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(回答先: 【ホテルルワンダ他映画と現実の虐殺】「わかってもらえるさ」RCサクセション【町山智浩氏】 投稿者 傍観者A 日時 2006 年 3 月 06 日 13:54:02)
しかし、日本の中世では魔女狩りというのはない。朝鮮人虐殺というのもないなあ。関東大震災というのは平安時代でも、戦国時代でも、江戸時代でもなく、大正時代の話な訳だ。ユーゴにしても、パレスチナにしても、ミャンマーにしても、アチェーにしても古い時代から切れ目なく殺しあってきた訳ではない。民族問題は20世紀になって、かえって深刻化してきた感がある。
明治以後の日本における天皇と国民の関係や民族感情が必ずしも江戸以前からの単純な延長という訳でもない。特に朝鮮・中国との関係なんかは今右派が言っているような論調になってきたのは1880年代のことだ。1880年代とは朝鮮の内政改革が問題になった時代であり、あの時朝鮮の改革を支援しようとして検挙されたような動きが複雑に絡み合って朝鮮人差別につながり、時間を越えて1990年代の日本経済ゆきづまりの中で再び復活してきたように思う。
80年代は19世紀においては民権運動ゆきづまりの時代であり、リベラルな私擬憲法から教育勅語・皇室典範・帝国憲法制定への時代であった(教科書はおろか図書館行政すら変わったそうだ)。20世紀においては中曽根臨調の時代であり、左翼の著しい退潮と国旗国歌実施指導の強化、総評・国労解体の時代である。すでに明治の民権運動では男女同権が掲げられていたし、19世紀でも20世紀でも80年代は民権主義から国家主義、男女同権から男女の差異強調というバックラッシュの時代であった。無論、1930年代は国家主義の時代以外の何者でもないから、民権主義と国家主義は50年周期で繰り返すのではないかと思う。
ちなみに日本に限らず、世界的に見ても1880年代、1930年代、1980年代は大反動期にあたり、前の20年間に反体制側に押しまくられてきた権力側が巻き返しを図ってきた時代である。