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(回答先: 推進協に公開質問状 発言自粛問題で被団協(長崎新聞) 投稿者 片瀬テルミドール夏希 日時 2006 年 4 月 12 日 18:07:52)
長崎におけるとんでもない動き (2006年4月9日記)
長崎には(財)長崎平和推進協会という組織があります。協会自身の説明によれば、「原爆の参加を体験した長崎が、被爆の実相を世界に向けて訴え続けることによって、核兵器のない平和な世界を一日も早く実現しようと、一般市民と行政(長崎県・市)が一体となって組織している公益法人」であり、「行政も職員を派遣し主に事務局を支えて」おり、「組織の上からも正に『官民一体』となって運営」されているとのことです。また、「個別の安全保障問題など、市民の間で意見の分かれる政治的な問題には取り組みません。協会の活動の柱は、市民の共通の願いである『核兵器の廃絶』なのです」としています。
協会自体が「市民の間で意見の分かれる政治的な問題には取り組みません」というのは、官民一体の組織としての一つの立場表明ですので、私としては、おかしいな、とは思いますが、異議を申し立てる気持ちまではありません。しかし、被爆体験の継承にかかわって、被爆者の語り部が発言する内容まで協会が干渉するとなれば、話はまったく別です。そういうとんでもないことが長崎で起こっているのです。論より証拠、協会主催で本年1月20日に行われた継承部会総会で、協会が参加者に配った「より良い『被爆体験講話』を行うために」と題する一枚紙の内容を全文紹介します。
最大の問題は、言うまでもなく、「3 講話にあたって注意すべき事項」のところにあります。被爆体験者が被爆体験に基づいて平和についての思いを語ることは、「思想・良心・表現の自由」に属することであり、「専門家ではなく評論家でもない」という理由でその自由を縛るなどということは憲法違反ではないでしょうか。しかし、協会は白紙撤回にがんとして応じようとしないそうです。
日本における右傾化の進行の中で、このようなことまでがまかり通るようになってしまうことは、非常に恐ろしいことです。広島では今のところ、このようなことは起こっていませんが、2007年には広島市長選挙がありますし、その結果如何ではどのような事態が起こっても不思議ではない状況が広島にもあります。長崎での事態が既成事実になってしまえば、いずれ広島にも波及することは目に見えています。日本における平和発信の拠点である長崎、広島で、このような事態が現実になってしまったならば、日本で平和を語る基礎条件が崩される結果になるでしょう。憲法改悪の動きが進んでいる中で、このようなことを許してしまう私たちであってはならないと思います。
このコラムを読んでくださる方の中には弁護士を職業にしている方もおられると思います。長崎で弁護士をしている友人の方に是非強く働きかけて、違憲訴訟を起こすように励ましていただきたいと思います。
(以下協会文書の全文 太字、下線は原文のまま)
(平成18年1月20日:継承部会総会)
より良い「被爆体験講話」を行うために
1 「被爆体験講話」実施の趣旨
長崎平和推進協会が行う「被爆体験講話」は、被爆者が自らの被爆体験をもとに核兵器がもたらす悲惨な実態を後世に語り伝えることによって、核兵器のない平和な世界の実現に向けた、市民の平和意識高揚を図るために行っている。
すなわち、被爆体験を語ることは唯一被爆者にしかできないことであり、その意義が広く認められていることから、公益法人である当協会が行っているものである。
2 良く理解してもらうための注意と工夫
・講話時間を守る−学校の授業時間(45分)程度+質問の時間が適当
・言葉を明確に −言葉尻をハッキリ、早口?、マイクの使い方は?
最初に「後ろの方は聞こえますか〜?」の確認を
・分り易い言葉で−個人名、地名など知らない人には分かりやすく
−写真、地図、登場人物を紹介する資料などを使う工夫を
・話の組み立ては−順序立てているか(いつ、誰が、どこで、何を・・・)
−言いたいことは何か
−時間配分は
・被爆体験を話す
3 講話にあたって注意すべき事項
被爆体験講話は上記の趣旨に基づいて実施しており、講話を行うにあたっては、その趣旨に従い、誤解を招くことのないよう、以下の具体例については特に注意していただきたい。
@ 自らの被爆体験を語る
・個人の主義主張をする場ではない−中立を
A 被爆体験以外の事柄について発言することは極めて慎重を要する。
・平和に関する事柄は広いが、被爆体験以外は専門家ではなく評論家でもない。
B 国民の間で意見が分かれている以下のような政治的問題についての発言は慎んでいただきたい。
・先の戦争に係る天皇の戦争責任 ・憲法(9条等)の改正
・イラクへの自衛隊派遣 ・有事法制
・原子力発電 ・歴史教育、靖国神社
・環境、人権など他領域の問題
・一般に不確定な内容の発言
(例:劣化ウラン弾問題−科学的に立証されていない)
※質問への回答例:「国民全体で考えることなので、国会などで議論して欲しい。
皆さんも学校や家庭でみんなと一緒に考えてみてください。」
C その他
協会から派遣されていることを自覚し、以下のことは特に要注意。
※他団体の名刺を出したり団体名を名のらない。
※謝礼(交通費は含まれている)以外の金銭的要求はしない。
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/file139.htm