★阿修羅♪ > 戦争80 > 1160.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
対イラン:同盟国政府が偽情報を捏造(ティエリ・メイサン;ボルテール・ネット)全訳
6月4日付のボルテール・ネット(スペイン語版)は、この情報グループの責任者ティエリ・メイサンの筆になる論文『《反ユダヤ主義の風聞》イラン:同盟国政府が偽情報を捏造している』を掲載しました。情報操作だけのための根も葉もないニュースの捏造とそれによる精神支配が、各国政府とシオニスト・メディアの手によって大規模に堂々と実行されているわけです。
先日、カナダのシオニスト系メディア王が発行している『ナショナル・ポスト』が、まことしやかに「イランはユダヤ人やキリスト教徒に(ナチス当時のような)身分記章を強制着用させる法律を制定した」という完全なる大嘘デッチ上げの記事を載せ、「イラン=現代のナチス・ドイツ」という“悪魔化”宣伝を企てたのですが、すぐにバレて見事に失敗しました。
ところが、ホワイトハウスの猿ブッシュがこのシオニスト嘘つき野郎(訳文中に登場するアミール・タヘリ)をイラン事情に詳しい専門家として招聘した、とのこと。ホワイトハウスとはマンガよりもひどい“バカ殿宮殿”です。こんなことで戦争が画策されているのですから。(それに追従している日本政府はそのバカを上まわるドンデモ・バカですが。)
(このイキサツについては下をご覧ください。)
http://americablog.blogspot.com/2006/06/bush-invites-fake-iran-story-guy-to.html
Bush invites fake-Iran-story guy to White House as "expert" on Iran
http://www.truthdig.com/report/item/20060531_molly_ivins_iranian_badge/
Iran Badge Fabricator Goes to Washington
さて、ヴォルテール・ネット(フランス語版)のティエリ・メイサンは最新の論文で、各国の政府がいかに意図的にこのデタラメ情報を膨らませて、それをシオニスト・メディアがまことしやかに世界中にタレ流しているのか、を分析しています。そこに必ずドガンと打ち出されるのが例によって「アンチ・セミティズム(反ユダヤ主義)」ですね。
最初にドガンと大きな声でわめいておいて、後から小さな声で「間違っちゃった」と言えばよいだけの、嘘デタラメを元にした誹謗中傷で十分に役に立つわけです。最初に言った声の方だけが聞く者の脳ミソに刷り込まれますから。これがシオニストの心理戦争の真骨頂でしょう。その最初の「ドガン」を作ったネオコン情報捏造屋をホワイトハウスが雇うのも、むべなるかな、といったところです。
以下に、スペイン語版ボルテール・ネットからの和訳を貼り付けておきます。訳文中の[1],[2]等は注釈番号で、脚注もスペイン語部分は翻訳しておきます。また原文ではフランス語版ヴォルテール・ネットにリンクしてある箇所は英語版にリンクさせています。
********************************************************************************
http://www.voltairenet.org/article139822.html
《アンチ・セミティズムの風聞》
イラン:同盟国各国政府は偽情報を捏造している
ティエリ・メイサン筆
[9・11以来、そしてイラク戦争以来の何をやっても処罰されないことが保証される状況のおかげで、ネオコン主義者たちは、風聞と誹謗中傷を垂れ流すために各国の最も上級の機構を何のためらいも無く利用している。確認や分析よりも即座の結び付けと感情移入を重要視する情報垂れ流しメディアを操作して、イランを、差別的な記章を衣服につけるように義務付けた、などと非難した。これは嘘なのだが、効果的であり打撃を与えるものである。米国、オーストラリアそしてカナダの政府が、このゲームに手を貸している。]
http://www.voltairenet.org/IMG/jpg/400-9.jpg
(↑:映像:)
2006年8月4日
パリ(フランス)発
モハメッドのマンガの後、現在はイラン・イスラム共和国に対して戯画化するときがやってきた。この悪の頭目に対するトップ会談の後で、ジョージ・W.ブッシュは、イラン攻撃の意図を隠そうとせず、毎日のようにこの決定の正当化のために方向付けられる新たなデタラメ情報を出してみせる。その最も最近のもには「zonnar」すなわち宗教的な差別に関するものである。
《中傷して、中傷しまくれ。その中の何かが当たるだろうから。》(Beaumarchais)
【注記:Beaumarchaisは18世紀フランスの劇作家】
http://www.voltairenet.org/IMG/jpg/Amir-Taheri-155-2.jpg
(↑:映像:アミル・タヘリAmir Taheri.このBenador Associates出版局のネオコン幹部の一人が偽情報の源である。)
5月19日金曜日、トロント(カナダ)のナショナル・ポストは、『イランで異教徒のためのカラー記章』と題される、亡命イラン人のジャーナリスト、アミル・タヘリによる記事を公表した。[1]
この著者は、イスラム教徒の礼儀正しい衣装を定めた1982年の法律の改定に関するMarjlis(国会)での議論の様子を描いている。この記事によると、アフマディネジャッド大統領の圧力の下で、国民の全員が「イマンの宗派が戻ってくる」時に誰も彼もが見た目で同じようになるために、徐々に制服を強制していくだろう、ということになっている。
この記事は言う。450万人の公務員たちは2009年までにこの制服をまとい、「貧困者と生活保護者」に制服を着せるために8億ドルが振り向けられるだろう。他の法律が男性の顔(頭髪、鼻髭と顎鬚)の様子を決めるために作られるだろう。要するに、イランは全体主義の国に変化する寸前である、ということになる。ことのついでに、アミル・タヘリは、イスラム教徒以外の人々を区別するための記章(『zonnar』:でっち上げだが)を使用するように強制することを強調している。ユダヤ人たちは衣装の上に黄色いエンブレムを縫い付けなければならない。キリスト教徒たちは赤、ゾロアスター教徒は青である、と言う。
この短い記事について何の確認もされずに、ナショナル・ポスト紙が、タヘリの情報をカナダ在住のイラン人による信頼の置ける情報として詳しく伝えたのである。そしてすでに投票が行われ長老であるアリ・ハメネイの承認を待つのみであると断言された。ナショナル・ポスト紙は同時に、サイモン・ヴィゼンタール・センターの幹部であるラビ、マーヴィン・ヒエール(Marvin Hier)の関連発言を得るという作業を行った。彼は次のようにコメントした。「これはホロコーストを思い起こさせるものだ。イランはますますナチスの思想に近づいてきている。」[2]
同紙のウエブ・サイトでこの記事は、このラビ・ヒエールの「危険な傾向だ。イランは新たなナチス・ドイツに変わりつつあるのだろうか」という発言に関して、著作家たちに対して即座に賛成か反対かの形で応答するように意見聴取を行ったのである。[3]
http://www.voltairenet.org/IMG/jpg/McCormack-Howard-Harper-400-2.jpg
(↑:映像:右からシーン・マコーマック、ステファン・ハーパー、ジョン・ハワード。それぞれ、米国国務省の広報官、カナダとオーストラリアの首相。この中傷記事が出された数時間後に、この3人が同時並行的に記者会見でこれに同調する発言をした)
同日、米国国務省の広報官であるシーン・マコーマック(McCormack)が、記者会見の席上でこの記事に関して次のように発言した。『私は[このテーマに関する]記事を読んだ。再びそれ【注記:ナチズム】が現れようとしていると感じる。私の理解するところでは、間違いなく一つの法案が存在し、実際に議会で議論されている。その正確な本質は明らかではないので、深く突っ込んだり決定的で詳しいコメントを出したりしてすべての要素を明らかにすることは控えたい。言えることは、イランであれどこであれ、もしそのようなことがあるなら、それは恥ずべきことであろう、ということだ。』[4]
同時並行的に、オタワでの共同記者会見の間で、カナダとオーストラリアの首相に対して、一人の記者によって、米国国務省で行われたものと同様の言葉で質問が行われたのだった。オーストラリアのジョン・ハワードは次のように語った。
『そんなことは今まで聞いたことがないが喜んで質問に答えよう。それが確かなら、それは全く屈辱的なことだ。
世界史の中で最も恐ろしい大量虐殺の時期の繰り返しが取り扱われていることは明らかである[5]。その時期には、ユダヤ人たちはナチスに強制されて衣服の上に記章を付けて明らかにしなければならない法律があったのだ。そしてそのようなすべては文明国にとって全面的な屈辱である。もしそれが問題になっているなら、それはその政権の性格を指し示す以上のものである。
もしそれが事実であれば、それは間違いなく、単にキリスト教徒のみならず、とりわけユダヤ人にとってはもっと大きな攻撃だろう。そしてそれはイスラエル国家と直接の関係を持つ。イスラエルは憎しみと名誉毀損の議論の目標となっているのだ[6]。私はこれらの記事を見ていないのだが――きっとごく最近のものなのか私が理解できない言語で書かれてあるものなのだろうが――もしこれが事実なら、皆さん方は私の視点をご存知だし、他の政府も同様の対応をすることはご想像いただけるだろう[7]。ムチャクチャな話だ。』
そしてカナダの首相、ステファン・ハーパーも強調した。
『皆さんはご存知なのかな。今話題になっていることに対してどう言って良いのかも分からない。ハワード首相にならって「もしそれが事実なら」という言葉で私の返答を始めよう。不幸にして、我々はイラン政府について、その種のことをやる可能性が非常にあると示唆できるものをすでに十分に見てきているのだ。
私は、人々に対してナチス・ドイツを思い起こさせることをやりたいと願う政権がこの地球上に存在すると考えることは驚異的だと思う。我々がずいぶん以前からイランの政権について多くのことを見ていることを皆さん方はご存知なのだろうが、実際にその種の手段を検討するなどと、私は憎むべきことだと思う。そして――皆さんは、核能力を手に入れようとするイランの明らかな意図に関連する困難な問題を前にして我々が同盟を強化する途中であることをご存知なのだが――このことが、そのような行動や思考を検討している可能性がある一つの政権の性格について[我々の同盟を]より結束させることを、私は期待する。』[8]
5月20日土曜日に、アミル・タヘリの記事は、一字一句そのまま、ニューヨーク・ポスト紙によって再び掲載された[9]。その間に、数多くのシオニスト団体や福音主義者団体が非難のメッセージを公表したのである。
にもかかわらず当のナショナル・ポストは、後になって、このタヘリの告発記事が根拠無く書かれたものであることを認めたのである。イラン国会で議論された法律は、国家や国旗への採用を定めるような、国の外装を定義することを目的として持つが、制服を強制するようなものは完璧に何一つ無いのである。その法律は差別的な要素を全く持たず、国会の議論の期間でその種の変更は全く述べられなかった。すべては、このプロパガンダ新聞にいる責任ある人間たちが総がかりでやった「心理戦争での一つの作戦」以外の何物でもなかったのである。
アミル・タヘリはかつての独裁者シャー・レザ・パーレヴィ(Reza Pahlevi)の協力者だった。タヘルはその時期に国営新聞ケヴァン(Khevan)の編集長だった。現在はネオコンの機関、シオニストのBenador Associatesのメンバーである。彼らは対イラク戦争を推し進めるための偽情報垂れ流しで中心的な新聞を運営した。
彼の記事は最初にナショナル・ポストに現れた。この新聞は2001年にCanWest Globalに買い取られ、現在は2名の自由主義者でネオコンのLeonardとDavid Asperによって運営されている。このアスパー兄弟は、公営テレビをイスラエルに対して不公平であると非難することでカナダでは有名なのだ。タヘリの記事はその後ニューヨーク・ポストで再現されたが、これはルパート・マードックが所有する大衆紙である。
http://www.voltairenet.org/IMG/jpg/sarkozy_wiesenthal_award-200-2.jpg
(↑:映像:2007年のフランス大統領選挙で候補となっているニコラス・サルコジは、2003年にサイモン・ヴィゼンタール・センターで『人種的寛容』賞を授与された。)
現在の著作家たちはきっと、サイモン・ヴィゼンタール・センターが最近、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領に対して名誉毀損のキャンペーンをはったことを思い出すことだろう[10]。ここもまた、タヘリの記事と一緒にだが、イランに対する非難のコメントを発表したのだ。もっと言えば、ニコラス・サルコジ(Nicolas Sarkozy)との2つ書簡をやり取りする間に、サイモン・ヴィゼンタール・センターは現在、サッカーのワールドカップ応援のためにドイツに来るかもしれないアフマディネジャッド大統領を阻止する目的のキャンペーンを組織しているのである。
このキャンペーンの元は、シーン・マコーマックやジョン・ハワードやステファン・ハーパーといった国家の主要人物とつるむ者達に援助を仰ぐものであった。彼らのそれぞれは、そのコメントの中では用心深い表現で次のように口に出すという作業を行っている。『もしそれが事実なら』と。しかしながら、米国国務省と政府の首脳が問題となっている事柄について知らなかったというように考えるなら、よほど天真爛漫といえる。米国、オーストラリア、カナダは、イランの政治情勢や議会での議論に対して大変な注意をはらっているのだ。外交官たちや分析官たちが日常的に、一枚一枚の文書を研究し絶えず注釈や報告を書いているのである。
長い議会の論議期間とそしてそれほど重要な法律が彼らの監視の目から逃れたというようなことは不可能だ。『もしそれが事実なら』という公式は、その情報が否定された際に簡単に取り消せるためのものである。しかし何よりもそれは、彼らにいま現在、そして何の障害も無しに、視聴覚的なメディアが垂れ流す一見確定的に見えるような声明を形作ることができるのだ。様々なそれを取り巻くイメージを引き起こす比喩――ナチス政権のそれと黄色い星を身に付けよという命令との――が、それ自体が強制されるわけではないのだが、あらゆる機会に繰り返されることになる。アミル・タヘリの記事が他の事柄を全体主義に結び付けるようなものではなかったにせよ、イランに対する戦争の正当化を果す、ハーパーは最終的にはそこまでの言及を行わないのだが、その目的だけを持っているのだ。
いつもの通り新聞記者たちがこの大嘘を鳴り響かせたことに注意しなければならない。例の新聞が書いた通りにである。このデッチ上げを告発したテヘラン駐在の新聞特派員は皆無で、この捏造を役立たずにしてしまったのは各国大使館の声明と議会の表明だった。このゲームに参加しなかった日刊紙が必ずしも誠実だというわけではない。過半数が週末の期間に発行せず、単に月曜日になってこの件に取り組むことができただけである。そのときにはこの大嘘がばれていたのだ。
その一方で、アンチ・セミティズムの非難がまたしてもその効力を発揮したのだ。その感情に訴える力は、情報の広め手であるメディアに、それを垂れ流す以前に検討することが義務であると思わせないほどに強烈なものなのだ。
[脚注]
[1] 《イランの異教徒に色の標識》アミール・タヘリ筆、ナショナル・ポスト、2005年5月19日【訳注:現在この記事は真っ白に消されている。】
http://www.canada.com/nationalpost/story.html?id=398274b5-9210-43e4-ba59-fa24f4c66ad4&k=28534
[2] 記事原文の該当部分 «This is reminiscent of the Holocaust. Iran is moving closer and closer to the ideology of the nazis»
[3 ]記事原文の該当部分«Dangerous Parallel: Is Iran turning into the new nazi Germany ?»
[4] マコーミックの発言記録« I have seen the news reports. These have, I think, recycled over time. There is – as I understand it, there is a – some law currently in the parliament, the exact nature of which is unclear, so I’m not going to try to delve into giving a definitive comment or a detailed comment about something about which I don’t have all the facts. That said, if you did have such an occurrence, whether it was in Iran or elsewhere, it would certainly be despicable »
情報源: http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2...
[5] ブッシュと同様に、ハワードは福音主義派の信徒である。彼にとってユダヤ人虐殺は歴史上の他のどの虐殺よりも重要なことだ。それが『選ばれた民』に対するものであり、キリストの再臨に先立つ善と悪の戦いの時期を示すものだからである。
[6] あるデタラメなキャンペーンの中で、アフマディネジャッド大統領のせいにされた言葉を連想させる。参照:Tricky Headlines(ヴォルテール・ネット英語版、2005/11/23)
http://www.voltairenet.org/article131510.html
[7] この部分の英語原文«Well I hadn’t previously heard of that, but I’m very happy to give you a response. If that is true I would find that totally repugnant. It obviously echoes the most horrible period of genocide in the world’s history and the marking of Jewish people, with a mark on their clothing by the Nazi’s, and anything of that kind of would totally repugnant to civilised countries – if it’s the case – and something that would just further indicate to me the nature of this regime. It’s a calculated insult – if it’s true – not only to Christians, but most particularly to Jews, and therefore it has direct connotations for the State of Israel, that it’s been the object of hate speeches and speeches of vilification. Now if this is true, and I haven’t seen the reports, they must be very recent, or they must have been written in a language I don’t understand, but obviously if it is the case then you know my views and you can imagine what the response of other governments will be to such things. It would be appalling » Fuente: http://www.pm.gov.au/news/interview...
[8] この部分の英語原文«You know I don’t know that I can add all that much. I’ve only seen the reports. Like Prime Minister Howard I’ll couch my answers with the beginning to say if they’re true. Unfortunately we’ve seen enough already from the Iranian regime to suggest that it is very capable of this kind of action. I think it boggles the mind that any regime on the face of the earth would want to do anything that could remind people of Nazi Germany. However you know we’ve seen a number of things from the Iranian regime that are along these lines and the fact that such a measure could even be contemplated, I think is absolutely abhorrent. And I would hope that, you know as our allies rest with the difficult issues surrounding Iran’s apparent desire to attain nuclear capacity, that they will reflect carefully on the nature of a regime that would even contemplate such actions or such ».
[9] 《IRAN OKS 'NAZI' SOCIAL FABRIC:YELLOW LABEL FOR JEWS AS CHILLING
DRESS CODE ECHOES THE HOLOCAUST》という挑発的な見出し書かれてある。
http://www.nypost.com/commentary/68850.htm
[10] 参照:Is it necessary to burn Hugo Chávez?(ヴォルテール・ネット英語版、2006/01/18)
http://www.voltairenet.org/article134010.html
【訳注:これに関しては下記の阿修羅投稿を参照のこと】
http://asyura2.com/0601/war77/msg/586.html
サイモン・ヴィゼンタール・センター、でっち上げ「反ユダヤ発言」でチャベスを誹謗中傷