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Re: この掛け合い投稿は笑えます-御礼というわけではないけど、あまり役に立たない?資料を一つ
http://www.asyura2.com/0601/war78/msg/287.html
投稿者 こげぱん 日時 2006 年 2 月 10 日 00:57:22: okIfuH5uFf.Lk
 

(回答先: この掛け合い投稿は笑えます 投稿者 Sun Shine 日時 2006 年 2 月 09 日 17:34:59)

X年前に受けたセンター試験、数学50点の理系音痴(でも英語も80点(爆))から見ると、
鉄は案外熱に強いのか…とかつい思ったりします。(論点外してたら理系音痴のやること、とでも思ってください)


■ G F (聯 合 艦 隊) ■<戦艦長門>より

http://www.ne.jp/asahi/kkd/yog/gf.htm

http://www.ne.jp/asahi/kkd/yog/gf4_4.htm

 昭和二〇年八月――終戦の瞬間、彼女は唯一浮かんでいられた日本の戦艦でした。
聯合艦隊旗艦としての華々しい時代を永らく過ごし、世界最初の十六インチ砲戦艦としての栄光を受けるも、二六.五ノットの中速戦艦だった彼女は、その中途半端な速力と妹である僚艦・陸奥を失った事でその本来の役目を全う出来ずに終戦を迎えます。
しかし彼女には最後の闘いが待っていました。
それは誰も予想だに出来なかった相手との闘いです。

 聯合艦隊の旗艦として、帝国海軍最後の戦艦として挑む相手――それは原子爆弾でした。

 昭和二一年七月一日太平洋のビキニ岩礁――
その日、長門は爆破地点より千メートルの地点に配置され、広島型原爆相当の原子爆弾が空中投下・爆発実験が実施されました。
B−29から投下された原爆は海面約数百フィートで爆発しそのエネルギーを周囲に炸裂させます。
瞬間爆発点はセ氏百万度という超高熱となり、一万分の一秒後に爆発は直径約三〇m・セ氏三〇万度程の火球となりました。
通常火薬で同規模の爆発を再現したの場合、その温度は約五千度と言いますから、その威力がどれ程凄まじいかが判ると思います。
鉄の溶解温度は約一五〇〇度ですから、桁違いの超高熱火球に襲われれば、いかな鋼鉄の身体を持った軍艦達もただでは済みません。
長門と同地点にあった標的艦・軽巡洋艦酒匂は全身が火達磨となり、やがて海中へと没しました。
彼女達を飲み込んだ火球は膨張し、その膨張した空気は衝撃波を生みます。
それは爆心地を中心として全方位に向けて、音速を上回る時速千三百キロもの勢いで進み、その結果多くの標的艦がなぎ倒され瞬く間に沈んでいきました。
しかし戦艦である長門は沈むことなく衝撃波と高熱に耐えて抜き、実験終了後も洋上にその姿を留めておりました。
同年七月二五日、今度は水中での爆破実験が行われました。
長門はほぼグランドゼロである、爆心地より僅か二〇〇メートルの地点に配置され、水中で爆発した原子爆弾によって発生した巨大な水柱に他の実験標的と共に飲み込まれました。
水中で発生した巨大なエネルギーは、長門と同位置にあった戦艦アーカンソー、ネヴァタを飲み込み、一瞬で轟沈させます。
空母サラトガは大きく傾き、爆発の七時間後に沈みました。
しかし、かつてのライバル達が沈んでも、長門は未だ海上にその姿を留めていました。
それは母国を敗北に追い込んだ原爆に対する、かつての聯合艦隊旗艦としての最後の意地、戦艦としてまともな作戦に参加出来なかった事への無言の抗議か? はたまた国を守れなかった事に対する海軍代表の贖罪だったのかもしれません。

 それから五日間、七月二九日になっても彼女はそのままの姿で浮かんでいたましたが、それが人々に見せた彼女の最期の姿でした。
翌三〇日の朝、彼女の姿は忽然と海面から消えており、恐らく二九日から三〇日にかけての深夜にひっそりと沈んだものと思われます。
ゆえに長門の沈む様を目撃した者はおりません。

捕虜になる事を拒んだ武人のように、自ら人知れず自決したかのような最期に思えるのは、私だけでは無いはずです。

日本海軍最後の軍艦として、彼女はその名誉と誇りを守りながら海の底へと沈んで逝きました。

今なおビキニの海中にひときわ大きく空いた暗い穴――それこそが今も彼女が眠る墓標であり、核兵器の恐ろしさを無言で伝え続けています。

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