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(回答先: 海自情報流出:対潜しょう戒の海図ソフトも漏えい(毎日新聞)2006年2月26日 3時00分 投稿者 サラ 日時 2006 年 2 月 26 日 06:01:09)
★写真は護衛艦あさゆき★
http://www.kamiura.com/new.html
[概要]
海自・佐世保基地配備の護衛艦「あさゆき」の乗員のパソコンから、「極秘」と書かれた暗号関係の書類や、戦闘訓練の計画表や評価表など、機密情報のフロッピーデスク約290枚分がネット上に流出していることがわかった。このパソコンは暴露ウィニー(ファイル交換ソフト)に感染しており、パソコン内部の情報をネット上に流出したと考えられる。
流出した情報には、非常暗号書や乱数表などの書類や整理番号をまとめた「暗号表一覧表」があった。また訓練らしき内容を示したものもあった。自衛艦約130隻のコールサインや船舶電話をまとめた表(秘)があった。また乗艦している隊員の写真や家族構成や電話番号などの個人情報などもあった。防衛庁は「詳細を調査中」と話している。
[コメント]
とうとうやってしまったか。この記事を読んだ第一印象がこうだった。というのは今の自衛隊を見ると、あまりにも官品(カンピン)と私物(シブツ)の区別が明確になっていないからだ。
いわゆる経費節減で、業務に使うパソコンも個人で購入して使う場合が多く見られた。ファックス、プリンターも業務費をやりくりして購入したり、後援会やOBなどの寄付で購入した場合も少なくない。
それに隊員の意識の問題である。ある演習を取材したとき、隊員が頻繁に携帯電話を使って連絡を取り合っていた。そこで演習部隊の連隊長に「携帯電話の持ち込みは禁止できないのですか」と質問したら、「携帯電話がないと演習が成り立たなくなります」と言われたことがある。
携帯電話はもちろん私物で、自衛隊が隊員に貸し与えた通信機(官品)ではない。戦争になれば携帯の電波は盗聴(傍受)され、発信位置が測定をされるし、敵から妨害電波をかけられると通話できない通信機である。でも、それ(私物)がなければ演習が出来ないという時代なのである。
戦闘服や軍靴も私物品が日常的に使われている。10年以上も前の話しだが、防寒や防水を考えると、私物でないと使い物にならないものもあると聞いたことがある。
だったら周辺国の軍事脅威が下がった今こそ、そのような自衛隊の周辺機器にお金を使うべきと思うのだが、MD(ミサイル防衛)などアメリカの軍事産業に投資するようなことに目を向けている。
おそらくこの乗員は、「あさゆき」の通信・暗号担当だと思うが、暗号担当が自前のパソコンを使っているのを見ても、誰も不思議に思わないほど自衛隊では私物が氾濫しているのだ。
今のパソコンは記憶容量は大きいし、通信速度も格段に速くなっている。また携帯電話でもカメラ機能は当たり前の時代である。自衛隊は掛け声だけで「秘密保全」を言わないで、もっと自分たちの周囲をよく見渡して欲しい。
パソコンの機能は住所録や日記や報告書などや、それにメモやデーターの保存や資料庫や、手紙や電話などと多岐にわたっている。すでに警察や検察では、家宅捜査を行う場合は、真っ先に携帯電話とパソコンを押さえるという
携帯やパソコンは秘密資料の宝箱なのである。困ったことにその宝箱がネットで世界と繋がっていることである。自衛隊にこの自覚がなければ、これからも機密情報の流出は防げない。パソコンなど通信機器の早い進歩に、自衛隊側が適応できていないという問題もあると思う。
さて今回で外部に流出した情報だが、これに関しては深刻な影響が出てくるとは思えない。まず暗号表などはいつでも交換できるように仕組まれているからだ。もし暗号表を持った艦船が燃えたり、沈没した場合で、暗号表の所在が確認できたい場合とか、敵方に暗号の漏洩が感じられる場合は直ちに変更するからである。だから、今回も流出が疑われた段階で暗号表の変更が行われている。また、乗員の携帯番号や自衛艦の呼び出し番号は、すぐに番号(コールサイン)変更などの対策がとられる。そうすることが自衛隊の一種の危機管理法なのである。これで中国海軍が小躍りして喜ぶなど、海自が深刻な影響を受けることはない。しかし海自という組織的に、秘密情報が漏れたという汚点は恥ずべきことに間違いない。