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(回答先: 【FT】なぜ中東の炎は鎮火できないのか <中>(goo国際ニュース) 投稿者 gataro 日時 2006 年 8 月 04 日 22:44:53)
http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060803/ft-20060803-03.html から転載。
【FT】なぜ中東の炎は鎮火できないのか <後>
2006年 8月 3日 (木) 21:46
(中編より続く―http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060803/ft-20060803-02.html)
ふたつ目は2004年4月の出来事。2年前よりさらに大勢のムスリムたちが、テレビを愕然と見つめていた。テレビ画面は二元同時中継で分割されていることもあった。画面の半分には、ファルージャを破壊する米軍が映し出され、もう半分には、ガザ南部ラファを破壊するイスラエル軍が映されていた。イラク・アブグレイブ刑務所における米軍虐待スキャンダルが暴露されたのは、この直後。そしてブッシュ大統領は4月16日、西岸地区の不法入植地にイスラエルがとどまることを認める書簡を、(現在は意識不明状態の)アリエル・シャロンに送ったのだった。アラブ諸国は米国のこの書簡を、「第二のバルフォア宣言」と受け止めた(訳注:「バルフォア宣言」とは1917年に英外相がユダヤ人有力者に対して、パレスチナにおけるユダヤ人国家建設を約束した書簡)。
三つ目の出来事は、現在進行中だ。ブッシュ米大統領とコンドリーザ・ライス米国務長官は、イスラエルの戦争目的実現を「外交」と勘違いしている。中東でかろうじて残っていたかもしれない米国に対する好意的な評価など、砲撃で焼け焦げたベイルート南部やレバノン南部の焦土の下に埋まっている。
今のこの現状について、慎重に考えるべき側面がひとつある。米国および米国と協力関係にあるスンニ派諸国はイラク戦争後、イラン主導でシーア派過激主義が勢力を拡大することに危機感を募らせていた。そしてイスラエルは、この情勢を正確に認識したというわけだ。
イスラエルがレバノン攻撃を開始した当初、エジプトやサウジアラビア、ヨルダンといったスンニ派諸国の政府の間では、一見するとヒズボラが攻撃されている事態を、ひそかに喜ぶ雰囲気さえあった。最初のうちは。サウジアラビア当局者は「正当な抵抗」と「無責任な冒険主義」を混乱してはいけないと戒めていた。サウジ王国の国教ワッハーブ派の聖職者たちは「偶像崇拝的シーア」に同情してはいけないと、信徒たちに説教していた。しかしイスラエルが何のためらいもなくレバノン人の生命や生活を破壊してまわるに至り、事態は完全に一変した。
アラブ諸国の指導者たちは、湾岸やレバント(東地中海沿岸)地域で、イランの影響力が拡大することを恐れてはいるが、実際はそれにも増して、自分たちの国民の反応を恐れているようだ。
米政府ときわめて親しいサウジアラビアのアブドラ国王は2002年、アラブ連盟の首脳会議をまとめ上げ、1967年の第三次中東戦争(六日間戦争)の全占領地返還と引き換えにイスラエルを国家承認するという中東和平案を提案した人物だ。しかし、そのアブドラ国王でさえもがレバノン攻撃を受けて、「永遠に続く忍耐などない」とイスラエルに警告しているのだ。アブドラ国王は言明した。危険がこれほどはっきりとあからさまになり、危険がこれほど高まったことはないと。「イスラエルの傲慢のせいで中東和平が破綻するならば、戦争のほかに選択肢はない」と。
(http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060803/ft-20060803-02.html)←前のページ 1 | 2 | 3 →1(http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060803/ft-20060803-01.html)