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(回答先: 【おーるさんが残したデータベース】 イラク開戦2003 03/03/22 (土) 【新じねん】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 4 月 14 日 05:22:35)
イラク開戦2003
03/03/23 (日)
http://csx.jp/~gabana/Sizen/Zizi/world/Iraq/Iraq-news0303-23.htm
バグダッド攻略戦、25日までに開始か
イラクに進攻した米英軍の地上部隊は23日(現地時間)、クウェート国境から約240キロの地点に達し、バグダッドまでの中間点を越えた。
一部の部隊はすでに首都まで約160キロのナジャフに到達、イラク側と交戦した。ロイター通信によると、英国防省筋はバグダッド攻略戦が25日までに始まると述べた。米英軍は、イラク側の抵抗が続く南部のバスラの制圧は見送り、首都包囲に全力を注ぐ構えだ。一方、バグダッドなどへの空爆は23日も昼夜を問わず、断続的に行われた。
【ワシントン=大内佐紀】米統合参謀本部のマクリスタル作戦副部長(少将)によると、米陸軍第3歩兵師団を中心とする部隊は22日、クウェート国境から150キロ余りの要衝ナシリヤを攻略、ユーフラテス川にかかる橋を渡って、バグダッドへの進撃を続けた。
副部長はイラク軍の精鋭部隊「共和国防衛隊」などの戦意は衰えていないとも指摘。「道はまだ遠い」と述べ、バグダッドに近づくにつれ、激戦も予想していることを示唆した。
AP通信によると、先陣を切る米陸軍第3歩兵師団の第2旅団は22日夜から23日朝にかけ、イスラム教シーア派の聖地ナジャフ近郊で、イラクの支配政党バース党の民兵部隊と交戦。イラク側の100人以上が死亡した。
マクリスタル作戦副部長はバグダッド到達の時期について、「現時点では予測不可能」と述べるにとどまったが、ロイター通信によると、英国防省筋は「24日夜から25日にかけ、バグダッドへ攻勢をかけたい」と語ったという。
また、バスラ攻略から転戦して第3歩兵師団に合流する米海兵隊の第1遠征軍は「72時間以内の首都到達」を目指すという。
南部では米英軍がイラク第2の都市バスラや港湾都市ウンムカスルをほぼ掌握したが、23日、激しい銃撃戦が発生するなど、イラク側の抵抗が散発的に続いている模様だ。
しかし、米英軍は双方の犠牲を伴う市街戦は回避、最小限の部隊でイラク側の抵抗を封じ込める方針だ。その一方、一部の部隊をバグダッド攻略に転戦させている。
フランクス米中央軍司令官は22日、ドーハの前線司令部で開戦後初の記者会見を行い、バスラの戦況について、「戦闘するつもりはない。住民も米英軍を歓迎している。これは解放であり、占領ではない」と述べ、同市を平和的に完全掌握する方針を示した。
一方、23日も巡航ミサイルなどによるイラク各地での空爆が続いた。フセイン大統領の故郷ティクリートも標的になった。
また米国は22日、トルコが米地上軍の駐留を拒否していることから、トルコ沖に停泊していた米艦船をペルシャ湾岸に向け、移動を開始させた。(読売新聞)
フセイン大統領は生存、米が認識示す
【ワシントン=大内佐紀、カイロ=秦野るり子】イラク戦争で重大関心を集めるサダム・フセイン大統領とその側近の消息について、米国防総省のクラーク報道官は22日の記者会見で、イラク指導部との投降・亡命交渉が「現在も継続中」と述べ、イラク政権中枢が空爆を生き延びたとの認識を暗に示した。
一方死亡説が流れたラマダン・イラク副大統領は23日、空爆後初めてバグダッドで記者会見して自らの死亡説を消すとともに、「フセイン大統領は無事だ」と語った。
ラマダン氏は、フセイン大統領の肉声が20日朝の国民向け演説以来、途絶えていることについて、「闘いを率いるのに忙しいからだ」と説明。「イラク国民や国際社会は、時に応じて大統領の声を聞くことになる」と、「フセイン健在」を強調した。
ただし、大統領の2人の息子と大統領の側近でやはり死亡説が報じられたイブラヒム革命指導評議会(RCC)副議長、マジド元国防相は、公共の場への登場が無く、依然消息が確定しない。フセイン大統領自身も、イラク時間で22日夜の国営テレビで、ラマダン副大統領らと会議中の模様が放映されたが、会議の日時場所は公表されなかった。
バグダッドからの報道では、市民の間では「フセイン大統領は生きているのか、死んだのか」のうわさが絶えないとされ、市民もテレビ映像の多くが過去の映像であると見ているだけに、米英軍の大規模空爆が続く中で、フセイン大統領は公の場に姿を現す必要に迫られている。
一方の米政府は、「フセイン大統領死亡」を望みながらも、イラク時間で20日明け方に行われた米軍ミサイル攻撃で、フセイン大統領が死亡しなかったとの見方に傾いている。
米NBCテレビによると、ブッシュ大統領が22日招集した国家安全保障会議(NSC)では、フセイン大統領に国外脱出を認める条件が中心議題となった。「生存」を前提にあくまで亡命をうながすという意向で、米政府は、フセイン大統領を「重要戦犯」と認定しながらも、フセイン亡命で戦争を短期終結させる方針を捨てていない。交渉のルートとしては、フセイン政権に近いフランス人外交官やアラブ諸国の仲介があり、亡命先にはモーリタニア、リビアなどが取りざたされている。(読売新聞)
艦載機がバスラ近郊空爆 多数は爆弾投下せず
【米空母キティホーク艦上23日共同】ペルシャ湾北部の米空母キティホークの海軍当局者は23日、同空母艦載機のF18戦闘攻撃機など計7機がイラク南部で22日、イラク軍と戦闘していた第1海兵師団を援護するため空爆を実施したと発表した。
7機は、バスラ北西のアルクルナで精密誘導爆弾13発を投下、イラク軍の大砲などを破壊したとしているが、実際の成果など詳細は不明。米軍機に被害はなかった。
22日から23日未明にかけて同空母から出撃した136機のうち、70機が地上軍支援作戦に参加したが、イラク軍との大規模な砲撃戦はなく、多くは爆弾を投下せずに帰還。このため23日は出撃態勢をやや縮小し、延べ約60機の出撃になった。
ペルシャ湾の空母3隻の艦載機は、今後も地上軍の支援を行うとみられるが、早期にバグダッド市街戦突入となれば、限定的な出撃となることも予想される。(共同通信)
米軍のパトリオット、英空軍機1機を撃墜か
【ロンドン=飯塚恵子】英軍広報官は23日、クウェート北部の対イラク国境地帯で同日午前、英空軍機1機が米軍のパトリオット地対空迎撃ミサイルに誤って撃ち落された可能性がある、と発表した。
オブライエン英外務担当閣外相は同日、BBCラジオに対し、撃墜された空軍機は戦闘爆撃機トーネード(2人乗り)で、イラクでの任務を終えてクウェートに帰還する途中だったと語った。
英首相官邸筋は23日、米英軍内の事故が相次いでいることについて、「こうした事故は避けられないものだが、首相官邸全体が非常に沈痛な空気だ」と語った。(読売新聞)
<イラク戦争>精鋭「共和国防衛隊」と「大統領警護隊」の実像
【アンマン小倉孝保】米英軍に比べ軍事力で圧倒的に劣勢なイラクにあってフセイン大統領が最も頼りにするのが共和国防衛隊と大統領警護隊(特別共和国防衛隊)だ。大統領周辺に配置されたこうした精鋭部隊は、他の国軍兵士に比べ士気が高いとされ、最後まで強力な抵抗をみせる可能性が高い。
イラク軍の詳しい戦力は不明だが、共和国防衛隊はバース党を中心とするイラクの現体制の維持が目的で7万人。大統領警護隊は大統領と家族の守護を目的に2万5000人。
いずれも、フセイン大統領が最も信頼するとされる二男クサイ氏が直接指揮し、旧式の武器に頼るイラクで、密輸で購入した数少ない新型兵器が優先的に配備されている。
国軍が主に18〜24カ月の兵役義務の兵士で構成されるのに対し、両隊の兵士はフセイン体制に忠誠を誓っている家族からリクルートした職業軍人が中心。入隊前には、治安機関を使った徹底した身元調査が行われ、過去に親類が反政府運動に加わった者や外国人との交流がある家族などは入隊できないとされている。
イラクの一般の軍人は月給が数ドル程度。イラク人ジャーナリストによると、「徴兵年齢になったから、仕方なく部隊に行っている者がほとんどで、大統領のために戦う動機も感じていない」という。
一方、両隊兵士の月給3〜400ドルが支払われているとされる。これは公務員の平均給与が10ドル程度とされるイラクにあっては破格の待遇。イラクの一般市民は「共和国防衛隊に家族が入隊したら家族、親類全員を養っていける」というほどだ。
イラクの一般国民には反フセイン感情が強く、大統領のために死を選ぶ兵士はほとんどいないのが現状だ。しかし、共和国防衛隊と大統領警護隊は現在のフセイン体制の下で恩恵を受けている階層で構成される。政権が崩壊すれば、市民の反発が自身や家族に向かうことを恐れており、そうした事情が徹底抗戦の動機でもある。
このほか、大統領の長男ウダイ氏が率いる「フェダイン・サダム」は砂漠地帯でのゲリラ戦を専門にしており、地上戦になれば力を発揮する。フセイン大統領や長男ウダイ氏はこれまで、「相手が手の届くところまで来たら、イラクの強さを見せつけてやる」と述べている。
大統領は市民を盾に、精鋭両部隊で抵抗を続けることで戦闘を長期化させ、米国を含む国際社会に反戦気運が高まることを期待しているようだ。(毎日新聞)
<イラク戦争>米軍がチラシ2500万枚投下、投降呼びかける
【ドーハ福島良典】イラク主要都市に対する精密誘導爆弾や巡航ミサイルを使った大規模空爆と並行し、米軍はイラク軍に対してチラシ、ラジオ、電子メールなどで投降を呼びかける情報戦を活発化している。
米中東軍司令部によると、米軍はバグダッドなどへの大規模空爆「衝撃と畏怖」を開始した21日、「イラク軍部隊に投降を促し、民間人の犠牲を少なくする」ためのチラシ200万枚以上をイラク全土に対して投下した。チラシはイラク兵に対して(1)積極的に降伏し(2)大量破壊兵器の使用を避け(3)油田に手をつけない――ように警告した。
米軍は昨年10月2日以来、ラジオ放送、チラシ投下などによる情報戦に着手。中東軍司令部によると、これまでにイラク上空から投下されたチラシは2500万枚以上に達している。
カタール英字紙ペニンシュラなどによると、米軍はこれら一般兵士、民間人に対するチラシ作戦とは別に、イラクの精鋭部隊「共和国防衛隊」司令官などの電子メール・アドレスを情報機関を通じて入手。電子メールで投降や、フセイン大統領に対する蜂起を呼びかけているという。(毎日新聞)
米英軍、ウンムカスルでイラク軍と激戦
[ウンムカスル 23日 ロイター] 22日に米軍が制圧したとしていたイラク南部の戦略的要衝ウンム・カスルで、米英軍がイラク軍と激しい戦闘を繰り広げている。
同行の記者によると、23日にイラク軍が米英軍部隊を攻撃、銃撃戦となった。
英戦闘機による2度の空爆後には、白布を振って投降の意志を示すイラク兵の姿も見られ始めた。
米海兵隊第1連隊の部隊長によると、ウンムカスルに投入された共和国防衛隊員は120人以上との情報を、拘束したイラク軍当局者から聞き出したという。
米海兵隊は、これらのイラク兵が立てこもっている港湾施設を戦車や戦闘機で攻撃している。(ロイター)
24日夜にも首都で地上攻撃 英国防筋
【ロンドン23日共同】英国防筋は23日、ロイター通信に対し、米英軍が24日夜から25日にイラクの首都バグダッドでの地上攻撃を開始する見通しだと語った。
同筋は「(イラク南部の)バスラでは中心部での戦闘に入るつもりはない。焦点はバグダッドだ。バグダッドでは共和国防衛隊との厳しい戦闘となるだろう」と述べた。(共同通信)
<イラク戦争>米軍基地で手榴弾爆発、1人死亡、米兵を拘束
クウェートの米軍スポークスマンによると、23日午前1時半(日本時間同7時半)ごろ、クウェート北部の米軍101空挺部隊基地の司令テントで手榴弾が爆発、米兵1人が死亡、12人が負傷した。同部隊の米兵1人が手榴弾を投げた疑いで拘束され、取り調べを受けている。米兵が手榴弾を投げた動機など詳細は不明。(毎日新聞)
<イラク戦争>イラン領を誤爆の可能性 米「調査する」
米国務省のリーカー副報道官は22日、米軍機のものとみられるミサイルがイラン領を誤爆したことについて、イラン政府に対し「報告を深刻に受け止め、調査を進める」とスイスを通じて伝えたと語った。イラン政府は米軍のミサイル4基が着弾し、少なくとも2人が負傷したと抗議していた。(毎日新聞)
日本政府、ヨルダンとパレスチナ自治政府に援助
[東京 23日 ロイター] 日本政府は、米軍主導のイラク攻撃の影響が懸念される隣国ヨルダンに対し、1億ドル(約120億円)の無償資金援助を行う。
外務省が明らかにした。
パレスチナ自治政府に対しても、国連機関を通じて420万ドル(約5億円)の食糧支援を実施するという。(ロイター)
米軍のB52爆撃機が出撃=英
【ロンドン23日時事】米軍のB52戦略爆撃機2機が23日昼(日本時間同日夜)、英国南西部グロスターシャー州にある英空軍基地を離陸した。 (時事通信)
<イラク戦争>大量破壊兵器は未だ見つからず 米軍幹部
【ワシントン斗ケ沢秀俊】「現時点では、イラクの大量破壊兵器は発見されていない」。米軍幹部が22日、相次いでそう明らかにした。米政府は一貫してイラクが大量破壊兵器を保有、開発していると主張し、その破壊を戦争の大義名分に掲げてきた。米国防総省は「バグダッド周辺に必ずある」としているが、存在を立証できない場合、戦争に反対してきたフランスはじめ諸外国から批判が高まるのは必至だ。米軍は秘密部隊を中心に発見に全力を挙げている。
米統合参謀本部のマクリスタル作戦副部長は同日の記者会見で、「米軍部隊は今のところ、生物・化学兵器を発見していない」と述べた。国連決議で廃棄が定められているスカッド・ミサイルについても、「発射されていない」と語った。米中東軍のフランクス司令官も同日、生物・化学兵器が見つかっていないことを明らかにした。
国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の査察に関連し、イラクは過去に保有していたVXガスや炭疽(たんそ)菌やスカッド・ミサイルは既に全て廃棄したと主張している。
しかし、米政府はイラクがマスタードガス、サリンなどを含めた生物・化学兵器やスカッド・ミサイルを廃棄せずに保有していると主張し、「武装解除(大量破壊兵器の廃棄)」を戦争目的の一つとして挙げてきた。
開戦後、イラク西部に侵入した特殊部隊を中心に、米軍は大量破壊兵器の発見に努めている。イラクから20日以降、クウェートに向けて発射されたミサイルは当初、「スカッド・ミサイルか」と報じられたが、射程の短い別のミサイルだと判明した。
米国の軍事専門家はこれまで、生物・化学兵器が発見されていない一因を「保管場所がバグダッド周辺に集中し、かつ地下に隠しているため、見つけにくい」と推測、「イラクは神経ガスのサリンやVX、びらん剤のマスタードガスを使う能力を持っている。サリンは調合に時間がかかるため、実際に使うとすれば、VXかマスタードガスだろう」と指摘する。
一方で、「化学兵器の材料を持っていたとしてもすでに古くなり、実際に武器として使える状態にあるかどうかは疑問」との見方もある。
国防総省は、フセイン・イラク大統領直近の軍隊である共和国防衛隊が生物・化学兵器を使う可能性があると見ている。
同省が発見の鍵を握ると期待しているのは、生物・化学兵器開発に関与した科学者からの事情聴取だ。フランクス司令官は「作戦が進めば、大量破壊兵器はそれを製造、管理していた人物とともに見つかるだろう」と話している。(毎日新聞)
米英攻撃で市民77人死亡とイラク情報相発表
【カイロ=秦野るり子】イラクのサハフ情報相は23日、バグダッドで記者会見し、南部の要衝バスラへの米英軍の攻撃で市民77人が死亡、366人が負傷したと発表した。
情報相は、殺傷力の高いクラスター(集束)爆弾が住宅地で使われ、市民が巻き添えになったとして、米英軍を非難した。バグダッドでも住宅街が爆撃されたという。また、南部のウンムカスルは「イラクの支配下にある」と述べた。
イラク軍の報道官は同日、イラク軍がバグダッドとバスラで5機の米英機、モスルなどで2機のヘリコプターを撃墜したと発表した。
これに対し、米中央軍は米英機を撃墜したとするイラク側の主張を否定した。(読売新聞)
<イラク戦争>仏の特殊部隊がカタール着 化学生物兵器に対応
イラク戦争に関連し、核兵器や化学・生物兵器の攻撃に対応するフランス軍の特殊部隊が22日、カタールの首都ドーハに到着した。仏部隊の派遣は91年の湾岸戦争後に調印された2国間協定に基づくもの。部隊は兵員39人と特殊車両4台などで構成する。カタールの防衛が目的で、同国以外には展開しないものとみられる。(毎日新聞)
<イラク戦争>トマホーク発射数はすでに湾岸戦争上回る
米空母キティホークの広報担当者は22日夜、イラク戦争が開始された20日未明から22日朝までに、ペルシャ湾や紅海に展開する米英艦船計30隻からイラク領内に向け、約350基の巡航ミサイル「トマホーク」が発射されたことを明らかにした。すでに91年の湾岸戦争時の288基を上回るハイペースという。(毎日新聞)
フセイン大統領出身地でも激しい空爆
[バグダッド 23日 ロイター] イラク当局筋によると、フセイン大統領の出身地ティクリートで22日夜、米英軍による激しい空爆が行われた。
首都バグダッドの175キロ北に位置する同市は、21日にも空爆の標的となっていた。
空爆による被害状況は不明。
22日には報道陣を対象とした同市へのツアーが予定されていたが、延期された。(ロイター)
24日にも補正予算提案 イラク戦費、800億ドルか
【ワシントン23日共同】23日付の米紙ワシントン・ポストは、複数の米政府高官の話として、ブッシュ大統領がイラク戦争の戦費調達のため、800億ドル(約9兆7000億円)程度の補正予算案を24日にも米議会指導部に提案すると報じた。大統領がイラク戦の戦費見通しについて明らかにするのは初めてとなる。
同紙によると、補正予算案の内訳は米軍の派遣や兵器の費用、当面の戦後復興費用に計約600億ドル。イスラエルなど周辺国への支援や米国内のテロ対策費などとして200億ドル程度が計上される見込み。(共同通信)
WFP、難民流出に備え食糧備蓄を準備
[ローマ 22日 ロイター] 世界食糧計画(WFP)は、米国主導のイラク攻撃による難民流出に備え、イラク国境付近での食糧備蓄を準備している。
WFPのトレバー・ロウ報道官によると、ヨルダンのイラク国境では、簡易倉庫を設置し、400トンの食糧を備蓄する。当地では、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が配給する非常用ビスケット約5トン分がすでに準備されているという。
また、シリアでは、2万人分の非常食糧が備蓄されている。さらに、クウェートでは10日間に20万人に配給できる量のパンを調達しているほか、トルコでは、約50トン分の非常用ビスケットを南東部に輸送する予定という。
国連の推定によると、イラク北部には35万―45万人の国内避難民がおり、現在も増え続けている。(ロイター)
<イラク戦争>米戦車の攻撃受け死亡か 不明の英記者ら3人
23日付の英日曜紙メール・オン・サンデーによると、イラク南部バスラ付近で22日から行方不明になっている英ITVテレビのテリー・ロイド記者(51)ら3人は、乗っていた車が投降しようとしたイラク兵と米軍の間に迷い込み、米軍戦車の砲撃や機銃掃射を浴びてイラク兵10数人とともに死亡した可能性が高いことがわかった。
テレビクルーの中で1人だけ負傷し溝に取り残されたカメラマンが、通り掛かって救出した同紙記者に明らかにした。
ITVテレビは「(記者らが)不明になった後、時間がたち非常に心配している」と述べた。ロイド記者は、1988年にイラクの毒ガス攻撃で住民約5000人が殺されたイラク北部のクルド人地区ハラブジャに真っ先に入って惨状を報じたことで知られる。ボスニアなど戦場の取材経験が豊富だった。
カメラマンによると、攻撃を逃れようと車を時速約100キロで走らせていた時、隣を見ると扉が開き、ロイド記者の姿が消えていた。車は溝に落ち火に包まれたが、カメラマンは寸前に脱出し助かった。イラク人の農民一家が白旗を掲げ助けに来ようとしたが、戦車は一家や溝に向けて銃撃、1時間以上逃げられなかったという。
23日付の英日曜紙サンデー・ミラーは射撃の方向からみて英軍の攻撃を受けた可能性が強いとの見方を打ち出している。(ロンドン共同)
ITVのクルーは米英軍の保護を受けず独自に取材していた。(毎日新聞)
<イラク戦争>米英軍、首都へ中間点突破
米統合参謀本部のマクリスタル副作戦部長は22日の記者会見で、イラク領内で進撃を続ける米英軍の地上部隊が同日、ユーフラテス川を渡河し、首都バグダッドの南方約240キロ以内の地点にまで到達。20日にクウェート国境を越えてから2日間で首都までの中間点を越えたことを明らかにした。
イラク国営テレビは22日、バグダッドの南約160キロにあるイスラム教シーア派の聖地で主要都市ナジャフの南東70キロで米英軍がイラク軍と交戦し、イラクの支配政党バース党軍事部門の地区最高指揮官が戦死したと伝えた。
21日に大規模空爆を開始した米英軍は、22日から23日未明にかけても、断続的にバグダッドなどへの空爆を続行。22日深夜には、米空軍の複数のB52戦略爆撃機が英南部のフェアフォード空軍基地を飛び立った。
米ABCテレビによると、中東地域に派兵された米英軍約28万人のうち17万人が既にイラク領内に展開している。
また国防総省のクラーク報道官は、指導部を含むイラク軍の「多数が投降している」と言明。「イラクの政権崩壊は時間の問題だ」と述べ、フセイン体制の終わりが近いとの見方を示した。(ワシントン共同)(毎日新聞)
バスラ攻撃で50人死亡か
[クウェート 22日 ロイター] カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」は、イラク医療関係者の話として、米軍によるイラク南部バスラでの攻撃で50人が死亡したと報じた。
アルジャジーラは、死者や負傷者の生々しい映像や、攻撃への怒りを示す女性の話を伝えた。
アルジャジーラは病院筋の話として、米軍のF16戦闘機がバスラを爆撃した際、ロシア人などを含む50人が死亡した、と伝えた。
この報道に関する確認は取れていない。(ロイター)
<イラク戦争>イラク外相がシリア入り アラブに協力呼び掛けへ
シリア政府筋によると、イラクのサブリ外相が22日夜、シリアの首都ダマスカスを訪問した。米英によるイラク攻撃開始後、外相の外国訪問は初めてで、23日にシャラ・シリア外相と会談した後、カイロで開かれるアラブ連盟の外相級会議に出席する予定。
フセイン政権の打倒を目指す米英両軍の攻撃が激しさを増す中、エジプトを中心にアラブ各国の民衆レベルでは反米機運が高まっており、サブリ外相は連盟会議で攻撃停止に向けた協力を呼び掛ける考えとみられる。
しかしバーレーンなどフセイン大統領の亡命を働き掛けるペルシャ湾岸国や、一貫して攻撃に反対するシリアなど各国の足並みは乱れており、会議で統一したアラブの姿勢を打ち出せるかどうかは不透明だ。
22日のシリア国営テレビによると、サブリ外相は同テレビとのインタビューで、イラク政府が市民に武器を渡していることを明らかにし、「兵士以外にも(市民ら)700万人が武装している。イラクの砂漠が侵略者たちの墓場になるだろう」と徹底抗戦を強調した。(ダマスカス共同)(毎日新聞)
ユーフラテス川を渡河、240キロ進撃=ナシリヤ制圧後さらに北上−米英軍
【ワシントン22日時事】米統合参謀本部のマクリスタル作戦副部長は22日、国防総省で対イラク攻撃について記者会見し、米英軍地上部隊がユーフラテス川に近い要衝ナシリヤを制圧後、さらに川を越えて北上、首都バグダッドに向け対クウェート国境から240キロ以上進撃していることを明らかにした。 (時事通信)
<イラク戦争>トマホーク既に350発 湾岸戦争上回る発射数
ペルシャ湾北部の米空母キティホークの海軍当局者は22日、バグダッドなどに向けてペルシャ湾や地中海、紅海から発射された巡航ミサイル、トマホークが同日までに350発に達したことを明らかにした。湾岸戦争時に撃ち込まれたトマホーク数の約290発を既に上回っている。
また別の海軍当局者は、同空母艦載機のFA18戦闘攻撃機4機が、イラク南部でイラク軍と戦闘していた第1海兵遠征軍を援護するため空爆を実施したと発表した。
バスラ北西のアルクルナで、4機は精密誘導爆弾七発を投下、イラク軍の大砲などを破壊したとしている。(米空母キティホーク艦上共同)(毎日新聞)
<イラク戦争>トルコからの進撃断念 イラク南部の兵力強化
米政府は22日、トルコからイラクへの地上軍進撃作戦を最終的に断念する方針を決めた。トルコから南下する予定だった陸軍第4歩兵師団はクウェートに派遣され、イラク南部の兵力強化に向けられる。
AP通信によると、トルコ国境に近いイラク北部に現在、米軍特殊部隊が展開しているが、(1)北部の油田地帯の確保(2)トルコ軍とクルド勢力との衝突警戒のため、第一〇一空挺(くうてい)師団の一部が新たに投入される見通し。
第4歩兵師団は重装備の機械化部隊で、戦車などを積載した船舶は地中海のトルコ沖で待機していたが、スエズ運河を経由してクウェートに移動することになった。
米軍は当初、地上軍をクウェートから北上、トルコからは南下させ、首都バグダッドを挟撃する戦略を立てていた。
米国はイラク戦争に向けて最大6万2000人の部隊駐留をトルコ政府に求めていたが、トルコ国会は今月20日、米軍機のトルコ領空通過のみを承認した。(ワシントン共同)(毎日新聞)
<イラク戦争>ミサイル3発がイラン製油所誤爆の可能性
米国防総省当局者は22日、イラク国境に近いイランの製油所の施設にミサイルが命中した事件に関し、米軍の3発のミサイルが誤ってイラン側に着弾した可能性があることを認めた。AP通信が報じた。リーカー米国務省副報道官は同日、イラン政府に対し米軍のものかどうか調査を約束するメッセージを送った。(共同)(毎日新聞)
<イラク戦争>首都200キロ圏で攻防イラク国営テレビ報道
イラク国営テレビは22日夜、通常番組を中断し、首都バグダッドの南約190キロにあるナジャフで起きた米英軍との戦闘で、バース党軍事部門の地区最高指揮官が戦死したと報じた。
事実とすれば、米英軍が既に首都から200キロ圏内に入っていることを示している。
ナジャフの北には要衝カルバラが控えているが、カルバラを越えれば、一直線の舗装道路で一時間以内にバグダッドまで到達が可能。米英軍は首都圏に配置されている最精鋭の共和国防衛隊と直接、対峙(たいじ)することになる。国営テレビは、戦闘の詳細には触れていない。
首都近郊でイラク軍と戦闘を展開する可能性がある部隊としては、クウェートからイラク領内に入った米軍第3歩兵師団が考えられる。同師団は22日にユーフラテス川の渡河地点であるナシリヤを制圧、さらに北上を続けているとされる。
国営テレビの報道は、バース党バグダッド本部名で行われた。地区の一指揮官の戦死が、通常番組を中断して発表されるのは極めて異例。(バグダッド共同)(毎日新聞)
<イラク戦争>イラク油田被害は小規模30〜45日で鎮火も
イラク南部で発生中の油田火災対策のため、米政府の依頼で調査に訪れた米国の専門家が22日夜、クウェート市で会見し、上空からの観察などで判断する限り被害は比較的小規模で、今後30〜45日で鎮火できるとの見通しを明らかにした。早期に生産を再開できるかどうかは現地でさらに調査する方針。(共同)(毎日新聞)
政府、ヨルダンとパレスチナに計1億420万ドル支援
政府は23日、イラク戦争に関連し、周辺国支援策としてヨルダンに1億ドル(約120億円)の無償資金協力と、パレスチナ自治区に対して国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を通じて5億円(約420万ドル)の食糧援助を実施することを決めた。
イラク西部に隣接するヨルダンは経済的にイラクと密接に結びついており、特に石油はほぼ全量をイラクからの輸入に頼っている。戦争が拡大すると、石油の輸送が止まることが予想されるなど経済的影響が大きいことなどから援助を決めた。パレスチナへの支援には、日本政府が中東和平問題を重視していることをアラブ諸国などに改めて示す狙いがある。
支援決定は、川口外相が23日夕、ヨルダンのマアシャル外相、パレスチナ自治政府のシャース国際協力相に相次いで電話して伝えた。外務省によると、マアシャル氏は謝意を示しつつ、「武力行使による一般市民の犠牲を最小限に抑えることが最も重要だ」と述べた。シャース氏は「和平の前進に向け、米国を始めとする国際社会の協力を期待する」と語った。
外相はまた、同日の記者会見で、今後の難民対策などの人道支援について「国連の緊急アピールが出た段階で対応する。事態の進展で需要があれば検討していく」と述べ、国際機関や周辺国に対して支援を拡大していく意向を示した。国連平和維持活動(PKO)協力法に基づく政府専用機などによる支援物資の輸送については「今月中にテントなどをヨルダンに輸送できると思う」との見通しを示した。
「同盟国として米国支持は当然」 防大卒業式で首相
小泉首相は23日、神奈川県横須賀市の防衛大学校の卒業式で訓示し、イラク戦争について「我が国のかけがえのない同盟国のアメリカが、大量破壊兵器の廃棄という国際社会の大義に従って自ら犠牲を払おうとしているとき、我が国がこれを支持し、可能な限りの支援を行うのは同盟国として当然だ」と述べ、日米同盟の重要性を強調した。
首相はまた、「危険な大量破壊兵器が危険な独裁者にわたった場合、どのような危険に直面するか。ひとごとではない」と危機感を強調。そのうえで今後の防衛力について「現在の組織や装備をテロや弾道ミサイルなどの新たな脅威に対抗しうるよう見直し、効率化を図る必要がある」と述べ、ミサイル防衛(MD)配備に含みを持たせた。
ノーコメント連発、イラク大使追放問題で川口外相
「コメントしません。なぜコメントしないかも申し上げません」。米政府が各国に対してイラク大使の国外追放と大使館の一時閉鎖を要請したことについて、川口外相は23日の記者会見でこんな答えを繰り返した。
米政府は追放要請を公表しており、フランスなど一部の国は拒否する方針を明らかにしている。外相は「米国とは緊密に連携しながらやっているが、具体的な内容については申し上げない」とし、要請の有無についても「あったとか、なかったとか、一つひとつコメントしない」。コメントしない理由も「外交上のやりとりは通常言わない」と突っぱねた。
米国に気を使っているのか、官僚に口止めされているのか、記者会見での外相はこのところ要領を得ない発言が目立つ。開戦直後の20日も、「この戦争はどことどこの戦いか」との質問に、「国際社会の立場は一致している」と繰り返すばかりだった。
米大統領が総力戦宣言 「中途半端な戦いにしない」
ブッシュ米大統領は22日、週末恒例の全米向けラジオ演説で「(イラク戦争を)短期で決着させる唯一の道は、決定的な軍事力を投入することだ。中途半端な戦いにはしない」と語り、フセイン政権を打倒するまで米軍が総力を挙げて臨む姿勢を示した。大統領は同日、ワシントン近郊の山荘キャンプデービッドで国家安全保障会議(NSC)を招集し、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官らと今後の作戦を協議する。
ブッシュ大統領はラジオ演説で「この戦争は一部の予想より長期にわたり、困難がともなうかもしれない」と呼びかけ、短期戦で終わるとの楽観論を警戒した。
一方、ブッシュ政権の中では国際協調派とされるパウエル国務長官は21日、記者団に「バグダッドとのチャンネルはいくつもある。これまでイラク政府にメッセージを伝えてきた人たちも世界中の国々に何人もいる」と語り、フセイン大統領の消息が不明の中でもイラク指導部に降伏を迫る外交工作を続けていることを明らかにした。
イラク復興支援、数百億円負担へ 政府、ODAで調整
政府はイラク戦争に伴う難民支援と周辺国支援について、政府の途上国援助(ODA)予算を軸に最大数百億円規模で負担する方向で調整に入った。戦後の復興支援もODA予算を中心に賄う方針。ただ戦争被害の拡大で復興費用が膨らんだり、米国から多額の資金協力を要請されたりした場合、財源として臨時増税案が浮上する可能性もある。
政府はイラク戦争に対する貢献策として、「難民」「周辺国」「戦後復興」への支援を表明しており、当面は緊急性の高い難民支援と周辺国支援の準備を進める。
01年9月の米同時多発テロ後、米英などが展開したアフガニスタンでのテロ掃討作戦で、日本は難民支援として総額の2割(1億2000万ドル)、周辺国支援としてパキスタンに2年間で3億ドルの支援を決定。合わせて500億円近い資金をODA予算を中心に賄う。復興支援もODA予算などから2年半で約600億円を支出することになっている。
今回の難民支援も同じ程度の負担割合なら、ヨルダンなどの周辺国支援を含め「ODA予算を中心に対応できる見通し」(財務省)。03年度予算案のODA予算は約8500億円、災害や予算不足に備える予備費が3500億円ある。
ただ、復興支援については、イラクの石油関連施設に深刻な被害が出るなどして必要額が大きく膨らむ可能性がある。米国は日本に戦費負担は求めない姿勢だが、巨額の戦費で財政状況が厳しくなれば、日本が復興面で求められる役割が大きくなる。
日本は91年の湾岸戦争の際、総額約1兆8000億円の資金を拠出。石油臨時特別税などの臨時増税で財源を確保した。今回も03年度予算案の枠内で賄えない巨額の資金負担を求められれば、新たな予算措置が必要になり、臨時増税も検討されそうだ。
空爆下のバグダッド、480万人の暮らし直撃
人通りが絶えた繁華街、再開されるあてのない小学校、がらがらに空いた路線バス。イラクの首都バグダッドの表情は、米英軍の空爆にさらされ、一変した。今のところ市中心部では水や電気はほぼ変わりなく供給されているが、中東屈指の大都市に住む480万人の生活は、機能不全に陥りつつある。
■ライフライン
爆撃は市民の生活を直撃している。朝日新聞が現地に電話したところ、市中心部でもテレビが見られる家庭がある一方、市南部に住む中学校校長のガズワさん(30)宅は、電気も水も止まったという。窓ガラスも全部割れた。
朝、外に出ると、隣のビルが崩れ落ち、「住人37人が死んだ」と聞かされた。流言か本当か、確認するすべはない。商店は軒並みシャッターを閉ざし、人影は見かけなかった。
22日も断続的に爆撃が続いている。バグダッド市の南に住む男性(43)は同日昼、自宅の上を同市に向けて飛ぶ米軍機の音を何度も聞いた。市内の親類は電話に「今も爆発音が聞こえる」と語った。
市南部に住むエンジニアのハイダルさん(38)によると、路線バスやタクシーは動いているが、がらがらだ。
コメや砂糖、油、豆などは政府から前倒しで配給されたほか、大きな食料品店は開いており、肉や野菜も手に入る。
■医療
市内の病院に勤めるアフマドさん(27)は21日夜(現地時間)、空爆の轟音(ごうおん)の下、睡眠薬を飲んでようやく眠れた。
官営の薬局では安価に薬を提供しているが、1人が購入できる量は限られている。不足分は市価の2倍から10倍はするヤミ市に頼ることになる。心臓病を患う母親を抱えるアフマドさんは「おれの手に負えない値段。戦争が長引いたらどうなることか」と嘆いた。
市内でソフトウエア会社を経営する男性(38)によると、営業している薬局は少ない。戦前に500ディナールだった痛み止めが1千ディナールに跳ね上がった。
■学校・職場
教育省に勤める男性(43)によると、開戦以降、職場は閑散となった。内務省は全省庁の職員に、通常通りの勤務に戻るよう命じる通知を出した。普通の生活に戻りたいと願っていたため「うれしい」と思った。だが、ひどい空襲におびえる妻に止められ、職場には結局行かなかった。
「戦争が始まり仕事どころではない」と多くの会社も休業した。ソフトウエア会社経営の男性も会社からコンピューターを自宅に持ち帰った。
市内に住む小学校教師(55)は20日、いつも通りに登校したが、やってきた子どもたちは数えるほど。「これじゃ、しょうがない」と自然休校になった。それでも市郊外では、銃を手にした教師が校庭の警備に立ち、サッカーをする子どもを見守る小学校もあった。
■メディア
「200人を超える罪のない市民が負傷した」
イラク国営テレビは22日、通常番組を中止。軍歌を流し続ける合間に、病院で手当てを受ける空爆被害者の映像を流した。
ほかの二つのテレビ局も放送を続けている。だが、「住民が知りたい情報は何もない」と、市内に滞在しているフリージャーナリストの常岡浩介さん(33)は言う。
大規模空爆のあった21日夜には、ホテルの周辺を子どもを抱いて逃げまどう人たちを見た。「どこに逃げればいいのか。イラクのテレビは住民の安全のための情報を伝えることを考えていない」
終日テレビを見続けている市民の一人は「空爆の映像はまったく流れていない」と語った。
海外のラジオ放送にかじりつく市民もいる。エンジニアのハイダルさんはフランスからのアラビア語放送に聴き入った。だが、戦局について国営テレビと正反対の情報が多い。「どちらを信じればいいのか」と戸惑いが深まるばかりだという。
バグダッド空爆を再開=米英軍
【ワシントン22日時事】米CNNテレビによると、米東部時間22日午前11時(日本時間23日午前1時)ごろから、米英軍によるイラクのバグダッドに対する空爆が始まった。市内数カ所から煙が立ち上っており、救急車などが慌ただしく移動しているという。 (時事通信)
米英軍、バスラ制圧か=郊外で激戦、爆撃で50人死亡説−要衝が次々陥落
【カイロ22日時事】イラク領に進攻した米英軍地上部隊は22日、南部の要衝バスラ攻略戦を開始、激しい戦闘が行われた。英BBC放送は、米英軍がバスラを制圧したと伝えた。しかし、フセイン大統領の一部親衛部隊が依然、抵抗を続けているとの情報もある。一方、バグダッド進撃上の戦略的要衝であるナシリヤは陥落。米英軍機は同日昼(日本時間同日夕)にも首都バグダッド郊外を爆撃、昼夜を問わない全面攻勢に乗り出した。
フランクス米中央軍司令官はカタールのアッサイリヤ米軍基地での記者会見で、バスラ攻略ではイラク側の大規模な反撃はなかったと説明。今後、本格的な攻撃はあえて行わない方針を示した。従軍記者の報道では、米英軍はバスラ周辺の空港や油田、橋など重要施設を手中に収めているという。
カタールの衛星テレビ、アルジャジーラによれば、F16戦闘機がバスラで、小さな無数の爆弾が空中で広範囲に飛散するクラスター爆弾(集束爆弾)を投下し、ロシア人1人や子供を含む50人が死亡した。 (時事通信)
「予想より時間かかる」、米大統領がラジオ演説
【ワシントン=伊藤俊行】ブッシュ米大統領は22日、毎週土曜日に行うラジオ演説の中で、イラク戦争について、「過酷な地形での戦いは、一部の予想よりも時間がかかり、困難なものになるかも知れない」と述べ、楽観論を戒めた。
大統領は同日、滞在先の米メリーランド州キャンプデービッドの大統領山荘で、米国家安全保障会議(NSC)を招集し、対イラク戦争の状況について報告を受けるとともに、今後の対応を協議した。(読売新聞)
<イラク戦争>米、開戦前から投降交渉開始 狙いは早期降伏
クウェートからイラク南部に突入した米英の地上部隊はさほど頑強な抵抗を受けずに進撃を続けている。バグダッドなどで猛空爆が行われ、戦況の焦点は「米英軍が一方的に有利なまま収束に向かうのか」「イラク側は生物・化学兵器を使うのか」「首都バグダッドでの市街戦はあるのか」などに移りつつある。自軍兵士とイラク民間人の流血を出来るだけ避けたい米国は、イラク側の早期降伏を引き出そうと、フセイン政権幹部の投降を促す裏工作に力を注いでいる。
21日、ワシントン郊外の国防総省で記者会見したラムズフェルド長官は、自信満々だった。
「イラク政府内の混乱が増大している。戦況を把握し、軍と意思疎通し、国家を統制する能力が失われつつある」
米政府筋によると、この発言の背景には米側が盗聴しているイラク政府と軍の通信が激減している現実がある。フセイン大統領が指示を出している形跡がほとんどなく、軍の指揮命令系統も機能していないとみられることが、長官の自信の背景にある。
フセイン大統領の死亡説にもつながる現象だが、ラムズフェルド長官は会見で別の根拠を示した。水面下でイラク軍部との投降交渉を開戦前からひそかに続けてきた事実を明らかにした。
イラク南部バスラの防衛にあたっていたイラク軍第51歩兵師団は、正副司令官が投降したのに続き、兵員の大半も秩序正しく投降したと伝えられる。ラムズフェルド国防長官の発言を裏付ける出来事ともいえる。
だが、実はフセイン大統領の信頼が最も厚い首都防衛の共和国防衛隊でさえ、有力部隊の指揮官が投降交渉に応じているという。その交渉が行き詰まったため、圧力をかけようとラムズフェルド長官は「衝撃と畏怖」と称する大規模爆撃に踏み切った――。ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)が22日、米政府高官の証言を引用して伝えた話だ。
パウエル米国務長官は21日、米政府にはイラクとの間に世界各国の複数のルートで人的パイプがあり、これを通じてフセイン政権に「変化」が不可避なことを伝えてきたと明言した。米英軍のイラク攻撃作戦が「非常に好調に進展している」と評価し、「イラクの指導者たちは自分の時代が終わったことを認識するのが賢明だろう」とも述べ事実上、亡命または投降することを呼びかけた。
しかし、22日付のワシントン・ポスト紙は、米軍とCIA(米中央情報局)の当局者が複数のイラク軍指揮官と接触し、一部からは米軍地上部隊に化学兵器を使用しないという約束をとりつけたものの、共和国防衛隊の一部部隊は化学兵器を搭載した砲弾の支給を受けた兆候があると報じた。バグダッド市街戦にまで至るのかどうかも含め、戦況はなお流動的だ。
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米英軍地上部隊が20日(日本時間21日未明)、イラク領内へ進撃したが、大方が予想しなかった素早い動きだった。湾岸戦争(91年)では地上戦に入るため39日間の空爆を要した。マイヤーズ統合参謀本部議長は21日の記者会見で「イラク南部の油田の安全確保」が突然の侵攻の理由の一つだったことを明らかにした。
米軍の空爆が始まって以来、イラク軍は計7カ所の油田に火を放った。米軍筋によると、クウェートのイラク国境に集結していた海兵隊員は今週初め、油田の放火が確認された場合、数時間以内に攻撃準備態勢が取れるよう命令を受けていたとされる。戦後復興をにらんだ油田確保が、作戦の一つの焦点だった。
イラクの確認石油埋蔵量は1125億バレル。油田はイラク全土で1000カ所を超える。イラクが戦後、経済復興を果たすために原油生産は欠かせない。米英軍が特に重視しているのは北東部キルクークと南部バスラ近くのルメイラ。二つの地域でイラク全体の約80%に上る石油を産出している。
イラク軍は91年の湾岸戦争でクウェートから撤退する際、約700の油田に火を付けた。復旧費用に200億ドル以上かかったと言われ、復興に8カ月を要した。
キルクークとルメイラの油田や石油精製所が完全に破壊された場合、復旧に9カ月から3年かかるとされる。これまでのところ、大規模な破壊行為は確認されていない。米軍は作戦の初期段階として南部の油田地帯を順次制圧。北部に特殊部隊を展開しキルクークの油田を確保する狙いとみられる。 【ワシントン中島哲夫】(毎日新聞)
米英軍、要衝バスラほぼ掌握
イラクに進攻した米英軍は22日(現地時間)、南部の要衝バスラの制圧に乗り出した。英BBC放送は「バスラ制圧」と伝えた。ただ、英国防省報道官は制圧を確認していない。フセイン大統領直属の精鋭部隊がなお市内にとどまっているとの情報もある。一方、米英軍は前夜の大規模空爆に続き、22日もバグダッドなどで空爆を続けた。首都進軍を目指す米陸軍部隊はユーフラテス川に近い要衝ナシリヤを制圧した。
【ロンドン=飯塚恵子】「バスラ制圧」を速報したBBCの従軍記者によると、米英軍はバスラを支配下に置いたと述べた。部隊はイラクの若者数百人に拍手で迎えられたという。
AP通信によると、米英軍はバスラ北方の空港と橋を占拠したが、市街地には入っていない模様だ。
これに先立ち、ボイス英統合参謀本部議長は22日、英国防省で記者会見し、バスラ地区を統括するイラク軍第51師団が「全員が米英軍に投降した」と発表した。同師団は約8000人で構成されており、「捕虜はこれまでに数千人以上。負傷者は我々の移動病院で治療している」と述べた。
フーン英国防相は「残るイラク正規軍の全部隊はバスラから撤退したと見られる」と述べる一方、エリート部隊の共和国防衛隊が抵抗の構えを見せていることを示唆した。 ◆首都への関門、ナシリヤを攻略◆
ロイター通信によれば、米海兵隊の戦車部隊はバスラ西方でイラク軍と交戦。海兵隊ヘリなどが地上部隊の進軍を支援したという。
南部の油田地帯の確保に全力を挙げる米英軍にとって、イラク第二の都市バスラの制圧は地上作戦初期の最大の目標になっている。
制圧が伝えられた南部のウンムカスル、ファオでは、なお一部でイラク軍の抵抗が続いている模様だ。
一方、米中央軍によると、バグダッドへ進軍中の部隊が、クウェート国境から150キロ余りの地点でイラク軍と交戦、ナシリヤを制圧し、飛行場も確保した。
ナシリヤからバグダッドまでは300キロ余り。米英軍は首都攻略への最初の関門を超えたことになる。
米CNNテレビによると、一部の部隊はさらに進撃、バグダッドまで約250キロの地点でイラク軍の抵抗を受けているという。(読売新聞)
米中央軍司令官が初会見
【アッサイリヤ米軍基地(カタール)=加藤賢治】「我々の部隊は、予想通り素晴らしい動き見せている」――。イラク戦争を指揮する米中央軍のトミー・フランクス司令官(57)が22日夕、司令部がある米軍基地で開戦後初めて記者会見し、第1波攻撃から約2日半の戦果に強い自信を示した。
英国やオーストラリアなどの友軍幹部を引き連れてプレスセンターに姿を現した司令官は冒頭、フセイン政権の排除など8項目の戦争目的を指摘。開戦(Dデー)、特殊部隊投入(Sデー)、地上戦(Gデー)、大規模空爆(Aデー)へと段階を踏んで進んできたと説明した。
プレスセンターには数百人の報道陣が詰め掛け、ビデオ映像などを使った司令官の戦況説明に聞き入った。それが終わると、この日を待ちかねた記者から50分にわたり、矢継ぎ早に質問が飛んだ。
同司令官は昨年中には退任予定だったが、アフガニスタンでの対テロ掃討作戦の功績から慰留されるなど、ブッシュ大統領の信任は厚い。同司令官は寡黙で表舞台を嫌う性格とされ、「(1991年の湾岸戦争で脚光を浴びた)シュワルツコフ司令官と私は違う」と語ったこともある。
終始淡々と会見に望んだ司令官だったが、最後に「開戦後、一番驚いたことは何か」と問われ、「今朝、コンピューター画面上で、妻から結婚記念日を祝うメールが届いていたことだ。私はすっかり忘れていた」と笑みを漏らした。(読売新聞)
トルコからAWACS撤収も=独政府
【ベルリン22日時事】ドイツのシュレーダー首相は22日、安全保障閣僚会議を緊急招集し、トルコ軍部隊がイラク北部に越境したとの情報に関し、トルコが実戦に参加した場合、同国防衛のために派遣している独連邦軍の空中警戒管制機(AWACS)部隊の撤収を検討する方針を確認した。 (時事通信)
http://csx.jp/~gabana/Sizen/Zizi/world/Iraq/Iraq-news0303-23.htm