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まあ、なんと申しましょうか。本当はテロを実行してから「摘発」したかったのだが、「パキスタン政府に逮捕されたため」やむを得ず事前に逮捕せざるをえなくなってしまった、という無念さがにじみ出ているような記事だな。
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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/news/20060814k0000e030038000c.html
英テロ計画:メディア、摘発舞台裏伝える…1年間近く監視
英国で摘発された旅客機爆破テロ計画に関連して英情報局保安部(MI5)は14日、国内へのテロ警戒レベルを5段階で最高度の「危機的」から4段階目の「重大」に下げた。最高レベルの危機は脱した形だが、13日の英メディアは、1年近くにわたって容疑者グループを監視下に置いてきた英当局が7月末から一気に摘発へと動いた舞台裏を伝えた。前代未聞の旅客機同時空中爆破テロ計画はいかにして食い止められたのか。【ロンドン小松浩】
◆1年間の監視
ロンドン警視庁とMI5が容疑者グループを監視下に置いたのは昨年7月のロンドンテロ直後の8月ごろ。イスラム系情報源の通報が端緒だった。インディペンデント・オン・サンデー紙によると、電子メールや携帯電話のチェック、全地球測位システム(GPS)を使った車の監視を続け、50人以上いた容疑者を二十数人に絞ったという。
MI5と米連邦捜査局(FBI)の情報交換などから、容疑者グループが英米間の旅客機爆破テロを計画している可能性が高まった。今年3月には容疑者グループが英国発米国行きの複数の便の料金を問い合わせ、12人が米国のビザ(査証)を申請したことが判明した。7月末には容疑者グループが化学物質と実験用眼鏡を注文したこともわかり、事態は切迫していった。
◆急きょ逮捕へ
英政府はテロ決行を8月後半か9月以降とみていたようだ。サンデー・タイムズ紙は標的はヒースローはじめ英国内4空港を離陸する米国行き旅客機で決行は今月下旬と伝えた。ブレア首相は8日から予定通り、休暇でカリブ海に出発した。
当局のシナリオが変わったのは、パキスタンに潜伏していた英国籍の国際テロ組織アルカイダ工作員、ラシド・ラウフ容疑者が7月末から8月にかけパキスタン政府に逮捕されたためだ。英当局は同容疑者を「黒幕」とみて監視を要請していたが、このタイミングでの逮捕は想定外だった。
同容疑者は英国内で逮捕されたタイブ・ラウフ容疑者の兄。英当局は、ラシド容疑者と通信が途絶えたことで英国の容疑者が捜査を察知し、前倒しでテロに走る恐れが高まったと判断。9日夜の緊急閣僚会議で10日未明にかけ容疑者を一斉に逮捕すると決めた。
◆氷山の一角か?
英国で逮捕された容疑者らの自宅からは爆発物になりうる過酸化物入りのボトルなどが多数押収された。サンデー・タイムズ紙によると、逮捕者にはアルカイダの英国での指導者も含まれ、パキスタンの訓練キャンプに送り込む役割を果たしていた。
だがテロの脅威が去ったわけではない。同紙は逃走した容疑者グループの一味が「第2段階」として地下鉄や港湾、鉄道を狙ったテロを起こす危険があると伝えた。
オブザーバー紙は当局筋の話として、追跡している英国内のテロ組織は20以上あると報じた。今回摘発されたのはその一部にすぎない。リード内相は「英国は第二次世界大戦以降、最も重大な安全保障の脅威に直面している」と語っている。
毎日新聞 2006年8月14日 10時50分 (最終更新時間 8月14日 13時50分)