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【FT】なぜ中東の炎は鎮火できないのか <中>(goo国際ニュース)
http://www.asyura2.com/0601/war83/msg/318.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 8 月 04 日 22:44:53: KbIx4LOvH6Ccw
 

(回答先: 【FT】なぜ中東の炎は鎮火できないのか (goo国際ニュース) 投稿者 gataro 日時 2006 年 8 月 04 日 22:39:25)

http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060803/ft-20060803-02.html から転載。

【FT】なぜ中東の炎は鎮火できないのか <中>
2006年 8月 3日 (木) 21:41
(前編より続く―http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060803/ft-20060803-01.html

 新たに権力を握ったイラクのシーア派がいなければ、米国の「自由プロジェクト」はとっくの昔に完全崩壊していただろう。しかしイラクのシーア派は、シーア派の多く住むレバノンがイスラエルによって破壊されつつあることと、そのイスラエルの行動を米国が容認していることに、激怒している。イラクのシーア派過激派指導者モクタダ・サドル師が率いる民兵組織マフディー軍は、ヒズボラをモデルに組織されたもので、米軍が2004年にイラク・ナジャフで大掃討作戦を展開したときには、ヒズボラはマフディー軍と共に米軍と戦っている。それだけにマフディー軍は、レバノンの現状を前に、再び決起したくてウズウズしているのだ。

 レバノンでの戦いがエスカレートするシナリオとしてはほかにも、もっとわかりやすいものがある。ヒズボラがこれまでの脅しを実行に移し、長距離ミサイルをイスラエル中心部に撃ち込めば、たちまち戦いは拡大する。戦況がまたたくまに拡大している今の状況からすると、これは避けられない展開のように見える。そして、そんなことになればイスラエルは怒り狂うに決まっているのだ。

 イスラエルの連立政権は権力基盤が弱く、イスラエル軍司令部の顔色をうかがわざるを得ない状態にある。そしてイスラエル軍は(ヒズボラに兵士を拉致され)プライドを傷つけられているだけでなく、中東地域における抑止力の弱体化を深く懸念している。そんな状況だけにイスラエル軍にとって、ヒズボラを庇護し支援しているシリアやイランに仕返ししてやろうという誘惑は、とても強いもののはずだ。

 ハマスやヒズボラが挑発的に仕掛ける国境紛争が、なぜこうして一気に地域戦争の瀬戸際まで悪化してしまったのか、検証しておくべきだ。重要な原因のひとつは、ブッシュ政権にある。ブッシュ政権は恐ろしいことに、外交的に全く役立たずで、かつ、より良い未来を切り開くためには(イスラエルが)ひたすら砲撃するのが一番だと信じている。このまさに致命的な組み合わせが、今のレバノン情勢を形作った大きな要因のひとつなのだ。
 
 中東における最大の不安定要因──つまりイスラエルとパレスチナの関係──が長くほったらかしにされて腐りかけていたのは何も、イラク統治の大失態に米国がエネルギーをかけすぎたからではない。「パレスチナ国家」をどうするこうするというレトリックはともかくとして、イスラエルはヨルダン川西岸の占領地域や東エルサレムのアラブ人地区の土地を、少しずつ少しずつ、自分たちのものにしてきた。そしてジョージ・W・ブッシュ米国大統領は、これを容認してきたのだ。

 中東で展開しているのは、現代で最重要なドラマのひとつだ。しかしアラブ諸国、ムスリム諸国において、米国は信頼を完全に失墜させている。宗教国家イランよりも、民主主義国アメリカの方が危険な国だという結果が、イスラム圏で行われた複数の世論調査から出ている。米調査会社ギャラップによるムスリム動向調査でも、こうした結果が出た。調査の結果、「米国は危険な国」」と答えた回答者のほとんどが敵視しているのは、西側の価値観そのものではなく、米国の政策なのだと明らかになった。ムスリムが米国を敵対視するようになったのは、ブッシュ政権下でおきた三つの出来事が原因だという。

 ひとつ目は、2002年4月の出来事。アラブ世界は愕然として衛星テレビを見つめていたのだ。ブッシュ外交のとりはからいによって、イスラエルが西岸地区に再侵攻できるようになり、そしてまだまだ脆弱なパレスチナの政府機関を次々とずたずたにするのを、アラブ世界は暗然と見つめていた(ちなみに、2006年1月パレスチナ総選挙におけるハマス勝利の下地が、このときに作られたわけだ)。


http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060803/ft-20060803-01.html)←前のページ 1 | 2 | 3 次のページ→(http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060803/ft-20060803-03.html

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