早期実施を明確に拒否した。
一方、イスラエルとの戦闘を戦い抜いたヒズボラは国内で発言力を強めている。「政府は頼れない。ナスララ師こそがリーダー」(南部の女性)などと、シーア派市民の支持は厚い。
反シリア派のシニオラ首相も「戦場での抵抗戦士の強さは重要だった」とヒズボラを称賛せざるを得ない状況となっており、昨年のシリア軍撤退で反シリア派に傾いた各派のバランスに、揺り戻しが起きる可能性もある。
国民各派を分裂させないよう、要職を宗教・宗派ごとに分け合い、各派の合意を大切にしてきたモザイク国家レバノン。世論と決議のはざまでシニオラ首相は難しいかじ取りを迫られている。
=2006/08/16付 西日本新聞朝刊=
2006年08月16日01時46分